「はぐるま」 2014年 夏季号 NO.220 |
スイス グリンデルワルト(K.S) |
Contents
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「パートナー社員制度」って何?
安倍政権がねらう「限定正社員」の先取りみたい
「多様な働き方を求める労働者の…雇用機会の創出を目的」と期待感を抱かせるが・・・
川重は、「パートナー社員制度」を10月から新設すると発表しました。その概要は、「庶務その他補助的業務あるいは特定分野の定常業務を遂行していく従業員を、期限を定めず63歳まで雇用する」とし、賞与・退職金も支給し、採用は各事業所で行い、「原則として異動・転勤は命じない」としています。【大河】 7月末からの記録的な豪雨は、各地に大規模な被害をもたらし、特に広島の土砂災害では、死者49人不明者41人(8/24時点)の甚大な被害が出ました。被害を受けたすべての方々に、心からお見舞いを申し上げます。 日本はガケ崩れの危険個所が多く全国で約52万カ所、中でも広島県は3万2千カ所と全国一です。自治体は危険個所を調査し、土砂災害警戒区域等を指定し住民に周知することになっていますが、人手不足等で進んでいません。広島の被害地域で指定されていたのは一カ所のみと悔やまれます。豪雨のたびに多くの死者を出し、日本は災害に弱い国になっています。 安倍首相は、すでに行方不明が報じられていた20日に、国民の命よりゴルフを優先するというゆるみきった姿勢です。一方、被災地に「手伝えることはないか」とボランティアの申し出が殺到しており、希望が膨らみます。一日も早く国民の命と安全を第一にする政治が望まれます。 |
川重・西神戸工場での石綿健康被害について 会社は労働者の生命・健康を第一に |
6月26日の株主総会において、西神戸工場で働いていた元従業員(Aさん)の石綿健康被害に関する質問に対し、社長は「個人の問題」として門前払いしました。
労働者の生命・健康を守るのは、企業の義務であり社会的責任です。この点から私たちは、昨年、西神戸工場に対して申し入れをしましたが、いまだ変化が見られません。問題点を改めて明らかにし、会社に誠意ある対応を求めます。
Aさんは、入社十数年後にじん肺管理区分2に認定されましたが、その後、就業場所を何ら配慮されることなく、会社も認める「石綿粉塵体積エリア」の工場建屋で保全業務等に従事、退職前に石綿健康障害と診断されました。
抜本的な石綿対策がなぜ遅れたのか
工場建屋の天井に吹き付けられた石綿は、1993年頃から再三落下・飛散していましたが、その除去工事を実施したのは2010年5月でした。「石綿障害予防規則」が公布された2005年当時に除去工事を実施しておれば、石綿健康被害を防げた可能性がありました。「安全第一」を強調してきた会社が、なぜ抜本的対策が遅れたのでしょうか。
石綿対策要望の無視はコンプライアンス違反では
Aさんは、石綿健康障害と診断された後、会社に対し、工場建屋に危険な青石綿の粉塵が堆積していること、その対策をとるよう再三メールで要望しました。
しかし、会社は、石綿の存在と危険性について安全衛生委員会でも取り上げませんでした。そして、2009年9月に実施した石綿測定では堆積物から高濃度の青石綿が検出されたにも関わらず、石綿除去工事を実施しないまま、その工場建屋の運転場移設工事を行いました。これは、石綿対策を求める従業員の切実な訴えを無視したコンプライアンス違反ではないでしょうか。
西神戸工場から石綿は完全に除去されたのか
2010年の石綿除去工事の翌年3月、天井明り取り工事を実施した際、その落下物から石綿が検出されました。この工場建屋も含め西神戸工場全体から、吹き付け石綿が完全に除去されたのでしょうか。
安心して働き元気に退職後の生活ができるように
当時Aさんが働いていた工場建屋には、多くの人たちが出入りしており、その人たちも石綿ばく露の可能性があります。
会社は、労働者が安心して働き、退職後も元気に生活できるようにするために、まず石綿が存在していた事実とその後の処置を明らかにし、退職者・入業者も含め関係者の石綿健康診断を実施すべきではないでしょうか。
【この件に関する情報提供をお待ちしています。】
【石綿の危険性】
石綿(アスベスト)は、肉眼では見ることができない極めて細い繊維で、飛散しやすく自覚のないまま吸引するとヒトの肺胞に沈着します。特に青石綿は毒性が強く、中皮腫や肺がん等の原因となり、石綿にばく露してから長い期間を経て発症します。
【2014春闘を振り返って】 低額回答の理由が破たん 来年度の賃上げ分は再協議を! |
消費税が5%から8%に増税が予定される中で、2008年以来の賃上げ要求は、働く者とっては大きな期待がありました。
賃上げ千円の低額回答の理由「有利子負債が過去に例のない高水準」
3月12日の会社の回答は、3500円の要求に対して1000円(賃上げ率0・3%)でした。その理由としてあげたのは、「有利子負債が過去に例のない高水準となっている現況において、固定費およびキャッシュアウトの増加につながる施策の実施には慎重を期すべき」ということでした。
