2010年3月19日
川崎重工業株式会社
代表取締役社長 長谷川 聰 様
日本共産党兵庫国政委員長 堀内 照文 |
日本共産党兵庫県会議員団 団長 ねりき恵子 |
日本共産党神戸市会議員団 団長 松本のり子 |
日本共産党明石市会議員団 団長 沢井きよみ |
日本共産党川崎重工委員会 |
派遣労働者の雇い止め撤回を求める申し入れ
貴社明石工場の汎用機カンパニーが3月末で派遣労働者全員の雇い止めを計画していることが判明し、2月12日に新町みちよ県議らが同工場に「派遣労働者の雇用維持と正社員化を求める」申し入れを行いました。応対した勤労課長は、「法は遵守する」「申し入れは真摯に受け止め、できるだけのことをやりたい」などと答えました。
しかし、その後、同工場で働く労働者から多くの情報が寄せられ、勤労課長の回答とは裏腹に違法・無法の実態が明らかになりました。まず労働者派遣法の大原則は、派遣は臨時的、一時的業務に限るもので、常用雇用の代替は認められていません。しかしながら、勤務している派遣労働者は、長年にわたり同じ仕事に従事し正社員と同じように働いています。中には勤続20数年の労働者もいます。これは、法律の大原則を真っ向から踏みにじるものです。
また、法律で定める最長3年の派遣期間を逃れるために、「クーリング・オフ」と称して同工場内に設けられた「請負工場」に約3ヶ月間、派遣労働者を順次移動させ、その後も派遣で働かせています。これも、「偽装請負の期間や違法クーリング期間は、派遣期間に通算する」「クーリング期間後に再び派遣を就業させることを予定している場合は違法」という政府答弁(2009年2月の日本共産党の志位質問に対して当時の政府が答弁)に照らせば、明らかな違法行為です。
同カンパニーでは、このような「クーリング・オフ」対策のために膨大な会議を開き、しかも、労働局の立ち入りを想定した書類づくりまで組織的に実施しています。
雇い止めの3月末は目前に迫っています。同カンパニーは「申し入れは真摯に受け止め、できるだけのことをやりたい」と述べながら、雇い止めすることを何ら変更していません。このままでは、大勢の派遣労働者とその家族が路頭に迷うとともに、地域社会にも深刻な影響を及ぼすことは必至であり、雇い止めは何としてでも撤回すべきです。
貴社が法律を守り、労働者の雇用と生活を守るという大企業としての社会的責任を果たすことを強く求め、以下の申し入れをいたします。
記
1.派遣労働者の雇い止めを直ちに中止・撤回し、大企業としての社会的責任を果たすこと。
2.違法なクーリングをやめること。
3.派遣期間制限を超える派遣労働者に対して直接雇用の義務を果たし、正社員化をすすめること。
以上