「はぐるま」 2022年 春季号 NO.251 |
羊山公園(埼玉県) |
Contents
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AP22春季要求結果
賃上げは「生きた要求」づくりから
今年の賃上げは、昨年の賃上げ見送りや、コロナ禍での世帯収入の減少、物価高騰がはじまる中、大変切実なものでした。結果は要求額3,500円に対し、1,500円の妥結でした。今回も低額回答で会社に押し切られましたが、どうしたら打開できるのでしょうか。
要求決定と賃上げ交渉は何を根拠に?
要求額の3,500円は、基幹労連の方針に基づいたものです。これは、政府の「3%の賃上げ」、連合の「2%程度の賃上げ」方針に比べ、1%程度とかなり低いものでした。
賃上げ交渉は、「厳しい経営状況」であり「固定費の増加」につながるという会社の主張を跳ね返すことができず、1,500円の回答に対し、「同業他社と同水準を確保」「交渉の限界」という理由で終結しました。
この2005年からの15年間の賃上げは、要求なしが3分の1、それ以外は3,000円~4,000円の要求に対し、半額に満たない額での妥結でした。基幹労連の方針での要求決定と賃上げ交渉の終結理由もほとんど変わっていません。
その結果、15年間で内部留保は2,381億円から5,239億円に膨らみましたが、平均基準賃金は31.5万円のまま固定されています。
このような交渉結果を繰り返す要因の一つに、要求の根拠の問題があり、そのことが交渉にも大きく影響していると考えています。
「生計費原則」に基づいた要求の決定を
会社の賃上げ抑制の理由を跳ね返すには、組合員の心底からの切実な要求であることが重要です。
国際的な最低の労働基準を規定しているILOは、最低生計費水準は、「生計費」あるいは「労働者とその家族の必要」で決めると定めるとしており、「生計費原則」で要求額を決める必要があります。
労働組合自身も「職場の声こそが、交渉を前に進める原動力」と言っています。基幹労連にも働きかけ、組合員の生活実態の分析と要求調査から始めてみてはどうでしょうか。
そうすれば、要求は組合員全体の「生きた要求」となり、会社と不退転の交渉ができるのではないでしょうか。
非正規社員から正社員の流れを大企業から取り組もう! |
1985年に導入された労働者派遣法は、その後、何度も改悪。非正規労働者は、労働者の4割以上を占め、低賃金と雇用不安を抱え働いています。それが、格差・貧困の拡大、日本経済の衰退と少子化の大きな要因となっています。
川重の製造現場で派遣社員が5割超も
2003年に、派遣労働を製造現場まで広げる改悪が強行され、川重の製造現場では派遣社員が5割を超える職場もあります。派遣社員は、ものづくり現場を担う重要な役割を果しているにもかかわらず、短期雇用契約や雇用の調整弁として扱われています。
最近では、とくに若手の正社員と派遣社員の離職率が高く、「人が集まらない」「生産ができない」などの声が上がっています。
また、派遣社員の短期雇用や差別的な扱いが、職場に差別と分断を持ち込み、労働者の連帯・協業を弱め、技能伝承や品質低下の要因になっています。川重は、現場のものづくりを衰退させる派遣労働を見直してはどうでしょうか。
製造現場への派遣労働の中止と均等待遇を
非正規社員から正社員への流れを本格的につくるには、ヨーロッパでは当たり前の派遣労働の臨時的・一時的業務への厳格な制限と、製造現場派遣を全面的禁止する労働者派遣法の抜本改正が必要です。
川重は、技術・技能伝承を図るために、派遣社員の均等待遇と正社員への転換に率先して取り組んではどうでしょうか。
【参議院選挙】日本共産党の躍進で憲法を生かす政治を
新型コロナに続きロシアのウクライナ侵略により、脆弱さと矛盾が露呈した日本社会。7月に迫った参議院選挙は、何が問われているのでしょうか。
戦争か平和か
国連総会でロシアのウクライナ侵略を糾弾する非難決議と人道決議が、圧倒的多数で採択されました。核の先制使用を公言し、「軍事対軍事」、「力の論理」で世界に戦火を広げかねないロシアの侵略行為は、絶対に許されません。岸田政権は、政権として初めて「敵基地攻撃」能力の保有検討を主張し、さらに、この危機に乗じ、参議院選挙で憲法9条を改定し「戦争する国」づくりを加速させようとしています。また、安倍元首相や維新の会などが米軍との「核共有」にも言及するなど、唯一の被爆国として決して許されません。憲法9条を生かした外交戦略こそ大切です。
「弱肉強食の経済」か「やさしく強い経済」か
財界中心の政治を一層強めた第二次安倍政権以来の8年間で、労働者の実質賃金は年収で22万円も減りました。消費税増税や社会保険料の値上げなどにより、消費は落ち込む一方です。政治の責任による賃金の引き上げや、5%への消費税減税、GDP国内総生産の4分の1を占める社会保障を手厚く充実させることが急務です。さらに、経済成長とともに企業の成長をも促す気候危機打開の本気の取り組みや、女性の賃金差別をなくすジェンダー平等で、弱肉強食の経済から「やさしく強い経済」への転換が求められています。
野党連合政権への道を揺るがずに