労組が終結宣言後に株主へ一円増配、有利子負債の大幅削減を発表
労組の中央執行委員会が春闘終結宣言した後、会社は3月25日、平成26年3月期配当を5円から6円の増配を発表しました。株主には20%アップの総額100億円の配当です。そして、平成27年は7円を予定しています。
さらに驚くことに、平成26年3月期決算(4月25日付)では、有利子負債が400億円も削減されていました。それ自体は喜ばしいことですが、低額回答の理由に疑念を抱いてしまいます。
来年度の千円賃上げ分は再協議を
すでに有利子負債が高水準という理由は破たんしているので、来年度の賃上げ分については再協議すべきではないでしょうか。
(本記事の内容は川重委員会のHPでも取り上げています。)
川重・明石工場で
来春の明石市会議員選挙に向けて労使一体の企業ぐるみ選挙を開始
7月末、明石工場勤務の幹部職員・プロシニア各位宛に社内メールで、「明石工場事務所からの集会のご案内」が送付されました。内容は、来春予定の明石市会議員選挙に、川重労組明石支部の現執行委員長が組織内議員として立候補する予定であること、労組を中心に推進している政治活動を「ご理解いただきたく」という案内でした。
「企業ぐるみ選挙」は、憲法で保障された思想信条の自由という基本的人権を侵害し、公職選挙法の「選挙が選挙人の自由に表明する意思によって、公明かつ適正に行われること」にも違反します。対象が会社幹部であっても許されるものではなく、企業の社会的信用に傷をつけてしまいます。また、労働組合が一致する要求で団結してたたかう上でも障害となります。
川重株主総会での会社回答の紹介
6月26日、国際会館において株主総会が開催され、事前質問3件、当日14名の方が質問しました。その中から、企業の社会的責任に関する質問への会社回答を紹介します。
ヘリ談合事件で、会社は法的責任はないと答弁
今回の株主代表訴訟について、社内資料の調査を行ったところ川重関係者全員に法的責任はないと答えながらも、「本当に不幸なことである」と答えました。
造船部門の下請単価は元に戻した
昨年の株主総会で話題になった造船部門の下請単価引き下げ問題に対して、会社は「昨年度は造船で業績が悪いという事で下請業者の人に協力頂いた。今年度は業績も回復したこともあり、下請単価を元に戻している」と答えました。
非正規社員から正社員への登用は必要に応じて実施している
12年度は120~130名、13年度は40名。
「今後も必要に応じて非正規から正規への登用を行っていく」と答えました。
パリの国際武器見本市に、国から要請されて、平和に貢献するものを出展
武器三原則が見直され、国から防衛装備品で何か出せるものがないかと問い合わせがあり、「比較的平和の関係に貢献できるように、地雷探知機、ロボットなどを出展した。武器輸出が解禁されたといっても我々民間が積極的に売ることは考えていない。政府の方針でできることをやっていく」と答えました。
現在まで過労死はゼロ
「過労死で労災認定された方は1名もいない。自殺者は、昨年はゼロでしたが、今年度は1名の方が亡くなられているが過労死ではない。従業員が貴重な財産であることはその通りであり、労働者の方が健康で働けるようにさまざまな施策を行っている」と答えました。
西神戸工場での石綿健康被害の質問は門前払い
(上段記事を参照して下さい)
【主張】安倍政権が集団的自衛権行使容認を「閣議決定」 憲法違反の「閣議決定」は撤回せよ! 安倍政権は、7月1日、集団的自衛権行使容認を柱とした解釈改憲の「閣議決定」を強行しました。それは、従来「武力行使をしてはならない」、「戦闘地域にいってはならない」という歯止めを外し、自衛隊を戦地に派兵するとし、さらに、「憲法9条の下で許容される自衛の措置」という名目で、集団的自衛権行使を公然と容認しています。 「閣議決定」は、「憲法9条のもとでは海外での武力行使は許されない」という従来の政府見解を180度転換し、「海外で戦争する国」への道を開くものであり、こうした憲法改定に等しい大転換を、一片の「閣議決定」で強行するなどというのは、立憲主義を根底から否定するものです。 現憲法は、侵略戦争の根本的反省のもとに、戦争の放棄、戦力不保持、交戦権否認を定めています。それを、集団的自衛権や集団安全保障を名目にした武力行使が許容されるとなれば、憲法9条が禁止するものは何もなくなり、事実上削除するに等しいものです。そして、米国の戦争のために日本の若者に血を流させ、米国と一体に他国の人々に銃口を向けることを強要するものにほかなりません。 先に強行した秘密保護法と合わせ軍国主義の色彩を強めています。そうなれば、社会も職場も重苦しいものに変わっていきます。防衛省の仕事をする川重等では、技術者の戦地派遣ということもあり得ます。川重の社長は、株主総会で「政府の方針でできることをやっていく」と述べていますが、ゴマカシを平然としてやる政権だけに心配です。 日本共産党川崎重工委員会は、憲法を破壊し、「海外で戦争する国」をめざす「閣議決定」は断じて認められません。撤回することを強く求めます。安倍政権の軍国主義復活の野望を打ち砕くために、ともに力をあわせましょう。 |
