川重、06年度経常利益は400億円で大もうけの見通し
企業減税が実施されれば、さらにもうけ増加!
「大銀行法人税ゼロ、空前のもうけ3兆円なのに、国民は住民税増税・負担増なのに」という見出しが「しんぶん赤旗」(12月3日)に、「しんぶん赤旗日曜版(12月3日)」では大企業に「あんまりだ!大もうけ大企業に大減税、庶民には大増税の非情」が報じられました。その紹介と川重の大もうけについて見てみました。
大手銀行6グループ(三菱UFJ、みずほ、三井住友、りそな、住友信託、三井トラスト)は9月期中間連結決算でも、過去最高を更新する最終利益(純利益)を計上しました。しかし、どのグループも法人税を納めていません。
税務上の優遇(黒字でも過去の赤字と相殺される制度、不良債権処理を後押しするため、04年度から繰越期間が5年から7年に延長されました。この制度はすべての企業に認められています。)によるものですが、国民の怒りが高まっています。
大手銀行6グループがすべて法人税を納入すれば、赤旗の試算では8,880億円(06年度)となり、この税収があれば、住民税の定率減税半減(約4千億円)、公的年金等控除の縮小など高齢者を苦しめる住民税増税(約千六百億円)、高齢者分の介護保険料の引き上げ(約二千億円)、障害者の支援費制度・医療の自己負担強化(約七百億円)などをやめてもおつりがきます。
このような、大企業優遇に対する批判のなかで、安倍内閣の下、首相の諮問機関の政府税制調査会では法人3税(法人税、法人事業税、法人住民税)を現在の40%から30%台に引き下げる方針を出しました。
法人3税の税収は年間で約20兆円、税率を40%から30%に引き下げると、単純計算で5兆円の減税です。この税率引き下げが実現すると、例えばトヨタは1000億円もの減税になります。
他方、庶民には定率減税の半減(06年度)、全廃(07年度)や高齢者への所得税・住民税の増税など5兆円の増税。そして将来の消費税増税も待ち構えています。
川重ではTAR-GET(賃金制度改悪)により、中高年の賃金削減や、定昇が事務・技術職では廃止、現業職では削減され、そのうえ春闘でのベースアップゼロが続き、職能給が増えないかぎり賃金はほとんど増えていません。
一方、川重は着実にもうけを増加させており(表1参照)、今年度は経常利益で400億円もの大もうけとしています。企業減税が実施されればさらにもうけが増えることになります。もうけは労働者が働いて生み出したものです。川重は労働者の賃上げを実施すべきです。
表1 川崎重工業の連結利益推移 (億円)
01年度 | 02年度 | 03年度 | 04年度 | 05年度 | 06年度(見通し) | |
売上高 | 11,445 | 12,395 | 11,602 | 12,415 | 13,224 | 13,900 |
営業利益 | 313 | 305 | 222 | 247 | 417 | 540 |
経常利益 | 142 | 162 | 121 | 210 | 308 | 400 |
(07.01.21)