「はぐるま」 2018年 新年号
NO.234



南二見の人工島から明石海峡大橋(M.F)
Contents
 市民と野党の共闘で安倍9条改憲を阻止し、憲法を生かした日本をつくる転機の年に!
 西神工場の検査部門で解雇事件
 職場の声を無視した保護めがねの強制着用は問題です
 大河
 7カンパニー制から6カンパニー制に組織改編
 安倍政権の「働き方改革」
 読者の広場
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市民と野党の共闘で安倍9条改憲を阻止し、
憲法を生かした日本をつくる転機の年に!
自由に意見を言える職場づくりを!


新年明けましておめでとうございます。

昨年、世界では人類史上初めて核兵器を違法化した核兵器禁止条約が採決され、日本では市民と野党の共闘が発展し、総選挙で共産・立民・社民の立憲勢力が大きく前進しました。世界でも日本でも、新しい時代を開く大変動が起こった年でした。

今年は安倍9条改憲と“決戦の年”

安倍政権は、これまで秘密保護法・安保法制=戦争法・共謀罪の違憲立法を次々強行する一方、北朝鮮問題を利用して戦争の準備にしか思えない大軍拡を加速させています。その行き先は、9条改憲によって、アメリカが起こす戦争に自衛隊を無条件に参戦する「戦争する国」づくりの完成です。

安倍首相は今年の年頭に9条改憲の「実行の一年」だと表明しています。市民と野党の共闘で安倍9条改憲を阻止し、憲法を生かした日本をつくる転機の年にしましょう。

安倍政権の「働き方改革」法案は労働法制の歴史を大逆転させるもの

安倍政権は、通常国会に「働き方改革」関連一括法案を提出し成立を狙っています。

その柱は、「労働生産性の向上」と「多様な就業形態の普及」というもので、内容は労働法制の大改悪で驚かされます。

この法案は、過労死水準を超える残業を合法化するなど、これまでの労働法制を、一握りの富裕層と大企業の利益を増大させるものへと大変質させるものです(詳細は下の記事)。安倍政権の「働かせ方改悪」を許さず、「8時間働けばふつうに暮らせる社会」の実現をめざしましょう。

将来を見据えて、機関投資家優先より直接ものづくりに関わる人たちを大切にする経営を!

昨年は、製造業大手の不正行為が相次ぎ、日本のものづくりへの不信を広げました。

金花社長の年頭挨拶は、残念ながらこの問題からの教訓を見出すことができませんし、機関投資家が求める「ROIC経営」にこのまま突っ走ってよいのか不安を感じさせる内容になっています。

ものづくりは、良い製品を持続的に供給することが求められます。そのためには、直接ものづくりに関わる人たちの「個人の尊厳」が何よりも大切にされ、安心して働くことができ、そして、自由に意見を言えて、自発的に協働できる職場づくりが大切だと考えます。

今年も、「個人の尊厳」が何よりも優先される職場の実現にむけて、みなさんと力を合わせて奮闘する決意です。


西神工場の検査部門で解雇事件
背後に何が ― セクハラ・労災等との関係は?


病気療養中の解雇は行き過ぎではないか

検査業務に従事していた女性社員Aさんは、うつ病で自宅療養中の昨年11月に、「勤務成績・労働能率が極めて不良」等の理由で解雇されました。
解雇は、働き生きる権利を奪うもので、極めて慎重でなければなりません。

うつ病が業務上の要因であれば、違法解雇の疑いに

Aさんは、非破壊検査の資格を持ち、後輩の指導にも当たっていました。その後、同僚の退職による仕事量の増加や、会社関係者からのストーカー被害、業務上のケガなどによる強いストレスからうつ病を発症しました。

Aさんのうつ病は、業務上の要因が大きく、労災の疑いがあります。そうであれば、解雇は労働基準法に抵触する可能性がでてきます。

会社は解雇理由に「支離滅裂な多数の言動」をもあげていますが、すでにうつ病が発症しており、その影響によるものと考えられます。

会社は、職場でのセクハラや災害の防止に真剣に取り組んでいたのか

Aさんは、ストーカー被害を上司にも訴えましたが、対応が遅く、長いこと悩まされてきました。また、仕事中に傷が残るほどのケガをしても、ワセリンでの止血で済まされることも度々でした。

