「はぐるま」 2017年 夏季号 NO.232 |
Contents
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いま世界と日本で巨大なうねりがはじまりつつある
市民と野党の共闘で主権者国民の多数意思を実現する政治を!
一握りの勢力が多数を牛耳ってきた時代は終わりに
7月7日の国連会議において、国連加盟国の約3分2の賛成で核兵器禁止条約が採択されました。核兵器が人類史上初めて「違法化」されるという歴史的な出来事となりました。
それとともに、一握りの大国が核兵器によって国際政治を牛耳ってきた時代は終わりを迎え、多数の国ぐにと市民社会が「主役」となる時代が始まりました。
戦前回帰をめざす安倍ウルトラ右翼政権に未来はない
安倍政権は、秘密保護法や安保法案=戦争法、「共謀罪」法などの違憲立法を次々強行し、「森友」「加計」「日報隠ぺい」問題なども含め、国政全体を「私物化」してきたことにより、支持を大きく崩しています。
危機感を深めた安倍首相は、8月3日に自民党所属閣僚の全員を「靖国」派議員 ― 日本の侵略戦争を美化・正当化し、戦前回帰をめざす改憲を主張 ― で占めた改造内閣を発足させ、憲法に自衛隊を明記する9条改憲で「戦争する国」づくりの道を一気に突き進もうとしています。
戦前回帰をめざす安倍政権に決して未来はありません。日本と世界の平和・安全を脅かす改憲策動を必ず阻止しましょう。
市民と野党の共闘は日本の政治史を画する壮挙
安倍政権とは対照的に、自民党政治とたたかう国民の側にすばらしい展望が開かれています。
2015年の安保法制反対の闘争によって生まれた市民と野党の共闘は、「共産党を除く」カベを全国的規模で一挙に打ち砕き、昨年の参院選の1人区11選挙区での勝利に続き、都議選と仙台市長選でも勝利し、威力を発揮しました。
市民団体中心の市民と野党の共闘は、戦後政治の歴史を画する壮挙であり、さまざまな困難はあっても、日本の政治に新しい未来を開く力をもつでしょう。
主権者国民の多数意思を実現する新しい日本を!
いま世界でも日本でも、主権者国民の多数意思の実現をめざす運動の巨大なうねりがはじまりつつあります。
そして、年内に予想される総選挙に向けて、野党共闘の勝利をめざす市民団体が次々とつくられています。この共闘を全国津々浦々に発展させ、安倍政権を倒し、立憲主義・平和主義を貫く新しい政治、すべての国民の「個人の尊厳」を守る新しい日本をつくりましょう。
川重株主総会での会社回答の紹介
6月28日、株主総会が開催されました。企業の社会的責任に関する質問について、会社回答を紹介します。
就業時間前の体操は法令遵守の上で問題では
「サービス残業については、許してはならないと会社としても十分認識している。適正に労働時間が管理されていると考えている。
神戸工場以外の状況は、兵庫・明石・播磨・西神戸では始業前の7時55分から体操をしている。始業前の体操については、任意の参加を呼びかけており、強制力のあるものではない。したがって、業務性はないので法違反ではない。」
武器輸出の中期的なビジョンは
「わが国の防衛方針に則り、製造、販売を行っている。したがって、防衛装備移転3原則が導入されたといっても、当社が単独でどこかの国に売るということは出来ない。当社はあくまで国家の方針に基づいて国際貢献を果たしていく
。」
商船建造の中国シフトについて、労働者・地域経済を守るべきでは
「質問はROICを重視しすぎるのではなく、祖業である造船を守ってほしいということであるが、確かにROICを重視した結果ではある。
しかしながら、坂出を縮小するが、スペース、人員を他のカンパニーに移す。いろんな方法を考えて従業員を首にはしない、という方針で検討会の結論を出した。」
【大河】 「ついに歴史が動いた」7月7日、ニューヨークで行われていた国連会議は、人類史上初の核兵器禁止条約を、国連加盟国の約3分2にあたる122ヶ国の賛成で採択しました。これは歴史的壮挙です。 今回、初めて市民社会の代表が参加し、被爆者の参加が会議の成功の推進力となりました。戦争被爆国である日本政府はこの歴史的会議をボイコットし、日本の政界からは唯一、日本共産党が参加しました。 条約は、前文で、核兵器の非人間性を厳しく告発し、国連憲章、国際法、国際人道法に照らして、その違法性を明確にし、条約第一条では、核兵器の「開発、実験、生産、保有、使用」、そして「使用の威嚇」も含め、全面的に禁止しています。核兵器は、人類史上初めて「違法化」され「悪の烙印」を押されたのです。これによって、条約に参加していない核保有国、同盟国も、政治的・道義的に拘束されることになります。 日本政府は、条約採択後、ただちに「日本が署名することはない」と言い放ちました。参加した被爆者からは、「心が裂ける思い」「母国に裏切られた」と厳しい批判があがりました。 みなさん、歴史的な核兵器禁止条約を力に、野党と市民の共闘を発展させ、核兵器禁止から廃絶を求める世界の本流の先頭に立つ政府をつくりましょう。 |
生産性より労働者保護の「働き方改革」を!
