日本国内のいろんな潮目が変わってきた?
(2008年3月21日〜5月10日情報より)
日本国内では、ワーキングプアの問題や後期高齢者の問題など、どの問題を見ても老若男女、全ての皆さんに切実に降りかかる問題ばかりです。
これは、今まで自公政権が押し進めてきた規制緩和・福祉切捨ての政策の結果です。
しかし、この悪政に対して、国民の怒りは、全国各地でいろいろな運動を巻き起こしています。それによって、今、いろんな場所でいろんな形で、悪政を押し返す流れが、いろんな潮目となって現れています。
この潮目を財界やアメリカ言いなりの流れの側に戻すのか、国民が主人公に相応しい大きな流れにするのか、日々の出来事から見てみましょう。
キャノン:派遣解消へ、世論の批判に手直し
日本経団連会長を務める御手洗富士夫氏が会長のキャノンは、製造現場で子会社を含めて12,000人に及ぶ労働者派遣契約を年内に見直し、半数の6,000人を期間工として直接雇用し、残りを業務請負に置き換える方針です。
いすゞ自動車:期間工を正社員登用、世論・運動に押され
いすゞ自動車は、800人いる期間社員から正社員に登用する制度を導入し、800人の派遣社員も直接雇用に切り替えていく方針であることを表明しました。
日本共産党/志位委員長会見:派遣問題"潮目"変わった
遊説先の和歌山で志位委員長は、「全国の労働者のたたかい、わが党の国会論戦などを通じて、今年に入って規制緩和から規制強化への潮目の変化がはっきりと現れている」と指摘しました。この間の変化として、キャノン・いすゞ自動車・コマツ(来年3月末までに派遣社員750人を期間社員とする方針を打ち出す)の例を挙げています。
志位委員長は、「派遣から直接雇用、正社員化を求めるたたかいをさらに前進させたい」と強調。労働者派遣法を抜本改正し、"派遣労働者保護法"にするために力を尽くすと表明しました。
東武スポーツ(東武鉄道子会社):契約社員化は違法、キャディー勝訴
栃木県壬生(みぶ)町にある宮の森カントリー倶楽部で働く女性キャディーら25人が、正社員から1年契約の有期雇用に一方的に変えられ、賃金を大幅に切り下げられたのは無効だとして、東武スポーツを訴えた判決が25日、東京高裁でありました。
稲田龍樹裁判長は、「労働条件変更は経営上の高度の必要性が認められず、手続きも合理的といえない」として、現職キャディーら20人について正社員との差額賃金など約1億3千万円の支払いを会社側に命令。変更時に退職に応じた保育士ら5人は、賃金減で退職に追い込まれたと認めず、請求を退けました。
日本共産党/小池晃議員:QC(品質管理活動)も労働時間、厚労相「地裁判決に沿う」
舛添要一厚生労働相は27日の参院厚生労働委員会で、大企業などでサービス残業になっている「QCサークル」など小集団活動について、「上司の管理下にあって業務命令と考えられるものは、労働時間と算定するよう(トヨタ自動車の内野健一さん過労死事件で小集団活動を労働時間と認定した)名古屋地裁判決の趣旨に沿って労働行政を行っていきたい」とのべました。
いすゞ自動車/期間社員からの反響:「働くチャンスもらった」
「夜勤の{朝礼}で話がありました。なんとか働いていくチャンスをもらいました。」とメールを寄せたのは、2年11ヶ月以上は働けないといわれた男性。「このチャンスをいかして頑張らないといけないと思いました。本当に共産党のおかげだと思います。これからもがんばってください。」
偽装請負で働かされてきた男性は、「掲示板の募集を見て驚きました。会社が社員登用に踏み切ったのは、共産党や赤旗の運動のおかげです。本当に感謝します。」
同時に、正社員登用が希望者全員ではなく職場長の推薦や選考試験があり、限られたものとなっていることへの批判も。
しんぶん赤旗/ここが知りたい特集:財界の雇用戦略 破たん
正社員化/踏み切る大企業
