2013新年あいさつ

 

 新年明けましておめでとうございます。

 みなさん良いお年をお迎えのことと存じます。

 昨年末の総選挙は、自民・公明両党が3分の2を超える議席を獲得し、自公政権が復活する結果となりました。これは、民主党政権が公約を裏切り続けたことへの国民の怒りがもたらしたものであり、自民党の獲得した得票が有権者比で比例が15%にすぎないことからも、国民の支持なき「虚構の多数」にほかなりません。
 安倍内閣は、発足してわずかですが、「無制限の金融緩和」と大型公共投資のばらまき、集団的自衛権行使と憲法改定、原発再稼働と新増設容認にむけた動きなど、早くも、古い破たんした政治を再び暴走しようとしています。

 昨年は、政治の責任が置き去りにされる中で、安全で安心な生活を求める国民の運動が歴史的な高まりを見せました。
 原発廃止を求める7月の東京代々木公園集会には、17万人が参加し再稼働に怒りの声をあげています。日本の農業や産業に大打撃となる、TPPへの参加反対を訴える集会は、北海道から沖縄まで全国各地に広がっています。アメリカ国内でも安全性が疑問視されたオスプレイの沖縄配備反対の沖縄中央集会には、全国からの支援者も加わり10万人が集まりました。
 こうした国民の声と運動の高揚によって、大飯原発以外の再稼動を許しておらず、TPP交渉参加も強行させていません。どの分野でもたたかいの決着はこれからです。今年は、参議院選挙もあります。国民の運動をさらに発展させ、「民意がかなう政治」への確実な前進の年にしましょう。

 深刻なデフレ・不況対策は国民的な大問題になっています。それは、大企業が長年にわたり、大規模なリストラや海外移転、下請業者の「単価たたき」、非正規雇用の拡大などを推し進めてきたことにより、労働者の所得が大幅に減少し、それによる内需の縮小が根本的な原因です。
 大企業のもうけ本位の「使い捨て」労働は、一刻も放置できない問題です。青年は2人に1人が非正規社員で、正規社員との賃金格差は年齢が高くなるほど広がっています。年収200万円以下の労働者が1000万人を超えています。このままでは、ものづくりの伝承も日本経済も持続できない事態に陥ります。
 デフレ・不況からの脱却の最大のカギは、260兆円もの大企業の内部留保を活用し、非正規社員の正社員化や賃金水準のピーク時(1997年)までの回復など、安心してずっと働ける雇用と賃金の保障によって、国民全体の所得を増やすことにあります。

 私たちは、昨年、コンプライアンスが遵守され、働くみんなが大切にされる「安全で健康な職場」の実現を目指し、請負・派遣業者の単価引下げの撤回や、サービス残業の根絶・長時間労働の是正、死亡災害の根絶、ヘリ官製談合疑惑の真相公表、契約社員の大量解雇の撤回などに取り組んできました。
 今年も、引き続きこれらの問題にみなさんと力を合わせて取り組み、前進に向けた確かな一歩の年になるよう奮闘する決意です。
 最後にみなさんがご家族ともどもこの1年を健康に過ごされることを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

(13.01.06)