「はぐるま」 2021年 夏季号
NO.248



河童橋(上高地)
Contents
 【一時金】 切実な要求で生活無視の業績連動算出額をはね返す 浮かび上がった業績連動制度の欠陥
 総選挙で政権交代を実現し、「国民が主人公」の新しい時代を切り開こう
 PCR事業への応援は「安全・安心」確保を最優先に
 大河
 職場から批判があった30分単位の時間外扱いが制限付きの1分単位へ 制限付きをやめて全社統一すべき
 KPS生産管理板 アンケート回答の状況 問題ありとの意見が多数
 読者の広場
 PDF表示
こちら
クリックして
ください。



【一時金】 切実な要求で生活無視の業績連動算出額をはね返す
浮かび上がった業績連動制度の欠陥


今回の一時金への期待は、ベースアップが見送られ、コロナ禍で操業低下等による減収や世帯収入の減少などにより、かつてない切実なものでした。

交渉結果は、年間平均支給額4.03ヵ月相当で終結しましたが、今後の一時金のあり方を考える上で、貴重な教訓とともに課題が明らかになったと思います。

会社と労働組合との対立点は何か?

会社は、一時金は「賞与」であり業績連動テーブルに基づき「その時点の業績に応じた水準で支給するべき」とし、業績から「3.5ヵ月程度」だ、「3.73ヵ月」だと、最後まで業績連動制度に固執しました。

それに対し、労働組合は、労働者が一時金で住宅ローンや教育費、各種税金等に充てている生活実態と困窮状況を訴え、一時金は「生活費の一部」と主張しました。

結果は、労働者の切実な訴えにより生活無視の「3.73ヵ月」をはね返しましたが、昨年からは大幅な減額となりました。業績連動の影響をまともに受けた幹部社員からも「給料かと思った」などの不満の声が上がっています。

労働組合運動の今後の教訓とすべき取り組み

今回、労組は、労働者の生活実態に基づく職場の切実な要求を結集し、交渉しました。

この取り組みが、業績連動制度では生活が守れないことを示し、その算出額をはね返す大きな力となったことを、今後の労働組合運動の教訓とすべきではないでしょうか。

業績連動制度を今後も続けるのか?

コロナ禍での一時金交渉は、労働組合運動のあり方を考えさせるとともに、業績連動制度が、労働者の生活実態と要求での交渉を否定するものであることを浮かび上がらせました。

本来、月例賃金で暮らせることを基本にしながら、時々の生活実態と業績などに基づき一時金交渉をすべきと考えます。その方が労働者の自負やモチベーションを高め、ものづくりにも良い影響を与え、また、経営陣にも安易な総人件費の圧縮ではなく経営努力を求めることにつながると思います。

今後も新しい感染症や大きな災害は避けられず、業績連動制度を見直す時期にきているのではないでしょうか。



 
総選挙で政権交代を実現し、「国民が主人公」の新しい時代を切り開こう

7月4日の東京都議選挙では、「五輪より命」、「中止・延期」を訴えた日本共産党と立憲民主党は、1人区、2人区、一部の3人区で候補者調整を行い自民党の33議席を上回る34席へ躍進しました。一方、五輪開催に固執する自公は目標とした議席の過半数に届かず、都民ファーストも大きく議席を後退させました。

総選挙は年内に必ず実施されます。都議選で示された都民と国民の声をさらに大きくし、菅自公政権を終わらせる歴史的なチャンスです。

国民無視の菅政権を 一刻も早く退陣を

菅政権は、コロナと五輪問題に象徴的に表れていますように、国民の声や科学をことごとく無視し、説明もしない、反省もしない、責任もとりません。やりたいことは国会を無視し強権的に通すというものです。

これ以上菅政権を延命させるわけにはいきません。一刻も早く退陣させましょう。

総選挙で国民を大切にする野党連合政権を

コロナ危機を乗り越え、希望が持てる社会をつくるためには、国民を大切にする政治をつくることが必要であり、野党には連合政権を本気でつくる覚悟が求められています。それとともに、主権者である国民一人ひとりにも、それに参加する意志と行動が問われているのだと思います。

来る総選挙において政権交代を実現し、日本の政治史上初めての「国民が主人公」の政治を実行する野党連合政権を樹立させましょう。



PCR事業への応援は「安全・安心」確保を最優先に


会社は4月に、「PCR事業への応援および応援期間中の勤務形態」を労組に提案しました。

川重が開発したPCR検査システムを空港でのサービス提供を開始するために、その人財を社内応援で確保するというものです。

・人選は全カンパニーを対象とし、今年9月までに従業員約230人、他社従業員や派遣社員も含め1,000人超を想定
・勤務内容、形態は、空港や市中での、検体の運搬、検査システム維持等の作業で、4勤2休の変則2交替勤務
・応援期間は1年程度の来年3月迄で、来年4月以降は改めて提示
・1日1,200円の感染症関連作業手当を新設、9月から支給。