3月末、日本経団連会長企業のキャノンの株主総会が開かれました。ある株主は「雇用問題の話でキャノンが問題になっている。どう対応しているのか」と質問しました。
諸江昭彦常務取締役が「派遣について指摘を受けた。個別対応とともに適正化にむけて2007年から人事本部に専門組織をつくり、全社的に対応している」と答弁したといいます。
大企業は、「国際競争力の確保」を口実に正社員を減らし、パート、派遣、請負など、低賃金で不安定な非正規雇用に置き換えてきました。07年には全労働者のうち非正規雇用は33%を占めるまでになっています。
ところが、その流れは一転。労働者の告発と労働運動、日本共産党の国会追及などで財界・大企業は雇用戦略の見直しを迫られています。
トヨタ、いすゞ自動車、コマツ、ダイキン、東京三菱UFJ銀行、三井住友銀行などに続き、派遣を拡大していたキャノンもついに派遣解消に踏み切りました。
貧困ノー/告発が動かした
非正規雇用を増大させる財界の雇用戦略は、1995年の「新時代の日本的経営」(日経連=当時)に始まります。
正規雇用は管理職や一部の総合職だけにしてあとは非正規雇用に置き換え、人件費削減と労働強化をねらうものでした。
そのテコにしたのが86年施行の労働者派遣法の導入でした。99年には原則自由化、03年には製造業にも解禁され、一気に広がりました。
ただし、派遣が認められるのは最長3年。それを越える場合、受け入れ企業は直接雇用を申し込まなければなりません。この業務から逃れるために、「業務請負」を装って派遣労働者を長年、働かせてきました。いわゆる「偽装請負」です。
しかし、世論と労働者は、違法な働かせ方を許しませんでした。トヨタ系列の光洋シーリングテクノ(徳島県)、松下プラズマディスプレイをはじめ05年から06年にかけて、労働者が勇気を持って偽装請負を告発し、直接雇用を求めて立ち上がりました。
日本共産党国会議員団はこれと呼応して、無法な働かせ方が貧困の元凶にもなっているとして、偽装請負をやめさせ、安定した雇用をつくるように政府に求めました。
こうしたたたかいによって厚労省は06年、各労働局に偽装請負是正の監督指導強化を通達。07年には、偽装請負是正では派遣への転換を認めず、派遣法を厳格に適応して直接雇用させるよう通達を出しました。これに押されてトヨタ、いすゞなどが直接雇用へ切り替えました。
ただし、直接雇用といっても期間の定めのない正社員ではなく、最長3年未満の有期雇用(期間工)で低コスト体制を維持しようとしています。しかし、3年の契約期間が切れる09年を前に非正規雇用のままでは労働者を抱え込むことができなくなっています。
しかも財界は、派遣期間の制限撤廃など派遣法の規制緩和を求めてきましたが、行き詰まりに直面しています。
国会では派遣法の改正を求める声が与党内からも上がっています。とくに今年に入って日本共産党の志位委員長の衆院予算委員会の質問(2月8日)が流れを大きく変える転機となりました。
福田康夫首相が「(派遣)臨時的・一時的な労働力の需給調整制度に変わりはない」「(非正規雇用の増加は)好ましくない」と答えたことは重要な意味を持っています。
ほころび/不良品が増える
派遣労働者を増大させてきた企業を直接雇用や正社員化に駆り立てている背景には、深刻な貧困の広がりとともに、「現場力の喪失」ともいわれる生産体制のほころびがあります。
「派遣は期間社員に切り替えていきたい。業務請負はブラックボックスが増えて、生産効率も品質も上がらないので導入しない」日本共産党の小池晃参院議員と塩川鉄也衆院議員が、いすゞ自動車に期間社員の正社員化を要請した席で同社幹部はこうしみじみと語りました。
同社では02年、川崎工場の閉鎖など9,000人にのぼる人員削減を実施。代わりに請負や派遣などの非正規雇用が増え、7,000人余の正社員に対して派遣や請負など非正規雇用は最高時に2,600人にものぼりました。
