「はぐるま」 2017年 春季号
NO.231


 
Contents
 川重「ROIC経営」とは
 2017春闘を振り返って
 元川重労働者が石綿訴訟で勝利和解
 三菱重工・神戸造船所の元下請労働者もアスベスト訴訟で画期的な勝利和解
 国民監視・密告社会をつくる「共謀罪」法案には断固反対!
 安倍政権の「働き方改革」は働き方改悪だ!
 始業前の体操に時間外手当がつきました
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川重「ROIC経営」とは
どこから生まれ、どこへ行くのか?



会社は、数年前からしきりに「ROIC経営」のフレーズを従業員に振りかざしています。

「ROIC向上が困難なBUは、他事業への経営資源シフト等による事業規模の縮減・撤退も検討」(14・4)、「ROICを高めるために、まず、1時間に1分の節約」(16・12)、「ROICがハードルレート8%を下回るということは・・赤字決算」(17・4)

今後もずっとこのフレーズに縛られそうなので、みなさんと共にこの問題について考えてみたいと思います。


「ROIC経営」って、その背景は?

会社は、「ROIC経営」とは「企業価値の向上を追い求める経営」であり、「8%というのは、株主や投資家が期待するリターンを賄える最低ラインの投下資本利益率(ROIC)」(かわさき216号)と説明しています。

株主・投資家のためのROIC8%を強調する背景には、海外の有力な機関投資家団体が日本企業に対し、株主の利益を最優先とし、企業全体だけでなく各事業もROE(株主資本利益率)を目標値として経営すべきと強く求めてきた(2008年)こと、そして、安倍政権がアベノミクスの成長戦略としてこの要求に積極的に応え、「8%を上回るROEを最低ラインとし、より高い水準を目指すべき」(2014年)と数値目標をあげて推進してきたことがあります。「ROIC経営」の生みの親は機関投資家であり、育ての親は安倍政権と財界ということになります。

(〈注〉ROIC・ROEとも企業の収益性をみる指標)

様変わりした大株主 株式の管理・保管会社が独占

表のように、川重の株は、日本トラスティサービスと日本マスタートラストに1、2位を独占されています。これはどこの大企業も同様です。
この両社は、投資家に代わって株の管理・保管を専門とする日本の資産管理信託会社です。このような会社の背後には、資産運用会社がおり、さらにそのウラには資金の直接の出し手である大きな機関投資家集団がいます。彼らは、配当金だけでなく、株式数の変動が示すように株の売買で巨大な利益を得ている集団です。扱っている資金は、1社で200兆円前後と言われています。


「ROIC経営」は、国内でのものづくりの衰退と軍需産業への傾斜を強める道ではないか?

いま、日本内外の機関投資家から「投資収益の最大化」の圧力が強まるなかで、短期間に成果(ROIC値)を上げようとする経営が強まっています。

それは、必然的に、投下資本を小さくするための人件費・設備・技術開発費等の削減や、商船建造の中国へのシフトのような生産拠点の海外移転、「働き方改革」と称しての労働密度の強化、そして、利益が保証されている軍需産業への傾斜に向かわざるを得ず、実際その方向に歩んでいます。これはモノづくりの土台と地域経済を衰退させ、社会を暗くする道と考えています。東芝がその例ではないでしょうか。

従業員・派遣社員・地域経済を第一にする経営こそ未来ある道

「企業は社会の公器であり・・当社グループのあらゆるステークホルダーの期待に応えていかなければならない」 これは、金花社長のトップメッセージですが、まったくその通りだと思います。利潤第一主義や株主至上主義、一律のROIC値目標に縛られずにものづくりを大切にしてほしいです。

その土台は、従業員・派遣社員と協力会社労働者の「働く人間」であり、働く人々の生活を支える地域経済・社会です。10年後、数10年後を見据えて、働く人間が安心して希望を持って働ける展望を示してほしいと思います。 




