「はぐるま」 2016年 夏季号 NO.228 |
参議院選挙の結果
戦後初めての「野党+市民」の選挙協力で「主権者のための政治」へ大きな第一歩
選挙の真の争点は、昨年9月に安保法制=戦争法が強行されたもとで、
―このまま「海外で戦争する国」に突き進むのか/戦争法を廃止して平和の道を進むのか、
―憲法破壊の独裁政治か/憲法を守る政治・立憲主義の回復か、でした。
戦後初めての「野党+市民」の選挙協力により、11の選挙区で自民党に勝利。初めての挑戦でしたが、“共闘効果”が発揮され、「政治は変えられる」の希望が広がりました。
参議院選挙の結果 |
安倍自公政権の過半数の議席は、真の争点を隠し続けて得た議席です。公示後のテレビ党首討論はたった1回。安倍首相の選挙演説は、政策そっちのけの口汚い共産党攻撃・野党共闘攻撃の繰り返しでした。「隠す選挙」は、政権党としての政治的堕落とともに行き詰まりの表れです。
安倍政権の「だまし討ち」「二枚舌」政治は絶対許せません。選挙が終わったとたん、唖然とするような本音や事実が次々飛び出しています。
★選挙では徹底した「憲法隠し」、選挙が終われば改憲に着手。
★年金積立金の5兆3千億円もの巨額損失を、選挙が終わってから公表。
★選挙中はアベノミクスを自慢、選挙後に「事業規模で28兆円を上回る経済対策」を発表。本当のところは深刻な「アベノミクス不況」。
★選挙中は社会保障に力を入れるようなポーズ、選挙後は社会保障の大改悪を進めようとしている。とくに医療・介護分野はあらゆる世代に負担増と給付減を押し付け。
★選挙中は沖縄の基地負担の軽減を言いながら、投票日の翌日早朝からヘリコプター着陸帯建設を強行。
★被爆国の首相にもかかわらず、オバマ米大統領の核先制不使用宣言に反対する意向を伝えた。
あげたらきりがありません。
自衛隊が派遣されている南スーダンは、いま内戦状態になっています。戦争法にもとづく「駆けつけ警護」等の任務を拡大すれば、「殺し、殺される」初めてのケースになりかねません。戦争法の発動を許さず、憲法違反の戦争法廃止のたたかいをさらに発展させましょう。
8月に発足した安倍再改造内閣は、自民全閣僚が「靖国」派であり、戦前の侵略戦争を肯定する最悪の改憲極右政権と言えます。
日本国憲法は、世界で最も先駆的で豊かな内容を持っています。今必要なことは、この憲法を政治に実現することです。この国の主権者は国民です。
参議院選挙では主権者が立ち上がり、「主権者のための政治」に大きな第一歩を踏み出しました。来るべき総選挙では、さらに発展させ、「主権者のための政治」を実現しましょう。
【大河】 世界各地で紛争が激化し、テロの脅威やロシアの国ぐるみのドーピング問題等に揺れる中、南米で初めて開催されたリオ五輪が閉幕しました。 初めて結成された難民選手団、「平和と地球再生」「民族や宗教、政治などの多様性の尊重」を訴えた開会式、国境を超えた選手たちが最後まであきらめずに技と力を尽くし、競技後に健闘をたたえ合った姿、女子陸上5千で転倒した選手の助け合いゴール、等々。 スポーツを人権の一つとして位置づけ、「人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進する」を目的とする五輪にふさわしい大会となりました。そして、史上初めてのメダルを連発した日本選手団の活躍も大会を盛り上げました。 「私は、すべての難民を代表したい。どんな困難も、嵐のように辛い日々も、いつかは落ち着くと伝えたい」(シリア脱出の女性選手) 誰もがスポーツを楽しみ、人間的に高め合える平和な世界をめざして、東京五輪につなぎましょう。 |
労働者の命と健康(心も含め)を第一に、長時間労働の抜本的な削減を! 川崎重工はただちに「サービス残業」を根絶せよ! |
メンタル疾患が急増
日本において過労死等が多発し大きな社会問題となっています。
川重でも、メンタル関係疾患の新規長欠者が、昨年の7月末段階で前年同期より約45%も増加しています。とくに西神戸工場は深刻です。川重に入社して、仕事で心や体を害したり、尊い命を失うようなことは決してあってはなりません。
会社は安全配慮義務がある
労働契約法や労働安全衛生法では、会社に、正規・非正規社員の区別なく、労働者の「生命、身体等の安全を確保」「快適な職場環境の促進」を義務づけています。また、長時間労働やパワハラなどで深刻な精神疾患が発症した場合、民法の「結果回避義務」違反で損害賠償責任が問われます。
メンタル疾患の最大の原因は長時間・過密労働
厚労省の「『過労死ゼロ』を実現するために」の文書では、「長時間にわたる過重な労働は、疲労蓄積をもたらす最も重要な要因」と述べ、過労死等防止のために事業主が取り組むべきこととして、「長時間労働の削減」を第一にあげています。また、最新の研究では、ストレスが重なると、心不全やがんの悪化、血管の破壊などを起こすことがわかってきています。
