人間らしい労働と生活の実現を!
労働者の働きがいと地域社会への貢献が誇れる企業に!
新年あけましておめでとうございます。
21世紀最初の10年が終わり次の10年の始まりにあたって、私たちの抱負と決意を述べさせていただきます。
昨年は、民主党政権の「自民党返り」ともいうべき様相がいっそう明白になりました。「アメリカと財界言いなり」の「二つの異常」をもった古い政治の枠組みでは、経済でも、外交でも深刻な閉塞状況から抜け出すことができません。
私たち日本共産党は、国民の暮らし最優先の経済政策と憲法9条を生かした自主・自立の平和外交への根本的な転換をはかり、「国民こそ主人公」の新しい日本をめざして奮闘します。
職場の問題では、引き続き人間らしく働き、人間らしく生活できる職場の実現をめざして奮闘します。
いま、完全失業率は5%以上の高止まり、新卒者の就職難は“超氷河期”と言われ、雇用危機が大きな社会問題になっています。
その根本には、長年にわたって賃金が減りつづけ(民間企業で12年間に62万円以上)、主要7カ国の中で、日本だけが「国民が貧しくなった国」という問題があります。これが国内需要を減少させ、日本経済の危機をさらに深刻にしています。
一方、大企業の内部留保は244兆円までに激増し、上場企業の手元資金は1年前より7兆円も膨らみ、「空前の金あまり」状態となっています。
国民生活の危機を打開するためには、大企業の過剰な内部留保と利益を、雇用の安定と労働条件の改善などの国民の暮らしに還元させる以外に道はありません。
具体的には、非正規から正規雇用への転換とサービス残業の根絶や異常な長時間労働の是正による雇用の拡大、最低賃金の引き上げ、人間らしい生活ができる賃金への引き上げ、中小企業の下請け単価の引き上げなどが必要です。
人間らしい労働と生活の実現をめざすたたかいは、そこで働く労働者にとってだけでなく、内需を高め、日本社会と経済の健全な発展に大きく貢献する道でもあると私たちは考えています。
それに、ILO99年総会で掲げられたディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現という目標は、その後、「すべての国家の持続可能な経済成長および発展の達成に不可欠」であると確認され、いまや世界で大きな流れとなっています。
川崎重工は、「CSR報告書」で「働きがいのある職場づくり」や「安全で快適な職場環境」を築くことなどを表明しています。これらは、大企業としての社会的責任からして当然であり、歓迎するものです。
しかしながら、労働者の労働と生活の実態は、非人間的な「派遣切り」や脱法的な「クーリング期間」の悪用、下請け業者の単価切り下げ、サービス残業の横行と長時間残業の日常化、高齢者の大幅な賃金カットと女性の賃金差別、メンタルヘルス障害と労働災害の頻発など、「CSR報告書」でうたわれている内容とは大きくかけ離れたものになっています。
私たちは、これらの問題を一つひとつ解決しながら、労働者の働きがいと地域社会への貢献という点で、大いに誇れる会社になるように働きかけていきたいと思います。労働者のみなさん、ともに頑張りましょう。
いっせい地方選挙は3カ月後に迫りました。日本共産党は、住民の暮らしと地域経済を立て直し、憲法の精神にたった地方自治の拡充をすすめるために奮闘しますので、ご支援をよろしくお願いします。
最後にみなさんがご家族ともどもこの1年を健康に過ごされることを祈念して新年のご挨拶といたします。
(11.01.10)