2017春闘を振り返って


前年下回る期待はずれの賃上げ

昨年低額に終わり今年はと期待した賃上げは、要求額4千円に対し、賃金改善1000円、処遇改善加算200円で妥結しました。会社はまたもや、「固定費の増加」を理由に決して高くない賃上げを渋りました。賃金は固定費ですからそれを理由にすると、いつまでも賃金を上げることができません。

内部留保は2014年度4115億円から15年度4602億と487億円も増加しています。賃上げ4000円の必要経費は約17億円余りで、賃上げの体力は十分にあります。

働く者すべてに大幅な賃上げを

連合は、「すべての働く者の賃金の底上げ・底支え」を方針に上げていますが、川重労組の方針は正社員のみ対象で、派遣社員、協力会社の社員は蚊帳の外に置かれています。大企業は正社員だけでなく、多くの派遣社員、協力会社の社員などで成り立っています。

デフレ不況を抜け出し経済の好循環を実現するには、賃金の大幅な引き上げが不可欠です。大企業のもうけを労働者に還元することが今求められています。



元川重労働者が石綿訴訟で勝利和解



中皮種でなくなった元造船労働者2人の遺族が川重に対して損害賠償を求めた訴訟が2月28日、神戸地裁で和解しました。

川重は当初、労災申請のための書類提出に対し、「職歴がない。○○さんの存在を知っている人が誰一人いない」と作業従事歴証明を拒否する態度も見せていました。

その後、会社側は安全対策が不十分だったと認め原告側に解決金を支払うこと、「今後同様の被害が発生しないよう万全の安全対策を講じるよう努める」こと、ほかの元従業員の健康調査と救済に向け、迅速かつ誠実な取り組みを行うと約束させたことは、大きな意義がありました。



三菱重工・神戸造船所の元下請労働者もアスベスト訴訟で画期的な勝利和解



石綿ばく露で死亡した三菱・神戸造船所の元下請労働者の遺族が、三菱と下請けの河原冷熱工業に対し、損害賠償を求める訴えを神戸地裁にしていました。

裁判で、三菱は「下請けのことは知らん、関係ない」と主張していましたが、神戸地裁は今年3月に、三菱と下請労働者の間に「実際的な支配従属の関係が存在した」などととして、安全配慮義務違反を認め、両社に損害賠償の支払いを命じました。

両社は大阪高裁に控訴しましたが、和解案が出され、三菱にも責任があることを認めさせる画期的な和解を勝ち取りました。



国民監視・密告社会をつくる「共謀罪」法案には断固反対!



「共謀罪」は過去3度国会に提出されたものの、「内心」を取り締まり、思想、信条の自由を侵す重大な危険性があることから、国民の批判によって、廃案に追い込まれた経緯があります。安倍政権はこの法案を「テロ等準備罪」と名前を変更して、何が何でも今国会で成立させようとしています。

共謀罪は、☆相談・計画しただけで犯罪者、☆一般の人が対象に、☆ラインもメールも盗聴・監視され、密告もつのるという内容です。

「共謀罪」は、安倍政権が突き進んでいる「戦争する国」づくり・憲法改悪の一環です。

モノ言えぬ監視・密告社会をつくる「共謀罪」法案には断固反対です。



安倍政権の「働き方改革」は働き方改悪だ!



年収200万円以下が3割、非正規雇用労働者が2000万人超える日本の貧困社会。抜け出すには働き方改革が求められていますが、安倍政権は働き方改悪をたくらんでいます。

非正規雇用の処遇改善と長時間労働の是正が改革の柱ですが、前者は正規雇用への転換なしで、同一企業内の正規社員の賃下げ、非正規社員の若干の賃上げなどで格差を縮小するとし、後者は残業時間の上限基準を、休日労働を含め年960時間まで、更に過労死ラインの月80時間を超える100時間未満まで認めるというものです。更に残業代ゼロ法案や裁量労働制の緩和も求めています。これは低賃金・使い捨ての財界の要望にそった改悪です。非正規雇用から正規雇用への転換による改革こそ行うべきです。

この「働き方改革実現会議」で労働界から唯一出席の連合・神津会長が過労死ラインを超える100時間未満の残業を認めたことは許せません。

(K・WIN活動は川重共産党委員会HPを参照下さい)



