本の紹介「憲法を守るのは誰か」
幻冬舎ルネッサンス新書 (2013/07第1刷発行)
著者 青井未帆(あおいみほ)
著者略歴
学習院大学法務研究科教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得満期退学(修士〈法学〉)。信州大学経済学部専任講師、同助教授、同准教授、成城大学法学部准教授を経て、2011年より現職。主な研究テーマは憲法上の権利の司法的救済、憲法9条論。
内容紹介
“2012年12月の総選挙で自民党が圧勝。安倍晋三首相を筆頭とする自民党主導の下、日本国憲法をめぐる議論が活発になってきた。いままさに、私たち国民一人ひとりが憲法と真剣に向き合わなくてはならない時がきた。”との著者の問題意識のもと、「いま政治の世界でなされている憲法改正の論議は、あまりにおかしい」、「いったい憲法は誰のために、何のためにつくられた法なのか」、「憲法とはどのような法であるか」、および「自民党の憲法改正草案の問題点」が、分かりやすく解説されている。
目次
序章 憲法の目的は人権を保障することにある
第1章 日本国憲法は立憲主義憲法である
第2章 憲法が保障する基本的人権
第3章 憲法は国の最高法規である
第4章 安全保障は人権の問題
第5章 暴走への懸念
終章 いまこそ一人ひとりが、良識をフルに働かせる時
(IJの感想)
本書を手にとり、現行憲法の素晴らしさ(崇高性といってもよいかもしれません。特に、前文は読むほどに奥が深く、味があります。)を再認識することができました。それに比して、改憲草案から漂う世界観の、なんと、古色蒼然としていることか・・・、まさに時代を逆行させるものであると思いました。
「基本的人権(ごく簡単に言えば、個人が自由に生きる権利・・IJ付記)の保障こそが憲法の目的であり憲法の核心である・・・」に感銘を受けるとともに、「一人ひとりの個人こそが大事なのだという考えを最も高らかに謳った条文として、憲法第一三条の持つ意味はとても大きいのです。日本国憲法の真髄といってもよいでしょう。」に大変感動しました。
(IJ記)
(18.12.01)