「はぐるま」 2014年 10月号外 |
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川崎重工業 プラント・環境カンパニー
東京技術部門等の約300名(派遣社員含む)神戸工場への配転を提案
労働者に一方的に犠牲を強いるやり方では、問題の解決にならない!
川崎重工業は、8月20日に、プラント・環境カンパニーの東京技術部門等の239名を来年の4月1日に神戸工場に配転させると労組に提案しました。それと同時に、同部門に入業する派遣社員等の約60名も移転させるとしています。
その理由として、2013年度に経常赤字に転落したエネルギープラント事業の「再生と強化を図る」などと説明しています。
いま職場では、戸惑いと不安、怒りが・・・
東京の職場では、子どもの養育や親の介護、持家の処分や転居先での生活、共働きや婚約者などの対応に迫られ、戸惑いと不安が広がっています。受け入れ先の神戸でも、玉突き配転や派遣社員の契約解除などの不安が出ています。また、「(経営層は)責任を取らずに下の者ばかりに犠牲を強いている」と経営層に対する怒りの声も上がっています。
経常赤字の真の原因は、神戸集約で解決するのか?
会社は、経常赤字について、「調達・品証・工程管理での対応能力不足が主たる要因」で、「プロジェクト対応能力の強化を図る」ために東京技術部門等を神戸に集約すると説明しています。
しかし、エネルギープラント事業は、これまで何度も工場の閉鎖・移転などの組織再編を繰り返してきました(注)。このような経営施策にこそ問題がないのか、真の原因について徹底究明が必要ではないでしょうか。
(注)1988年に大阪工場閉鎖し、技術部門を東京事務所、製造部門を千葉工場に移転。2001年に千葉工場を閉鎖し製造部門を播磨工場に再移転。2005年にKプラントとして分社。2010年に再統合。2011年に播磨工場技術部門を神戸工場に集約。
働く人を大切にし、一人ひとりのモチベーションを上げることによって解決するのが経営者の役割では
同事業の部門では、「構造改革」とか「効率化」の名のもとに、いつも労働者が一方的に犠牲を強いられてきました。今回は派遣社員に対しても、寮・社宅の用意や長期の雇用の保証をすることなく配転を要請しています。また、配転手続きも、すでに決まったかのごとく強引に進めています。このような経営体質に労働者は不安を抱かずにはいられません。
働く人を大切にし、一人ひとりのモチベーションを上げることによって、経営問題を解決していくのが経営者の役割ではないでしょうか。それに地域経済や雇用に対する社会的責任も忘れてはなりません。
遠隔地への配転強行は「なしくずし解雇」、会社には育児・介護の状況に配慮する義務がある
これまで遠隔地への配転のたびに、少なからずの労働者が退職に追い込まれてきました。
会社には、労働者を配転させる場合、育児・介護の状況に配慮する義務があります(育児・介護休業法26条、裏面参照)。本人の同意なしの配転強要で、「なしくずし解雇」にするようなことは決して許されません。
【この件に関する情報提供をお待ちしています】
厚生労働省 『育児・介護休業法のあらまし』よりの抜粋 Ⅸ-8 労働者の配置に関する配慮 (第26条) ○ 事業主は、労働者を転勤させようとする場合には、その育児又は介護の状況に配慮しなければなりません。 (1) 事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴う転勤をさせようとする場合において、当該労働者の育児や介護の状況に配慮し、労働者が育児や介護を行うことが困難とならないよう意を用いなければなりません。 (2) 配慮することの内容としては、例えば、 ① その労働者の子の養育又は家族の介護の状況を把握すること。 ② 労働者本人の意向を斟酌すること。 ③ 就業場所の変更を行う場合は、子の養育又は家族の介護の代替手段の有無の確認を行うこと。 等が考えられます(指針)が、これらはあくまでも配慮することの内容の例示であり、他にも様々な配慮が考えられます。 ポイント解説 ★ 転勤の配慮の対象となる労働者が養育する子には、小学生や中学生も含まれます。 |