それによって職場はどうなったか。「一人前になるには2、3年かかるのに、労働者がよく替わるため、まともに生産ラインを稼動することができない。不良品が増えて、生産効率も上がらなくなり、ラインのリーダーは{もう期間社員はいらない}とボヤいていました。」期間社員の一人はこう語ります。
「期間社員の正社員化、派遣社員の期間社員化、高卒新規採用によって生産体制を再構築したい」。前出のいすゞ幹部の発言は、リコールなど生産基盤が揺らぐなかで、自らの足元から雇用戦略の見直しを迫られていることを示しています。
法改正/新たなたたかい
労働者派遣法の導入と相次ぐ改悪は、日雇い派遣に象徴される不安定、低賃金、使い捨て労働の増大を招きました。
年収200万円以下の労働者が1,000万人を超えるなか、「働く貧困層をなくせ」との世論と運動は大きなうねりになっています。
派遣で働く労働者が労働組合をつくって、違法労働の是正や待遇改善を求めています。全労連が非正規労働者センター、連合が非正規労働センターをそれぞれ発足させ、たたかいを発展させようとしています。
労働者だけではありません。「貧困なくせ」を合言葉に市民団体なども加わった運動に発展しています。
派遣法の抜本的改正を求める声は、国民世論になりつつあります。日本共産党は、派遣法を労働者保護法に改正しようと提案しています。
企業がこの間、派遣から切り替えている期間社員は、雇用責任が明確になる点などでは前進といえます。しかし、「解雇付き雇用」といわれるように、契約は3年未満。3ヶ月、半年など短期の契約更新を繰り返し、2年11ヶ月で雇い止めする事態が起こっています。
偽装請負が告発されると2年11ヶ月の派遣に切り替え、その期限がくれば今度は2年11ヶ月の期間工に切り替える−。こんな無法は許されません。
期間社員を期限がきたからと雇い止めを計画していたいすゞ自動車では、労働者が声をあげて期間社員の正社員への登用制度を実現させました。
光洋シーリングテクノでは、JMIU(全日本金属情報機器労組)の労働者が「偽装請負の是正は正社員にすること」と要求し、14人の正社員化を実現させました。
労働者と国民のたたかいによって、財界・大企業の横暴を許さず、規制緩和から強化への流れを大きくするたたかいが焦点になっています。
松下プラズマ/大阪高裁判決:派遣先に雇用義務、偽装請負告発の吉岡さん勝訴
大阪の松下プラズマディスプレイ茨木工場で働いていた吉岡力さん(33)が偽装請負を告発し、直接雇用のあと5ヶ月で解雇されたのは不当だと解雇撤回を求めていた裁判の判決が25日、大阪高等裁判所(若林諒裁判長)でありました。判決は、一審判決をくつがえし吉岡さんの訴えを全面的に認めました。
吉岡さんは2005年5月に偽装請負を告発、その不法性を社会に訴える契機となりました。松下は、いったん直接雇用したうえで隔離部屋に押しやり、06年1月末に解雇しました。
判決は、松下の違法行為(偽装請負)を認め、請負契約は無効だと指摘。継続して働かせていたことについて「黙示の労働契約(直接雇用)」にあったとして、吉岡さんの地位について「雇用契約上の権利を有する」と確認しました。吉岡さんを直接雇用後、配置転換し一人作業を押し付けたことについて「報復行為」と批判。雇い止めについても、契約は多数回更新され仕事も継続しており「更新拒絶の濫用(らんよう)として許されない」と断定。事実上の常用雇用の契約関係にあったと認めました。
高知「精華園」:いい看護がしたい、50人正社員化 労使が一致
「いい看護をするために職員全員を正職員に」−高知市にある精神科医療の専門病院「医療法人精華園 海辺の杜(もり)ホスピタル」(435床、職員260人)で、契約職員の看護助手のうち希望者の全員、50人が4月から正職員になりました。