会社は、労働者の尊い命と健康・安全をあずかっているわけですから、セクハラや災害、精神疾患などの対策に万全を尽くさなければなりません。Aさんについて、会社は真剣に安全配慮義務を果たしていたのかを自ら調査・解明し、きちんとした再発防止策を明らかにすべきです。

職場は自由に意見を言える環境であったのか

Aさんは、業務上のケガの際に、上長から「労災と違うやろな」と怒鳴られたとのことです。これでは、事実や意見など言えたものではありません。

データ改ざんで問題になっている神鋼は、「言いたいことが言い合える」職場風土でなかったことを反省しています。

西神工場においても、自由に意見を言える職場であるのか、また、解雇の背後にストーカーや労災等の問題がなかったのか厳しい検証が必要です。


職場の声を無視した保護めがねの強制着用は問題です


兵庫工場の労働者の方から、保護めがねの着用が、作業者の声を無視して強制させられている、との相談がありました。

職場からは、「保護めがねを強制され、視力が低下した」「暗い場所で保護めがねの強制をされたら目がおかしくなって仕事どころではない」などの声が上がっています。

保護めがねの着用は、目を保護するために不可欠ですが、作業者の声を無視した着用の強制には問題があります。一方的に着用を強制するのではなく、職場の意見を聞いて改善するよう提案します。

【大河】

昨年テレビ放送されたドラマ『陸王』は、『下町ロケット』に引き続き高視聴率でした。

「金儲けだけじゃなくてさ、その人が気に入ったら、その人のために何かをしてやる。喜んでもらうために、何かをする」(足袋屋社長)、
「あなたが失敗したって、迷惑だとは思わない。失敗しない人間なんかいないよ」(足袋屋縫製課リーダー)、
「いいチャンスじゃないか。疑ってばっかじゃなく、たまには自分を信じてみたらどうだ」(シューズ調整プロ)

様々な登場人物の温かく信念に満ちた言葉に、〝そうだそうだ〟〝あんなふうに言ってみたい〟〝あの人にぜひ聞かせてあげたい〟などと、心の中で呟きながら涙を流した人も多かったのではないでしょうか。

自己責任論や利潤第一主義が吹き荒れ、あまりにも腹に据えかねることの多い世の中で、ドラマは、生きていること自体を肯定し、地道に働いていることを賛美し、誰かの役に立とうという行為が、人間を成長させ、人の輪を広げていくすばらしさを、様々な登場人物の葛藤を通じて語りかけ、「あきらめるな」と背中を優しく後押ししてくれます。

「人だよ。絶対にかわりがないのは、モノじゃない。人なんだ」(飯山元社長)



7カンパニー制から6カンパニー制に組織改編


今年の4月をめどに、「ガスタービン・機械カンパニー」を二つに分け、「プラント・環境カンパニー」と「航空・宇宙カンパニー」に統合すると昨年11月22日に新聞発表がありました。

会社は組織改編の理由を「シナジー(相乗作用)効果により成長を加速し、一層の企業価値向上を通じて、従業員、当社関係者にメリットをもたらす」としています。改編が不採算部門の切り捨てにならないことを望みます。

安倍政権の「働き方改革」

「働き方改革」の内容は

労働時間では、過労死ライン(1ヶ月100時間、2ヶ月連続80時間)の残業時間の容認、労働時間規制を失くす「高度プロフェッショナル制度」の導入、裁量労働制拡大など長時間労働による過労死多発に道を開きます。

賃金では、不当な差別賃金も「同一労働同一賃金」だと強弁し、正規及び非正規の間に多くの格差を設け、さらに多様な差別賃金の拡大に導きます。

雇用関係では、現行の正規・非正規の差別的雇用を容認するだけでなく、限定正社員、有期契約社員などの制度を設け、請負、業務委託、テレワークなど非雇用型労働を拡大するもので、不安定で差別的な雇用形態は何も改善されません。また、お金さえ払えば解雇できる「解雇の金銭解決制度」を創設しようとしています。