現在、感染力の非常に強い変異株が次々と発生し、会社が言うように「極度に感染リスクが高まる環境下」での作業となるので、本人だけでなく家族にとってもたいへん不安です。何よりも命を守り精神的負担を減らすことを最優先する、次のような対策が必要と考えます。

PCR検査を帰省時だけでなく、応援期間中も定期的に行ない、希望者には優先的にワクチン接種を行うこと。感染リスクによるストレスを把握し、メンタル面の相談・フォローアップを行うこと。人選にあたっては、家族の育児・介護や、本人の疾病などはもちろん、本人の意思を十分に尊重すること。自由に有給休暇を取得できる要員の確保を行うこと。

会社からの提案は4月22日ですが、応援計画は4月開始となっており、また、具体的なことは、支部ー事業所間で協議するとしています。命に関わる事案が、あまりにも安易で性急に進められていなか心配になります。


【大河】
コロナ・パンデミックは、五輪に内在する矛盾を、東京五輪を通じてくっきり写し出しました。それは、五輪の理念・目的の実現と五輪開催による利益・利権獲得との矛盾・対立です。

五輪は、「人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進する」ことを大きな目標とし、前提としています。何よりも人権・命を大切にし、フェアと世界の人々の交流・連帯を実現できてこそ、意義あるものとして発展できるのだと思います。

一方、開催にあたっては多くの会場や宿舎、交通・通信手段などが必要となります。そこは、商業主義や国家主義にとって利益や利権獲得の格好の場となり、それに絡む政治・企業・利権団体などは、五輪を巨大化させ、開催自体を目的化しています。

そのため、五輪の理念・目的とは逆に、命を粗末にし、環境破壊や過剰な税負担、格差貧困と差別・分断を拡大させ、五輪組織をも腐敗させています。

東京五輪の中止を訴える世界の多くの人たちは、五輪そのものに反対しているのではなく、むしろ五輪のあり方の見直しを求め、その理念を取り戻した開催を願っているのだと思います。

現在、世界でコロナ新規感染者が週260万人以上、死亡者数が5万7千人以上という深刻さです。これでは五輪を開催する前提条件がありません。まず、世界のあらゆる紛争を即時停戦させ、パンデミックを封じ込むために、世界が協力しそれに力を集中すべきときです。

今日本にとって、そのリーダシップを発揮できる絶好の機会です。そのためには、今からでも東京五輪を中止することです。五輪の見直し論議にも大きな布石となります。この道こそが五輪の理念を体現することであり、国際的地位も高めることになるでしょう。 (7月23日)


 

職場から批判があった30分単位の時間外扱いが制限付きの1分単位へ
制限付きをやめて全社統一すべき

職場から日々の労働時間を1分単位で扱わないのは、労働基準法違反ではないかと指摘する声が度々あがっていました。

会社は、今年4月からのフレックスタイム制度の改正に伴い、30分未満での時間外勤務が発生した場合には、1分単位で時間外勤務として取り扱うと通知しました。

会社の通知には「やむを得ず」などの制限が

しかし、会社の通知には次のような制限がついています。
・「やむを得ず30分未満での時間外勤務が発生した場合」
・「時間外勤務の取扱いは、原則として30分単位とする」ことに改める
・「カンパニー又は所属より別途指示があつた場合はそちらを優先」すること

時間外勤務の扱いが 全社でバラバラ

各職場での運用は、次のように統一されていません。
・始終業を分単位で正確に入力するようになった
・労働時間30分単位となるように努めるように指示された
・時間外手当は1分単位で手当がつくようになった
・日々の時間外勤務は従来通り30分単位の申請のまま
・具体的には何も通知されていない(何も変わっていない)
このように職場間で不公平な勤怠管理となっています。

時間外労働の取り扱いは1分単位とすべき

会社は、「事務・技術職の労働時間管理の徹底について」の通達(2018・8・1)で、「不適切な労働時間管理については、決して認められるものではありません。」と警告しています。

私たちは、日々の時間外勤務を30分単位とすることはサービス残業にあたり、労働基準法違反の犯罪ですと職場新聞(「はぐるま」2012年5月号外)などで訴えてきました。

法令遵守を宣言する企業として、日々の労働時間、時間外勤務の取り扱いは、全社で1分単位に統一すべきです。



KPS生産管理板 アンケート回答の状況
問題ありとの意見が多数

アンケート開始直後から多くの回答を寄せていただきありがとうございました。

7工場の20代から60代までの幅広い層から回答があり、30代から一番多く回答いただいています。特徴的な回答の一部を紹介します。

<評価する意見>
「問題点あらいだしに役立ってる」 「新人教育ツールとして限定的有効」 「何をするか聞かなくても分かる」 「現場任せを改めるという点では良い」 「標準化できる」

