皆さん、頑張って熱中症の季節を乗り越えましょう

1.明石工場で熱中症-社外作業での熱中症防止対策を

 6月19日木曜日、明石工場で熱中症が起きました。被災者は午前中から定時まで社外の部品倉庫で作業、帰社後に異常を訴え、病院で治療、幸いにも大事に至らずその日に帰宅することができました。
 会社の熱中症対策は社内での作業を対象としたもので、社外での作業を対象とした対策は確立されていないようです。会社には今回の災害の原因を調査して、社外での作業における再発防止策を早急に確立することを求めます。

2.熱中症の特徴-厚生労働資料から

 熱中症防止対策は会社が責任を持って取り組む課題ですが、私たちもその特徴を理解して"熱中症の季節を乗り越える"必要があると思います。厚生労働省発表"平成25年の「職場での熱中症による死亡災害の発生状況」"から、熱中症の特徴を紹介します。

特徴その1:
毎年多くの死亡者(図1)
 熱中症で亡くなる方は毎年多く、2009年を除いて二桁です。2011年以降は年々増え、昨年は前年よりも9人増え30人の方が亡くなっています。
 このことは会社の対策がまだまだ不十分であることを意味していると思います。

特徴その2:
危険月は6月から9月(図2)

 熱中症は6月から9月にほとんど発生しています。特に7月、8月が危険です。
 会社の生産計画は残業することを前提としたものになっていますが、そのため現場部門の労働者は"前日の疲れを取りきれず働かされている"、このような背景があると推測されます。
 夏場は労働時間の大幅短縮が必要だと思います。勿論、時短しても賃金は保障されることも併せて必要です。

特徴その3:死亡時間は16時台がピーク、14時から18時台は危険時間帯(図3)
 熱中症の死亡時間帯は16時台が最も高く、その前後1〜2時間に多くの死亡が発生しています。明石工場の事例でも17時台に不調を訴えています。
 14時台から18時台の4時間は危険時間帯と扱って、少しの体調変化も見逃さず、上司、同僚に相談すべきです。万が一、熱中症にかかったとしても治癒する可能性が大きくなります。

 皆さん、特に現場部門で働く皆さん、既に熱中症危険月に突入しています。会社の熱中症対策に問題があれば会社に申し入れてください、もし言いにくい雰囲気があれば我々に相談してください。そして、共に元気にこの季節を乗り越えていきましょう。  

参考:WBGT値(暑さ指数)
人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算します。
・屋内の場合 0.7x自然湿球温度+0.3x黒球温度
・屋外で太陽照射のある場合 0.7x自然湿球温度+0.2x黒球温度+0.1x乾球温度
WBGT値が28〜31度のときは「激しい運動は中止」、31度以上は「運動は原則中止」

【WBGT値の予測値・実況値】(環境省HP)
PCサイト:http://www.wbgt.env.go.jp/
携帯サイト:http://www.wbgt.env.go.jp/kt/

(14.07.01)