読者の広場 
無期雇用、これでいいのかな?
2013年4月から、有期雇用の方が、同じ会社で5年以上働くと、本人が希望すれば2018年4月から無期雇用に転換できるんですって。

5年も働いていたら、派遣ではなく正社員になってもいいんじゃないの。派遣であろうが、正社員であろうが、長く勤めている人を大切にし、「人は財産」という、社風を120年以上の歴史をもつ、川重で世間に広めてほしい。
(こうべっこ)
最近、現場に女性が増えて 夜勤もしています。

女性の夜勤者は、危険も伴なうので、防犯ベル、防犯カメラを持たされています。何事も起こらないことを願うばかりです。
(西神戸・ご安全に!)
「はぐるま」の体操記事に賛成です
播磨工場では最近始業前に加え、午後の作業開始前にも体操を行なっています。体操は健康を大切にする取り組みで良いことだと思いますが、どちらも労働時間外なので、やらされ感がぬぐえません。

「はぐるま」秋季号で「始業前の体操は労働時間内に」の記事を読みました、賛成です。体操は労働者の健康維持の基礎、ものづくりの基礎として位置付けて、労働時間内にして欲しいです。
(播磨・H)
私の一本
私のお気に入りの映画は、『恋する惑星』です。香港が舞台の恋愛映画で主人公の女の子がある警官に恋をする、という物語です。

この映画のどこが魅力なのかと聞かれると、答えに困ってしまうのですが、とにかく雰囲気が大好きなのです。飛び交う広東語もとても心地よく、カオスな空気も何とも言えません。邦題のタイトルも素敵ですし、また挿入歌の『夢のカルフォルニア』が映画の味わいをより一層深めていると思います。少し不思議なお話ですが、かわいくて、ロマンチックで、ふとたまに観たくなる映画です。

みなさんのお気に入りの映画は、何ですか。
(LとR)
年頭あいさつ
今年も年頭のビデオあいさつが金花社長に続いて労働組合のあいさつがあった。

トピックスを3つ紹介すると。「エッ!?」

組合がトップに取り上げるのが明石工場再編工事の進捗紹介なの!?

もっと「組合員のこと」「賃上げのこと」とか取り上げてよ。
(明石・バイク王)
「はぐるま」への期待の一言
「はぐるま」の記事は、いつも盛りだくさんぎみですが、わかりにくい現象に対しての明快な原因探求は、素晴らしい。
各工場の様子が分かる「読者
の広場」がやっぱり一番面白い。自分の職場では当たり前のことが、実はとても変なことだったと改めて感じられるコーナーです。

これからもたくさんのみんなの声を載せてください。
(明子)
「はぐるま」は、神戸工場で配布されているのを拝見させていただいております。従業員の少数意見や本音をこれからも紹介、発信していただけると幸いです。発信し続けることで、会社や国の方針に少なからず影響を与えることができると思っております。
(神戸・O)
「はぐるま」の内容は、現状把握を主体としているように感じます。大事な事ですが、それだけでは改善まで漕ぎ着けません。構成は、新聞のようで見辛いです。そこで、これからの「はぐるま」には下記を期待します。

・現状を打破するためには、具体的に何をすれば良いかを示してほしい。

・行間を大きくとる、箇条書きを活用する等、見やすくしてほしい。
(機械くん)
ご苦労様です毎回楽しみに読んでいます。特に読者の広場で他工場の状況は貴重な情報です。大河もタイムリーなテーマを短くとてもわかり易くまとめておられ参考になります。
(明石・I)

「職場綱領」近日発表  乞うご期待!
各々が能力を十分に発揮し、やり甲斐を持って仕事をする。そして人権が認められた職場での生産活動が、経済発展へと導きます。
尊厳ある労働と社会の未来への繋がりについて語ります。
「要求アンケート」へのご協力、たいへんありがとうございました。
これからご回答の予定の方は、早めに投函願います。1月20日で締め切らせていただきます。なお、私たちのホームページからも回答できます。
 


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