読者の広場 | |
現在のコーベフーズは、平成8年までは川崎食品、平成14年までは川崎重工の関連会社でした。 川崎食品は、3代社長の平生氏が「全従業員に、栄養に富む清潔な食事を配給する」目的で、会社の福利厚生の一環として発足し、長年、川重労働者の昼食を支えてきました。 平成14年には完全にグリーンハウスの子会社となり、儲け本位の経営になりました。最近、儲からない分野からは撤退するとして、需要が増え続けている弁当部門を廃止し、食堂中心の営業にし、百数十人の労働者を解雇しました。 川崎食品の時代は、弁当の中味や値段などで会社と労働組合が相談し、全員が試食し、その意見を集約していた思い出があります。 コーベフーズの営業方針がどうであれ、労働者においしく、安全な食事の提供を保証できる体制が必要ではないでしょうか。 (レトロ愛好家) |
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西神戸工場の組合選挙の投票所は、食堂の一角で行われます。記入する場所は、オープンなので隣や周りの人に丸見えの状態です。これっておかしくないですか? (西神戸・V) |
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神戸から出向している一労働者です。2年前までの労組執行部選挙では、投票用紙が社内メールで送られてきて、用紙に記入後社内メールで返送していました。今回の選挙では、会社のノーツメールで配信され、記入後ノーツメールで返信する方法に変更され驚きました。 通常選挙の秘密投票・公開開票の原理原則が守られていない今回の投票方法に対して、いかに世間の一般常識から乖離しているかを強く感じました。 (出向者) |
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暑い夏の季節でも、現場での生産作業が行われています。いつも気にかかるのは、暑さで集中力がなくなり重大な災害が起こらないかです。 配布された災害防止の資料によると、川重では過去10年で7名の方が亡くなっておられます。さらに、他社も含めた協力従業員の死亡災害は、全体の65%と高くなっています。危険な作業に従事している場合が多いのは、協力従業員の方ということなのか?! この資料の内容を実践して「安全に強い職場の構築」を目指していただきたい。 (坂出M.K) |
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盆休み前に神戸工場や西神戸工場などでは納涼祭を催して楽しんでいます。 明石工場ときたら何もなくまったく面白みがないですね。来年の市会議員選挙では会社も組合も一緒になって取り組めるんだったら、納涼祭も一緒になって開催してほしいものです。 (明石・ヘリポート横のキリギリス) |
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7月1日より神戸フーズのお弁当の配達もなくなり、昼食に何を食べるかが問題です。自分でお弁当を作ってきたり、買ってきたり、外食に行ったりしています。 エレベーターは、満員で止まらないし、外食するにも店では並んで時間がかかります。せめて12時すぐに電気を消すことだけはやめてください。20分間は消さないでください。電気のついている明るい場所で食べたいです。(本社・B子) |
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他の工場では、売店が朝から開いているらしいが、西神戸工場は昼休みの1時間だけなので、いつも店内が混雑し列ができている。朝食抜きで出勤しているときもあるので、朝から開けてほしい。 (西神戸・Y) |
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神戸工場の食堂のメニューが夏に合わせて変わりました。ぶっかけやゴマしゃぶの冷麺類など涼しく食べれる物に変わり、カレーもトッピングが良くなってきています。 雨の日は、食堂に行くのが面倒くさいと感じる事もありましたが、昼食が楽しみになりました。特に現場で暑い中で汗まみれになった方には、食欲が増し元気に仕事に取り組めるものと思います。今後も色々とメニューを増やしてワクワクする食堂にして欲しいですね。 (神戸・飯男) |
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明石工場に新しく出来た西食堂が3月から営業開始して6ヶ月になります。最初の頃は混雑して大行列も出来ましたが、最近は行列も短くなりスムーズに流れています。 3箇所に設置されたサラダバーはいつも大人気です。6種類のサラダを食べ放題なので、食欲旺盛な人は富士山くらいに盛り上げたサラダを堪能しています。野菜が不足がちですが若い人にも大盛況で、健康維持にも大貢献しています。 (明石・サラダ大好き人間) |