参議院選挙は、戦争か平和か、日本の進路が根本から問われています。改憲勢力の自民、公明や維新などに3分の2議席の獲得を許さないために、昨年の総選挙で成果を上げた野党共闘の発展が不可欠であり、その最大の推進力は日本共産党が躍進することです。
【大河】 ウクライナで身の毛もよだつ戦争犯罪を繰り返すロシア軍の侵略をただちに止めなければなりません。プーチン政権をどのようにして止めるのかが、世界の平和秩序の行方を左右する大問題と言えます。 いま進めている軍事支援強化などの「軍事対軍事」では、過去に戦争を止めたことはなく、戦火の拡大や報復の連鎖で戦争を泥沼化し、核戦争の現実的危険を強めるだけです。これでは、軍事ブロックと軍拡の「力の論理」が支配する19世紀に後戻りしてしまいます。 『国連憲章と国際法を順守せよ』と全世界の政府と市民社会が声をあげ、国際世論の包囲で侵略を止めるのが一番です。 それは、一つにその声が、人類が数多くの戦争・紛争で多大な犠牲を払いながらたどり着いた知恵だからです。二つに、プーチン政権が、国内で戦争反対を弾圧しメディアを統制しているように「世論の力」を一番恐れているからです。 これまで、米国や旧ソ連・ロシアの数々の侵略戦争に対し、国際法にもとづく批判が弱かったことが、プーチンのような人間をつくってしまったのです。 しかし、ロシアの侵略と戦争犯罪を断罪する2回の国連決議で、加盟国7割超が賛成したように、覇権主義を許さない国際世論は前進しています。この力で解決すれば、国連憲章にもとづく平和の国際秩序を築く道が確固たるものになるでしょう。 日本では、平和の危機に乗じて、政権側などから、憲法9条改定や「敵基地攻撃能力の保有検討」、「核共有」提言まで叫ばれています。いまこそ、世界に誇る平和憲法(前文)の「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」の決意を受け継ぎ、次の世代のためにも、世界平和のために力をつくしましょう。 |
男女の賃金格差是正で活力ある日本社会へ |
労働基準法は男女の賃金格差を禁止しています。しかし、男女間の賃金格差が一向に改善されません。
格差の実態
2020年度の国税庁「民間給与実態統計調査」の年間平均賃金は、男性は532万円、女性は293万円、その賃金差は239万円、単純計算で42年間勤続した場合の生涯賃金の差は1億円にもなります。
川重の平均年間報酬額(全従業員)でも、男性は710万円、女性は520万円で、賃金格差は190万円になります。(Kawasaki ESG Data
Book 2020より)
改善されない要因
女性は家事や育児はもとより、社会を広く支えているのに、「女性の賃金は男性よりも低いのが当たり前 」という風潮と慣行は、女性の労働を非正規雇用に追いやり、賃金、昇進、昇給、役割などで女性への差別的な待遇をつくり出しています。
こうした背景には、法的整備が遅れていることや、川重の取り組みでも、男女賃金格差是正の具体的な目標が示されていないことがあります。
格差是正の本気の取り組みを
欧州連合(EU)は、企業に男女の賃金格差の公表を義務づけ、是正しない企業に罰則を科しています。日本も同様の法改正とともに、会社と川重労組は、男女の賃金格差是正の具体的な目標を掲げて取り組むべきです。
女性への賃金差別の是正は、ジェンダー平等の土台であり、女性の力を伸ばし、日本経済と企業を発展させる上で不可欠です。
リモートワークの作業環境は大丈夫? |
川重でも広く導入されているリモートワークについて、厚生労働省は事業者に対し「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」に基づいて、実施するよう指導しています。主な内容は以下のとおりです。
〇部屋…作業等行うのに十分な空間(10m3以上)の確保整理整頓。
〇照明…照度300ルクス以上。
〇窓…窓の開閉や換気設備で空気を入れ換える。
〇室温・湿度…冷房・暖房・通風など利用した温度・湿度調整 (気温17~28度、湿度40~70%が目安)。
〇机・椅子・PC…机は、作業に適した広さ・高さ。調整可能なひじ掛け付き椅子。ディスプレイは、眼から40cm以上の距離。操作しやすいマウス・キーボードなどを使用。
これらの作業環境に対し、労働者にチェックリストによる報告を求め、また必要な場合は労使協力して改善を図る、または自宅以外の場所(サテライトオフィスなど)の活用を検討することが重要としています。
新入社員の皆さんへ 入社おめでとうございます。コロナ禍の厳しい状況が続いていますが、自分らしさを大切にして、この危機をともに乗り越え、希望に満ちた人生の一歩となることを願っています。 |
読者の広場 | |
ワークライフアンバランス ご安全に!岐阜では、操業が低下しており応援や出向をさせられ、不慣れな作業が多く苦労しているといろいろな方から聞く。また、生産管理板で時間に追われる日々が続き、疲労困ぱいしているとのこと。事技職は、はたからみれば楽に見えるが、現場からの質問や不具合調査など急な仕事がどんどん増え、ワークライフバランスではなくワークライフアンバランスになっています。なかなかいい話はありませんが、カワサキマンとしてみなさん頑張っていきましょう! (岐阜・K) |