<問題を指摘する意見>
「急がないと時間が守れないから仕事が適当になる」 「分刻みのスケジュールで、遅れた理由を一つ一つ書かなければいけないので、2~3倍時間がかかる」 「毎日、作業時間の達成率を赤文字掲示される」 「管理板をつくるのに早朝から夜遅くまでサービス残業している班長をみかける。サービス残業ありきで、成り立っている」 「生産性は下がり、品質は確実に低下する」 「KPSは形だけ細かくなりすぎ『みなさんと共に』を忘れた」 「細かさはちょっとやりすぎ」 「若手の退職が相次いでる」

一部で評価する意見がありましたが、回答の多くは問題があるとの意見でした。アンケートの締め切り後に回答結果と分析内容、提案を後日HPにてお知らせする予定です。


読者の広場 
何かの間違い?
夏の一時金は期待出来ないなと思っていたものの、明細を見て一瞬時間が止まりました。何かの間違いでは?と思うほど少なかった。回りもどうやら同じ状況のようだ。妻にどう言われるか不安だったが今はまだ嵐の前の静けさなのかも。毎回貰っていた一時金の小遣いは自分からは口に出せない。楽しくない夏になった。
(明石・従業員)
ボーっとしてナス
ボーナスいつの間にか支給されました。紙の明細が発行されないので全然気づきませんでした。

しかし、金額を見て悲しく、全社で差が付かない様になりましたが、儲かっている部門にとっては意気消沈です。
(精機設計精鋭?部隊)
ジョブ型人事制度
夏の賞与の額面を見て、子供の学費や家のローン返済など頭を抱えました。この先の冬のボーナスや次年度給与の不安が現実味を増してきています。

会社発展のためと言われるジョブ型人事制度は、残念ながら社員には自分らが悪いみたいに受け止められていますし、株主様は新人事制度に配当の期待などしていません。

困ったことに、己の結果も出さず頑張ったアピールするだけの旧川重体質幹部や、休憩場所で長々と過ごす開き直り若手社員が君臨しており、彼らの適職への異動施策がないことです。
(明石・フェアウェイウッドはマジ苦手)

変わりゆく工場
西神戸工場の大工事、いったいどこまで広くなるのでしょう。自然豊かだった工場は、木々や山が削られ、様変わりしました。広くきれいな道路、広大な工場建設予定地、事務所ビルも建つとの事、どんな風に変わって行くのかな?
(カワるサキへ)
チャレコミ
神戸工場での職域接種が実施されましたが、派遣社員や請負入業者も正社員と同じように接種できて安心しました。出社がままならぬ中、尽力してくださった診療所の方々、総務の方々に感謝いたします。さて、チャレンジ&コミットメント活動が開始されましたが、正社員のみの活動のため派遣社員などは置いてけぼりです。そして、ボーナスへのインパクトの大きい幹部社員が目の色を変えて実現しようと、強引に推進している姿に違和感を感じます。
(神戸・たこ焼き大好き)
何かやったら怒られる文化
7月1日にはDIV長の所信表明も行われ事業所一体となって新しい姿へ進んでいくことが期待されてます。

人事制度の必要性は分かりますが、何もかも突貫で進むのが西神戸の悪いところ。

スピードや活躍社員増加も大事ですが、形ばかり取り繕ったり、何かやったら怒られる文化を変えないと、これからの精機の姿がどうなるのかとても心配です。
(西神戸の星)
東京五輪 強行開催について
IOCの体質について色々と言われていますが、予算が当初の何倍も膨らんで某派遣会社が過去最高益をあげています。ピンはねが異常で末端の係員はボランティアです。財源は我々の税金です。笑いが止まらないと思います。報道についても話題のある有名選手のみ報道し優勝した選手は完全無視です。各国の選手団の入国と同時にコロナ感染が急拡大。いつものように因果関係は不明ですよ。
(AKZ)
かわさき目安箱状況報告レポート2021年5月を読んで
その内容には、従業員の仕事への誇り、真面目さ、快適な職場づくりなどが掲載されており、職場の主人公は労働者であることに気づかされます。要望事項をいくつか紹介しますと、暗がりの昼食、歓迎会の会費、喫煙所たばこ臭い、工場のオイルミスト飛散、臭い男子トイレ、エレベータの待ち時間、食堂のコロナ対策など。

会社は、従業員が日頃困っていることに丁寧に回答してくれています。今後とも従業員の声を取り上げてください。
(明石のバイク王)
新会社、一体どうなる?
1月に同業他社との合弁新会社が提案された。いまだに労働条件がはっきりしないから、どうなるのかよくわからない。賃金は安い方に合わされるのではないか。大問題だ。妻に相談したら「あなたの勝手にしたら」と突き放された(笑)。笑っている場合ではない。夫婦仲も大問題だ!!今より生活条件が悪くならないか、本当に心配。まずは出向、その後転籍もあり得る。組合の皆さん、こんな時こそ本気で助けて下さい。出来れば夫婦仲も・・・
(神戸工場・将来 不安)


ページトップに戻る ^