「雇用を安定させて、いい看護を」と求めてきた高知県医労連・精華園労組のたたかいがありました。
転機は2004年。看護助手ら派遣会社に移籍させる計画に対し、看護助手42人はじめ多数の契約職員が組合に加入し、撤回されました。組合はその後も、よりよい看護と病院の将来のために不安定雇用をなくすよう求め、病院側も経営陣が変わるなかで正職員化を決断しました。
下司孝管理部長は「病院には人材こそ財産です。とりわけ精神科医療では入院日数も長く、安定したケアが欠かせない。不安定な雇用をなくし、待遇をよくして生きいきと働いてもらうことが、患者さんや病院のためにもなる」と強調します。
名ばかり管理職:84時間連続勤務、東京地裁 SHOP99元店長提訴
24時間営業の安売りチェーン店「SHOP99」(九九プラス・東京小平市)の元店長、清水文美さん(28)が9日、「名ばかり管理職」として残業代もなく長時間働かされ、健康を壊して休職に追い込まれたとして、残業代と慰謝料など約450万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こしました。
提訴後会見した首都圏青年ユニオン組合員の清水文美さんは、「入社後1年足らずで働けなくなるとは思わなかった。会社は人を人として扱ってほしい」と訴えました。
清水さんは2006年入社後、9ヶ月で店長にされました。管理監督者扱いされ、残業代は払われず、店員時代より賃金は8万円もダウン。アルバイトがいない時間も代わりに働かざるをえず、29日間の連続勤務や4日間で連続84時間労働など過酷な労働が原因でうつ状態と診断され休職中です。
清水さんは「慢性的な人手不足で、いつ帰れるのか、休めるのかわからない状態だった」と語りました。
訴状では、労働時間に裁量もなく、全従業員の7割が店長にされているとみられることなどをあげて、管理監督者ではないと指摘しています。
笹山尚人弁護士は「労働実態を見ても管理監督者にあたらない。社会問題化している"名ばかり管理職"だ」と強調。
同ユニオンの河添誠書記長は「やっとつかんだ正社員の仕事で過酷な労働を強いられた。若者の雇用破壊の中で起きている問題だ」と指摘しました。
九九プラス広報:訴状が届いていないので、コメントは差し控える。
沖縄戦訴訟/大阪地裁:集団自決「軍、深く関与」、大江さん側勝訴
沖縄戦の「集団自決」での旧日本軍の命令を否定する元日本軍の守備隊長らが、軍関与を指摘した大江健三郎さんの著書「沖縄ノート」などで名誉を傷つけられたとし、同氏と岩波書店を相手に出版差し止めと慰謝料などを求めた訴訟判決が28日、大阪地裁(深見敏正裁判長)でありました。
判決は、「集団自決」には「日本軍が深くかかわったものと認められる」とし、名誉棄損は成立しないとして請求を棄却しました。
「読売」/世論調査:「改憲反対」が15年ぶり上回る、「9条守れ」6割に
読売新聞が1981年から実施している面接方式の「憲法」世論調査で、「憲法改正」反対が賛成を15年ぶりに上回ったことが、同紙8日付の報道で明らかになりました。
「今の憲法を改正しない方がよい」と思う人は43.1%で昨年調査より4.0%増、「改正する方がよい」は42.5%で同3.7ポイント減でした。
同紙調査では、9条については改定反対が一貫して多数でしたが、憲法全体については93年から改定賛成が反対を上回り、2004年には賛成65.0%と最高を記録しました。
しかし、同年に「9条の会」が結成され、翌年から4年連続で改憲反対が増加、昨年は賛成が過半数割れしました。
9条については、「これまで通り、解釈や運用で対応する」と「9条を厳格に守り、解釈や運用では対応しない」のいずれも増加し、あわせて60.1%に。
「9条の会」7,000突破:運動への不当な干渉に抗議、記者会見で発表