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2年連続最高売上高? コロナ禍で、物流が滞り、電子部品の入手が困難でも、精機・ロボットCの2021年度の売上高は、2年連続最高の約2,700億円が見込まれています。 2022年度の売上高は、2,900億円の計画。 広大な土地に新総合ビル、工場建設と大規模な工事が行われ、さぞ良く儲かってる工場に外からは見える事でしょう。 西神戸工場で働く皆さん、今後もっとコストダウンが厳しくなります。どうかお身体を大切に無理しないで下さい。 (ワイガヤスペース) |
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職活ポイント カフェテリアプランの職活ポイント12ポイントを使う機会がなく毎年流していました。今年度は、職場でまとめて川重サービスのお菓子セットを購入し、申請することが出来ました。カフェテリアポイントを初めて100%消化出来ました。 (長田野郎) |
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もっと良い設備を! 支給されるパソコンが貧弱で皆困っています。リモートワークの導入アプリでさらに遅くなっているようです。 仕事には人生の長い期間を費やすことになるのですから、もっと設備投資をしていただきたいです。 (神戸・たこ焼き大好き) |
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早くロシアの侵略を止めて! ロシアの一方的な侵略戦争、その凄惨な戦争犯罪の映像ニュースを見るたびにロシアに嫌悪感を抱きます。巨大な悪の固まりで、道理が通じない。そのロシアを擁護する国も同罪です。日本主導の戦争は二度とやって欲しくありません。しかし力亡き正義は、夢幻に終わらないのか不安です。どうしたらこの侵略を止められるのでしょうか。 (侵略戦争反対) |
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無関心が怖い ロシアのウクライナ侵攻が問題になっていますが、私の周りでは誰も関心がないみたいです。本当に興味がないのか? あまりにも悲惨な現状から目をそらしているのか? 国際社会が全く機能せず、日本も近い将来こうなりそうで怖いです。 (AKZ) |
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精機の桜 精機では新ビルを建設するために、幹線路の桜を一部伐採してしまうので今年で見納めになるようでとても残念です。何年前からあるのか知りませんが、過去の先輩たちも見てきたんでしょうね。しかし桜も無くなって、設計部門では大掛かりな組織異動で慣れ親しんだ上司もこの春でいなくなってしまうのに、長く居座るお方も。。憎まれっ子世に憚るとはこの事? (設計部門の過去若手2号) |
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相手への感謝 明石工場の西通用口セブンイレブンの横断歩道と東京本社前の信号のマナー。 今更無理、とはいえやってみた。横断歩道で車来てたら敢えて待つ。素通り多いが我慢。止まってくれた車に待ってましたとばかり笑顔で軽く手を上げ早足で横断する。 相手に感謝する行動は気持ちがいい。これって、会社の中でも同じだと思うわ。 (明石・8番アイアン苦手) |
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3つのお願い聞いて 1.正門の歩行者用通路がせまいので、自転車の通行スペースを設けてほしい。 2.ゆうゆう休暇の2日続けて休まないといけない決まりをやめてほしい。できたら記念日休暇を3日とるようにしてほしい。 3.チャレンジ・コミットメントシートをやめてほしい。作成に時間がかかり残業になる。これってムダじゃない。 (明石のママ友) |
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心機一転 西神戸ではトップダウンにより設計部門は大幅な組織編成があり、皆さん一生懸命席替え作業を行ってました。これが新しい形に繋がっていくことを願うばかりです。 しかし部門によっては、人員がむしろ減員であるのに、業務量は変わっていないという無茶な組織編成になっているところもあります。 経営陣は売上やコストダウン額だけを追い求めることなく、その妥当性というところも良く考えて、かじ取りをして欲しいと願います。人を減らしても、今まで以上の仕事をしろとは、パワハラにも繋がりかねないと心配ばかりです。 (西神戸の星) |
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見つけた花壇 明石工場の東の端、その南の一角に明石タコの花壇を見つけました。平地なので全体が見えにくいのですが、2年前にはコロナ封じの「あまびえ」の植え付けだったそうです。一般道からも見える位置なので工場のイメージアップに繋がります。折角なので傾斜をつけて見やすくすると良いなと思います。 (蛸大好き) |