「サービス残業」は企業犯罪
昨年末実施の「要求アンケート」には、月に80時間も「サービス残業」を強いられているという告発もありました。また、設計関係のビルでは、午前零時を回っても毎日のように明かりがともっています。放置は言語道断です。会社は、「サービス残業」をただちに根絶し、長時間労働の抜本的な削減を実施すべきです。生産性の低下防止や労災等の減少につながり、企業にとっても良いことです。
ソニーが残業代を15分単位から1分単位に改善 川重も改善を! ソニー労働組合仙台支部(電機連合)は、団体交渉で残業代を1分単位で計算するよう改善させました。 もともと労働基準法では、賃金の全額払いの原則を定め、1日8時間を超えて残業させる場合は、1分単位で計算して割増賃金を払うようになっています。残業時間の端数の扱いについては、1ヵ月分の残業時間を合計して1時間未満の端数がある場合に、30分未満を切り捨てそれ以上を1時間に切り上げることは合法とされています(厚労省通達・基発150号)。しかし、1日ごとの端数処理は労基法違反となります。 川重の場合、平日は30分単位の計算になっていますので、明らかに労基法に反しています。事務の煩雑等の理由は通用しませんので改善すべきです。 |
一時金のカンパニー間の格差が拡大
会社はカンパニー間格差を縮小すると言っていましたが、実際は、昨年に比べ今年の格差は、左図のように職能資格が上がるほど拡大しています。理由は、職能資格間の格差が拡大したことによります。例えば、G1とR2の比は、昨年の4・5倍から8・6倍に拡大しています。
昨年末に実施した「要求アンケート」では、「トップの責任を従業員に負わせている」などの不満の声が上がっていました。再検討が必要でしょう。
大企業の社会的責任が問われている |
法令遵守さえ忘れ、ひたすら原発推進に走る東芝の未来は? 前代未聞の悪質な粉飾犯罪 昨年7月、東芝の経営トップ3代にわたって主導した粉飾決算が発覚。 東芝は、2006年にアメリカ原発メーカーを異常な高値で買収しました。その原発子会社は経営不振と赤字に陥っていますが、経営陣はその事実をいまなお隠ぺいしています。これが最大の粉飾であり、原発推進の固執が経営を悪化させたと言われています。 「会社再建」を口実に無法リストラを強行 長年にわたる粉飾決算で経営危機をまねいた経営陣は、粉飾問題の解明や責任をあいまいにしたまま、事業の解体・切り売り・縮小による3万4千人の削減(総従業員の16%)、賃金・労働条件の切り下げなどの大リストラ策を強行しています。「会社再建」を口実にした労働者・地域経済への犠牲転嫁は、決して許されるものではありません。 粉飾決算の背後にあるもの 東芝が原発に固執する背後には、安倍政権が推進する武器輸出・原発輸出政策があります。東芝は、アメリカ原発メーカー買収直後から、自民党への政治献金を倍増しており、人的にも安倍政権ときわめて根深い癒着関係にあります。そして、買収時の差額資金の流れや、米日にまたがる軍産複合体の動きには、きな臭さが感じられます。 東芝が真に再建を果たすには 経営陣のトップダウンの不正を許した要因に、大企業に対する公的機関の規制の弱さとともに、企業内の問題として、成果主義の徹底や雇用不安、労働組合の労資一体路線などによるトップに逆らえない企業風土があったと言われています。 東芝が真に再建を果たすには、原発子会社の粉飾に厳しくメスを入れるとともに、無法リストラの中止、政権との癒着を絶ち原発依存から脱却すること、そして、自由に意見が言えるように職場の民主主義を確立することが必要であろう。 |
戦後労働法制を破壊する日本IBMのロックアウト解雇は断じて許されない! ロックアウト解雇の実態 金曜日の17時に突然、上長が労働者を会議室に呼び出し、突然解雇通告を読み上げて、有無を言わさずそのまま職場から追い出して立ち入り禁止にする。これが日本IBMのロックアウト解雇です。 解雇理由には、その労働者の「業績不良」とありますが、労働者には身に覚えがなく、会社から具体的に何が問題なのかの説明もありません。 日本IBMの乱暴な解雇を断罪 東京地裁 解雇通知を受けたほとんどの人は、職場の人権と雇用を守るために活動している労働組合の人たちで、気に入らない人たちを狙い撃ちにしたものでした。 今年3月に東京地裁は、解雇撤回の裁判で、第一次、二次訴訟の原告5人全員に対して、「相対評価による低評価が続いたからといって解雇すべきほどのものとも認められない」と、解雇を無効とし、解雇時点にさかのぼって賃金を支払うよう会社に命じました。 ロックアウト解雇は戦後労働法制を破壊するもの 日本IBMは恥も外聞もなく控訴し、たたかいは控訴審に移っています。一方、安倍政権は、違法な解雇であっても会社が金を払えば労働者を解雇できるようにする「解雇の金銭解決」制度の導入を狙っています。 ロックアウト解雇も「解雇の金銭解決」制度も、人間の尊厳と働く権利を保障した憲法を否定し、血のにじむようなたたかいで勝ち取った戦後労働法制を破壊するもので、断じて許すわけにはいきません。 |