憲法9条の改定に反対し、9条を守り生かす活動をすすめている「9条の会」は25日、国会内で記者会見し、同会アピールに賛同する地域・職場・分野別などの「会」が7,000を突破したことを明らかにしました。会見では運動への不当な規制・干渉に抗議する事務局見解も発表しました。
「会」結成数は、昨年11月段階の6,801から238増加し7,039になりました。
神奈川県箱根町では、地域の「会」が公民館を借りる際、町教育委員会が「9条堅持に偏って主張することは避ける」と条件をつけるなどの事態が起きています。
映画「靖国」への助成をめぐる自民党議員の攻撃を含め、事務局見解は「9条改憲をもくろむ勢力のあせりが、権力の側から言論・表現・集会の自由の侵害という形で現れている」と指摘。「憲法をめぐる議論は最も手厚く保障されるべき言論だ」とし、不当な規制や干渉に抗議しました。
9条世界会議開幕:平和憲法の価値再発見、内外参加者熱く交流
憲法9条の意味を世界の人々と考える「9条世界会議」が4日、千葉・幕張メッセで開かれ、講演や合唱、アーティストによるライブなど多彩な催しが行われました。
全国から参加者がかけつけ、満席となった会場にはのべ12,000人が入場。3,000人以上が入りきれませんでしたが、外でも海外ゲストとの交流が行われました。
実行委員会共同代表の池田香代子さん(翻訳家)は、「平和憲法は日本の市民が日々選びとり、61年間努力して維持し続けてきたもの」と強調。
講演したノーベル平和賞受賞者のマイレッド・マグワイアさん(北アイルランド)は、「日本の平和憲法は、世界中の人々に希望を与え続けてきた」と指摘。
東芝差別争議が和解:たたかい40年ごし、処遇是正・再発防止の協定
電機大手の東芝(本社・東京都港区)が、働きやすい職場の実現をめざして活動していた日本共産党員や労働者を排除するため昇進・昇格差別を行ってきた事件で、是正を求めていた労働者96人は24日、差別された処遇の是正、解決金の支払い、再発防止を内容とする全面和解協定を東芝と結びました。
東芝差別争議:東芝は、1960年代から要求実現に努力する労働者らを排除する労務管理に乗り出しました。秘密組織もつくって、労組役員から排除し、重要な仕事からもはずし、昇進・昇格面で差別してきました。労働者らは95年に会を結成し、不当労働行為の救済を神奈川県労働委員会に申し立て。県労委に続いて中央労働委員会も2004年、「組合に対する支配介入」と認定、是正を東芝に命じました。
IHI(旧石川島播磨重工業)の横暴に勝った:労組員一掃狙った子会社解散に反撃、和解調印・雇用守らせる
IHIが子会社のTEC(東京エンジニアリング)を解散し、労働者全員を解雇しようとした問題で28日、雇用保障を求めてたたかっていたJMIU(全日本金属情報機器労組)TEC支部の組合員11人がTECに謝罪させ、雇用確保などを勝ち取りました。
親会社のIHIは、働きやすい職場をめざして活動する日本共産党員や労働者を差別する反共労務政策をとってきました。IHIはTECにも労務担当者を出向させ、昇進昇格差別などを行ってきました。会社解散・全員解雇は、JMIU組合員をIHI関連会社から一掃することが狙いの一つでした。
後期高齢者医療制度1ヶ月:27都府県医師会が異議、急速に批判広がる
75歳以上の高齢者の医療を差別する「後期高齢者医療制度」や、同制度の診療報酬「後期高齢者診療料」の算定について、全都道府県医師会の半数を超える27医師会が「反対」「慎重な対応」など批判的な態度を表明していることが本紙の調査で5日、分りました。4月19日時点では20府県医師会でした。地方の医師会のなかで、同制度への批判が急速に広がっていることを示しています。
後期高齢者医療制度:共産党アピール、撤廃の一点で共同を
日本共産党の志位和夫委員長は8日、国会内で記者会見し、「高齢者差別の医療制度は撤廃しかない−撤廃の一点での国民的共同をよびかけます」とするアピールを発表しました。
