アスベスト裁判について

 読者の方から「アスベスト裁判について」という投稿がありましたので紹介します。


 2005年9月、大手機械メーカーのクボタは「兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場の従業員74人がアスベスト関連病で過去に死亡し、工場周辺に住み中皮腫で治療中の住民3人に200万円の見舞金を出す」と公表しました。このいわゆる「クボタ・ショック」以来、アスペスト被害の実態が明らかにされてきて、クボタ周辺の住民、大阪泉南地域の石綿工場労働者やその周辺住民が裁判を起こしています。

 川重関係では、アスベストによる労災認定は厚生労働省発表(2010年累計)で、27件になっていますが、川重神戸工場で働いていた、故丸本氏の遺族が労災申請をしましたが不認定とされ、現在神戸地方裁判所において、国を相手に「不認定の取り消し」を求めて裁判が続いています。

 私は、丸本さんの裁判を傍聴していますが、私自身の職歴調査をしてアスベスト被ばくを確認し、川重の証明を受けて国から健康管理手帳を取得し、現在、指定病院で健康診断を受診しています。すべて無料で交通費も支給されます。受診結果で要観察となり、初めは「石綿肺」と記載されていましたが、現在は「じん肺」に変更されています。

 現在川重で働く皆さん、自分の職歴を思い起こしてみてください。過去にアスペストを扱ったことはありませんか。またアスペストを使用していた現場周辺で働いていたことはありませんか。該当者には会社から連絡があるはずですが、連絡がない場合も心当たりがありましたら、自分の健康を守る上でもアスベスト被ばくの職歴調査をされることをお勧めします。メモや覚書などの資料があればなお良いでしょう。

 アスペスト疾病は、アスベスト扱ってから長い年月を経てから健康被害が出てくるのが特徴で、肺線維症(じん肺)の潜伏期間は15〜20年、肺がんは15〜40年、悪性中皮腫は、特に潜伏期間が特に長く20〜50年とされています。
調査の結果、アスベスト被ばくが明らかになった場合は、国からの「石綿健康管理手帳」の交付を受けて、定期の健康診断をうけることが大切です。

元川重労働者 T


(12.05.27)