休業災害が後を絶たない坂出工場
−安全ルールが守れる作業工程になっているのか!−
後を絶たない休業災害
坂出工場では1月から5月までに毎月1件から2件の休業災害が発生しています。
殆どが数メートルの高さからの転落です、死に至らなかったのが不幸中の幸いですが、硬い鉄の塊に転落したことを思うと、なんとも被災者やご家族の痛々しさが伝わってきます。
造船現場の場合は高所作業の環境にありますが、それだからこそ、その環境に見合った安全対策を従来からとって来ているはずです。
それなのに、同様な休業災害が後を絶たないのは、生産優先の作業工程になっているからではないのでしょうか。今、坂出工場では造船が好調でLNG船、LPG船の生産が急ピッチで進められています。
本人の不注意か
被災者は勤続年数も数年未満の20代の若年労働者たちが殆どです。経験が浅く安全に対する指導が十分なされていたか問題です。
災害要因は殆ど本人の不注意を指摘されていますが、朝礼などで生産アップを常に指導されている労働者の意識に焦りが残り不注意につながることもあります。また、連続する長時間残業や作業に疲労が蓄積し健全な行動が取れない体力になっている場合もあります。
最近は道具の機械化やIT機器を使って生産向上に役立て、生産能力をアップしていますが、造船の現場は相変わらず個々人の力に頼らざるを得ない作業環境です。
従って直接的には個人の行為による災害ですが短縮された生産工程そのものが主要な要因といえるのではないでしょうか。
会社の安全対策は
昨年12月25日開かれた第49回安全衛生協議会にて2007年の反省を踏まえて『「安全第一」と言いながらも「生産第一」になっていなかったか』の労働組合の質問に対して『「安全を優先した生産であるべきである」とし、労働安全衛生マネジメントシステムを全事業所で導入し、本格的にリスクアセスメントを実施しているが職場の従業員が慣れておらず、手間取り、負担に感じている。早くなれるよう全職場へ浸透を図っていきたい』と回答しています。
システムやITを導入すれば必然的に安全成績が上がるとでも、思っているのでしょうか。
このシステムを実施すれば安全だから、早く覚えろと労働者に強制しても結局は、会社の回答にあるように労働者の負担になるだけです。負担になるシステムを考えながらの作業は余計に災害を増やすことになるでしょう。
健康で安全な職場をみんなで
もっとゆとりのある生産工程を確保して、押付けられた安全教育ではなく、みんなが危険作業を指摘し合い、相談、協力し合える健康で安全な職場環境にしていきましょう。
(08.07.04)