始業前の体操に時間外手当がつきました



ある大阪のメーカーの職場で喜びの声が上がりました。査定対象の始業10分前の体操に、時間外手当てを支払うか、体操を始業後にしてほしいという声があがっていました。時間外手当が30分から1分単位に改められたのを機に、月3時間分を過去にさかのぼり時間外手当が支給されることになりました。


   
読者の広場 
昨年10月から、ロボットBCの一部の方が西神戸工場へ移転されてきました。

同じ敷地内に建物がありますが、少し異次元な雰囲気で、ほとんど顔を合わせることもありません。昼休みにデザインの違う制服や防寒着の人を見かけたり。同じ会社に勤めていても違いがあるのですね。
(西神戸・ペッパー君)
総合職の女性が結婚し出産しても働き続けている方が増えてきました。男性の多い職場ですが、頑張っていただきたいです。

男性が育休で休める人が増えると良いなあと思いますが…
(西神戸・働くママ)
明石工場 「ヘリポートのスミレ群落」
昨年に続き、明石工場のヘリポート内でのスミレ群落観察会に参加しました。今年は昨年より成長がよく方々で記念写真を撮るグループが見られました。グレーぽい工場色の中で、このヘリポートのグリーンは癒しになりますね。

ヘリポートの近くに川重サービスが移転し、少し西に健康支援センターが移転し新しい建屋なっていました。いつも工事してますね。
(明石のバイク王)
「すてきな街・神戸」
連休中、久しぶりに神戸を散策しました。まずは元町でモーニングを食べて、そのあと海岸通りなどの雑貨屋さんをめぐり、北野に上がって、布引まで足を延ばし、三宮まで戻ってきました。お天気もちょうどよく、とても気持ちよかったです。

神戸の名所を回るのは本当に久しぶりでしたが、とても楽しく、改めて神戸の魅力を再確認することができました。神戸は本当にいい街です。こんなにすてきな街に住んでいることを、とても幸せに思います。
(虹のレシピ)
5・3兵庫憲法集会に参加
5月3日新緑の晴天の中、憲法集会に参加しました。昨年に続いて、党派をこえた統一集会が新神戸駅近くの神戸市芸術センターで1200名が集まり開催されました。

一部は、明日若弁護士の会兵庫のメンバーによる共謀罪に警鐘をならす寸劇で、洗練されパワーアップしていました。二部は、沖縄選出参議院議員糸数慶子さんの講演です。

糸数さんの講演は時間的な制約があるなかで、沖縄の今置かれている状況を具体的に語られると共に、沖縄戦下で、お兄さんが生後すぐ困窮で亡くなり、母親が悲嘆にくれていた事実を長姉から聞かされた時は、我が娘を抱きしめ、一晩泣き明かしたと語られました。思いのこもった講演でした。
(H・Y)
「ねえ、知ってた?」
明石工場、ガスタービンの職場から、神戸工場に100数人ほどの人が移動したらしい。そんなこと全然知らなかったのに、神戸工場の2号館ではその受け入れのため、改装工事、階の移動や、1号館への引っ越しがありました。

そして、1号館でも、その影響で、改装工事や引っ越しが続いています。1号館も、2号館も人がいっぱい、きっと食堂も人でいっぱいでしょう。明石工場からら来た人たちは、神戸工場勤務で良かったのだろうか。
(神戸・KY)
 川崎重工の「船舶海洋事業の構造改革について」に関する意見・感想
過去にも何度の造船不況を乗り切り、造船のものづくりを地域とともに守ってきました。一時の経営者により安易に撤退を決めるのは川重の120年のものづくりの歴史、先輩や地域、協力業者にたいして裏切り行為だと思います。
(M・I)
 
楽な方に流れている。問題解決の方向性が間違っている。人と共に技術を切り捨てているという認識はなさそうである。
(神戸・機械くん)
ROIC経営だけに目を向けないでいただきたい。造船業も将来見通しが全く立たないのなら仕方ないですが、そうではないように感じます。川重従業員や地域経済のために、考え直していただければと思います。
(神戸・K)


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