「標的の島 風(かじ)かたか」

 読者の方から「標的の島 風(かじ)かたか」を観てという投稿がありましたので紹介します。


「南西諸島」 出展:ウィキペディア
 三上智恵さんの監督作品映画「標的の島」を観ました。

 沖縄の基地問題を題材にしたドキュメンタリー映画としては、ジャーナリスト時代に作られた「海にすわる」そして映画監督として取り組まれた「標的の村」、「戦場ぬ止み(とうとうみ)」に続く作品です。
 昨年発生した米軍属による女性暴行殺人事件の被害者に追悼する県民大会で、稲嶺進名護市長は、「我々は、また命を救う"風(かじ)かたか"になれなかった。」と語りました。
 「風かたか」とは風よけ、防波堤のことです。
 今回の映画は、沖縄南西諸島 宮古島、石垣島に新たに自衛隊のミサイル基地の増設計画と、その反対運動をメインテーマに沖縄本島北部高江るらのオスプレイ用ヘリパッド建設反対運動を交えた構成となっています。
 沖縄の伝統的な踊りと風習を織り交ぜて、宮古島、石垣島のおばさん達から、悲惨な過去を繰り返してはならないという想いの程が映像を通じてひしひしと感じました。
 一方、沖縄を含めた南西諸島がアメリカ軍のエアーシーバトル構想に巻き込む危険性を警鐘する映画になっています。
 映画のラストシーンでは、基地設置に反対する少女と、本土から派遣された機動隊の青年が対峙する場面がアップのロングシーンが写されます。
 機動隊の青年が目を合わせるのに我慢が出来なくなり、下を向いてしまうところで映画は終わります。 是非観てもらいたい映画です。

※エアーシーバトル:米国が西太平洋海域における最高位の軍事行動として描く統合作戦モデル

(Y.H記)


(17.07.26)