アピールのポイント:
第一の理由−医療費削減のための高齢者差別法は許されません。
第二の理由−制度は存続すればするほど、国民を苦しめます。
・ 保険料は「天井知らず」に値上げされる。
・ 差別医療が導入され拡大される。
第三の理由−すべての世代に重い負担と医療切り捨てをおしつける制度です。
小手先の「見直し」でなく撤廃せよ−安心できる医療制度へ国民的討論を。
「米軍違憲」破棄へ米圧力/解禁文書で判明:59年の砂川裁判一審判決直後、駐日大使、最高裁長官と密談
安保条約にもとづく在日米軍の駐留を憲法違反とした1959年の砂川事件・伊達判決に対し、米駐日大使が当時の最高裁長官と「内密の話し合い」をもつなど、判決破棄へ圧力をかけていたことが米政府解禁文書で明らかになりました。
国際問題研究者の新原昭治氏が今月、米国立公文書館で入手したもの。米軍駐留違憲判決に対する米側の衝撃ぶりと、干渉を無批判に受け入れる日本側の異常な対米従属ぶりが分ります。
1959年3月30日の砂川事件の一審判決(東京地裁)で伊達秋雄裁判長は、安保条約のもとで米軍が「極東」に出動することは、日本に直接関係のない戦争に巻き込むおそれがあり、また保持を禁じた「戦力」にあたるとして、米軍駐留は憲法前文、9条2項違反とする判決を出しました。
解禁文書は判決当日から最高裁での弁論終了後の9月19日まで、当時のマッカーサー米駐日大使から国務省あてを中心にした14通の電報です。
伊達判決の翌日には、米大使が藤山愛一郎外相に閣議前の早朝に秘密会談を申し入れ。当時進行中だった安保条約の改定交渉への影響や、東京・大阪など重要知事選前に「大衆の気持ちに混乱を引き起こしかねない」ことに強い懸念を表明しました。大使は「日本政府が迅速な行動をとり東京地裁判決を正すこと」を求め、過去に一例しかなかった最高裁への「跳躍上告」を提案しました。日本政府は部内で検討していた経過もあり4月3日に跳躍上告しました。
最高裁は、当時3,000件もの案件を抱えていましたが、砂川事件を最優先処理。電報の5日後には最高裁が弁護人を21人に制限するとの決定を下すなど、「迅速な決定」へ異常な訴訟指揮をとりました。最高裁は同年12月16日、一審判決を破棄、東京地裁に差し戻しました。
砂川事件:1957年7月、東京都砂川町(現立川市)で米軍立川基地拡張に反対する労働組合員や学生などが基地内民有地の測量に抗議して敷地内に数メートル立ち入ったとして、2ヶ月後に逮捕。安保条約に基づく刑事特別法違反で起訴されたもの。一審では無罪、最高裁で破棄差し戻しされ、罰金刑に。しかし反対闘争の前に米側は基地拡張を断念、77年立川基地は返還されました。
跳躍上告:地方裁判所などの一審判決に対し、法律・命令・規則もしくは処分が憲法違反とした判断、あるいは地方公共団体の条例・規則が違法とした判断が不当であることを理由に、直接最高裁に上告すること(刑事訴訟規則第254条)。
川崎重工08年3月期決算:収益ともに過去最高
川崎重工業が2008年3月期連結決算を30日発表。収益とも過去最高を更新。売上高は前年比4.3%増の1兆5010億9700万円と3年連続で過去最高。経常利益は30.4%増の639億7200万円、純利益も18%増の351億4100万円といずれも過去最高。
09年3月期は、売上高1兆4600億円、経常利益550億円、純利益300億円を見込む。
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以上、2008年3月21日から5月10日までの日本全国でのいろいろなたたかいや、出来事・新発見について拾い出してみましたが、国民が主人公に相応しい全国各地でのいろんな流れの変化が、潮目となって見えていると思います。