安倍政権は、秋の臨時国会で「働き方改革」法案の成立を狙っています。目指す「労働生産性向上」と「多様で柔軟な働き方」とは、残業代を支払わずに長時間働かそうとする、労働基準法の改悪にほかなりません。
残業時間の上限
「罰則付きで時間外労働の上限を設け」るというが、重大な「抜け穴」が「特例」でつくられ、結局、時間外と休日労働を合わせると毎月平均80時間、年960時間という過労死ラインまで長時間の残業を容認しています。
裁量労働制の範囲拡大
「専門業務型」と「企画業務型」が対象業務のところを、「一般営業職」にも範囲拡大することで、対象となる労働者を大幅に広げようとしている。
「残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度)」
高度専門職対象に労働時間規制をなくし、過労死するまで働かせることができる制度。
連合会長が修正付きで容認しようとしたが、連合組織内や市民団体の反対で容認を撤回し、公・労・使3者で構成の労政審の合意は得られず。
8時間働けば誰もが普通に暮らせる社会の実現が必要であり、そのためには長時間労働規制の法改正が不可欠です。
韓国で最低賃金16%引上げ
5月就任の文(ムン)大統領発表の「国政運営5か年計画」では、最低賃金(時給)を来年1月より16.4%に引き上げ(対象労働者は23.6%、463万人)、2020年までには54.6%引き上げを実施するとしています。
中小企業には、人件費の直接支援などを盛り込んだ予算が見積られています。ちなみに日本では今年全国平均で3%、25円引き上げられ、時給848円になりました。
過半数代表者の選定 企業の指名は違法です
労使協定は、企業と過半数の労働者に選出された労働組合等で結ばれます。労組組織率17%程の日本では、労組のない多くの企業が独自に過半数代表者を選んでいます。その選出方法は、会社指名が3割近く、親睦会の代表者など正当でない手続きで選出されたものを含めると6割超にもなります。
労働者の過半数代表者でないものとの「36協定」は、無効と言う最高裁判決も出ています。御注意を!
スズキの期間社員 サービス残業を告発
スズキは、労働基準監督署の立ち入り調査を受け、昨年6月から今年2月にかけて、従業員500人対する未払い残業代1000万円分を支払ったと発表しました。
労基署は、始業前の体操や朝礼を労働時間とするようスズキに対し指導しました。
期間社員は、記者会見で「企業犯罪を許してはならない…法令を遵守して従業員、家族…地域社会から信頼される企業になって」と強調しました。
読者の広場 | |
中国向製品の生産 発送が追いつかず、年末年始やGWの連休も返上して出勤しています。現場には、女性も含め毎日のように入業者が次々と入ってきます。しかし、すぐ辞めてしまう人がほとんど。 外国人労働者が入ってくるとの噂もあります。過去に幾度か生産が落ちると派遣切りをしてきた西神戸。 働く人が大切にされ安心して働ける職場になってほしいです。 (西神戸・ご安全に) |
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また今回の台風も・・ 他の工場がお昼で途中退社となるなか、西神戸は通常と変わらない操業。今回は、そう大した事がなかったものの、主要交通機関から遠い工場なのに、なぜいつも対応が悪いのでしょうか? 危険度合が高い地域や遠い人、女性を先に帰らせるとかの対応が出来ないのでしょうか? 働く人より物が大切ってこと? モチベーション下がります。 (西神戸・お家へ帰ろう) |
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道中は灼熱の地獄です 猛暑が続く日は、日差しの色がちがう。昼休み時間に職場から離れた食堂へ、それも熱中症警報が発令されている炎天下のもとでも、食堂をめざしてかなり歩く。みんな帽子も被らず無防備のままである。せめて日除けになる街路樹か、日除けになる屋根を設置してほしい。屋根があれば急に豪雨が来ても雨除けになる。こっちがいい。 昼食にありつくために向かう食堂への道中、猛暑日は灼熱の地獄です。 (明石のバイク王) |
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サンテレビ7/30「モノ知りサンデー」に明石工場ロボットが登場 PR番組だけど西神戸工場のデモラインと明石工場が紹介されていました。ラインで働くカワサキマンの姿が紹介されていました。デモビデオで、動くロボットと一緒にダンスするシーンは少しドキッとしますね。製造現場は人が主役ですね。 (明石・AIロボ) |
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神戸工場では、お盆の連休前に恒例の納涼祭が開催されました。今年も新入社員が催し物に駆り出されて奮闘しているのを見ると、若い人たちのエネルギーを無性に吸収したい気持ちになりました。 (神戸・疲労蓄積者K) |
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「ROIC経営」について職場の一言 | |
理屈は正しいのかもしれませんが、事業の採算面だけで評価し過ぎていると思う。悪い事業環境(マーケットや為替)の責任を従業員に取らせる不公平な仕組みになっている。いいモノを造るという本来の目的が最近失われている(忘れさせられている)ように思う。 (神戸・基幹職) |
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ROIC向上は昔から会社方針とされているが、最近になって大々的に言い出したのには、安倍政権の働き方改悪が影響していると思われる。残業代ゼロ円に移行した後で文句を言わせないための布石である。 業務効率化により定時に帰りましょう、ワークライフバランスは大事です、と言ったでしょ? それでも残業しているのなら、あなたが悪いでしょ? と会社が言える状況作りである。会社としては、賃金も上げずに残業代も払わなくて良くなるため一石二鳥である。 国としては所得税が減るが、消費税を上げて補填する。国民は負担が増える。いい加減、平成維新が必要だ。 (播磨・社員) |
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ROIC経営って、具体的にわかりにくいです。なぜ8%なのでしょうか。普通の従業員にも、わかり易く丁寧に説明して欲しいです。 (西神戸・社員) |
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会社は投資家の期待に応えるためとしてハードルレートROIC8%を設定したが正確な根拠は理解できていません。経営目標を設定すること自体は問題ありませんが、ROIC8%が出来なかったことを「赤字」と言うのは納得できません。 ROIC経営の深化と徹底が時代の変化に適応することのように聞こえてきます。ROICだけにひた走るのではなく、伝統・技術・人も大切にするバランスの取れた経営こそ次の120年に繋ぐ経営だと思います。 (明石・社員) |
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ROIC8%と私たちの生活とどんな関係があるのかわかりません。 株主ファーストはやめて労働者ファーストにしてください。 (本社・社員) |