神戸憲法集会に参加

 読者の方から「神戸憲法集会に参加しました」という投稿がありましたので紹介します。


 5月3日(土)兵庫県憲法集会に参加しました。
 毎年、5月3日と11月3日の年2回開催されます。
 例年は500名収容規模のホールで開催されていたのが、今回は1,100名収容の神戸芸術センターで開かれました。
 昨年11月3日の憲法集会で主催者から今回の告知があり、器を大きくしてそれに見合った参加者が集まるか危惧されていましたが、蓋を開ければ1,100名を超える満員でした。

 「グローバル化と国民国家の危機」と題して内田樹(たつる)さん(*1)が講演しました。
 講演の冒頭、神戸市と神戸市教育委員会が「政治的中立」を理由に後援を拒否したことについて、公務員の憲法尊重擁護の義務(99条)に照らして批判し、このような事象が神戸市以外の全国で起こっていることを危惧されていました。
 戦後の日本は、アメリカに倣い「スクラップ&ビルドアップ」でどんどん古いものを壊していった、そして今の安倍政権は政治を株式会社のようにみている。株式会社は議論する場ではなく、トップダウンで決めて市場に出せばすぐに結果は出てくる、倒産しても株主は出資額以上の責任はとらなくていい有限責任である。しかし政治が株式会社のように効率、スピードを求めると、立法府(国会)などいらないことになり独裁です。
 しかし政策を誤ったら株式会社と違って無限責任であり取り返しのつかないことになる。それに対置して民主主義は合意形成に時間がかかることがいいところであり、社会は急激に変わることはない点を強調されていました。
 また憲法を国民ひとりひとりのものにすることの重要性を訴えられました。
 紋切型の憲法論議でなく、切り口の違った講演内容で非常に良かったです。

 上脇博之(ひろし)さん(*2)が「憲法をとりまく情勢」と題して、安倍政権の暴走とアメリカとの矛盾や、集団的自衛権行使反対の世論の高まりを報告し、解釈改憲阻止を訴えました。

 例年にも増して盛り上がった憲法集会です。
 次回は、11月3日に開かれます、是非参加して下さい。

*1内田樹(たつる)さん
   神戸女学院大学名誉教授、凱風館館長
   専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など

*2上脇博之(ひろし)さん
   神戸学院大学大学院実務方角研究家教授
   「政治資金オンブズマン」共同代表、兵庫県憲法会議事務局長

(Y記)


(14.05.18)