【政策】 若者を苦しめる「奨学金」の返済問題 人生の門出を大きな借金を背負ってスタート 日本は世界的にも高い学費でありながら、給付制奨学金制度がないという特異な国となっています。卒業時に平均で300万円、大学院に進学すれば1000万円もの借金を背負う場合もあります。 返済できないと自己破産 滞納3か月で個人信用機関に個人情報が登録され、クレジットカードの使用が停止されます。9か月以上に及べば、財産の差し押さえが可能になり、自己破産する人たちも出ています。 「学生ローン」から本物の奨学金への改革を 日本の奨学金制度は、名前は「奨学金」ですが、実態は、学生に借金をさせる「学生ローン」であり、まともな奨学金にする抜本的な改革が必要です。 日本共産党は、次の3つを提案しています。①月額3万円の給付制奨学金を、現行の奨学金受給者の半分にあたる70万人の規模で創設する。 ②すべての有利子奨学金を無利子にする。 ③既卒者の奨学金返済の減免制度をつくり、生活困窮の人に救済措置を講じる。 |
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労働組合におもう 7月に組合支部執行委員選挙がありました。 各工場単位でしたが、定員以上の立候補者がいたのは、神戸工場のみ。選挙運動が行われたので、活気がありましたが、無効票が200票もあり、びっくりしました。その要因に連記制というややこしい投票方法があると思うので、国政選挙並みに一人一票にしてはと思います。 そもそも労働組合とはどんな存在なのか。「人間らしく働き、人間らしく生きたい。一人ひとりバラバラでは弱い労働者が、労働組合にまとまることによって、会社と対等な関係のもとに交渉することができる。」 労働組合には、「明るく、強く、頼もしい」存在となってほしいです。 (神戸・K) |
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西神戸工場で火災 6月24日、15時30分ころ、機器第3工場2階の研修センター南エリアより火災が発生。 南西角立体倉庫搬入口屋根上に設置されたエアコン室外機からの冷媒ダクトが焼損したとのことです。老朽化が発火の原因のようですが、けが人が出なくてよかったです。 (ご安全に) |
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西神戸工場の労働組合選挙、白紙投票は信任に? 先日、労働組合の支部執行委員と支部委員の選挙が昼休みにありました。 食堂の一角に設けられた投票所は、今回は記入場所に仕切りの衝立が設置され、改善されていました。 西神戸支部の支部執行委員は、定数2名。対立候補がいないので、信任は◯、不信任は×を記入するのですが、白紙は信任にするということでした。白紙は、本来無効なのではないかと思うのですが・・・ (KPMのポケモン) |
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電気のついてない食堂? 電力の心配もない今日この頃、暗い部屋で昼食を食べるのには嫌気がさします。エコという名の人間性の否定のような気がします。事務所でお弁当を食べるのならば、そこは、食堂です。電気のついていない食堂は見たことがありません。昼休み消燈は、いつまで続けるのでしょうか。もうやめてもいいのでは? (本社・明子) |
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女子事務服、新規一転 女子事務服のモデルチェンジが行われるとの事で、この春にアンケートがありました。24年経っているので、機能的な低下があるのでしょう。どんなデザインになるか、楽しみです。 (夢見る鉄子) |
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KCMが定年を60歳に! 同じ川重に入社した社員が、昨年、日立建機に転籍させられ、今度は定年を60歳にするって! 生活設計もあったもんでない。あまりにもひどいだろう。 (T) |
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明石工場、特別メニューに長蛇の列 楽しいことがなかなかない工場ですが、昼休みの食事だけは、たいへん楽しみの時間です。 7月に入って土用の丑にちなんで特別メニュー「鰻・豚丼」が出るとチラシに載っていました。7月28日、昼休みの食堂は丼コーナーだけ長蛇の列、最後尾が隣りの新ビルの方まで。みんな楽しみにしてたんですね。知らない人は何の行列なの?と驚いてました。 特別メニューをもっと増やしてよ。 (うな丼ハズレグミ) |