時間管理は企業の責任――タイムカードや磁気カードなどの活用を提案する――
川重では、2005年度1月から30分単位で時間管理することになりました。この時間管理を確実なものにし、「サービス残業」のない職場づくりについて考えてみたいと思います。
サービス残業の是正と根絶をすすめる運動は、厚生労働省が根絶に向けた通達(01年4月)をだしてから、約3年半で支払総額は447億円になりました。
2004年度は、東京電力本店で14億4千万円。自動車部品大手の日本特殊陶業で5億7千万6百万円など前進しました。また是正した企業は2200社を超えました。
川重では、2001年3月に神戸工場で始業5分前のミーティングがおこなわれているのは、違法にあたるとして、労基署の改善勧告を受け是正がおこなわれました。また、一部の職場では、サービス残業の是正がおこなわれました。
そして、この勧告を受けて、雇用者の責任で始・終業時間を確認し、実働時間におうじて給与支給することを徹底するため就業管理票が作成され、これによる時間管理が間接部門の職場で実施されてきました。
管理票の様式は、カンパニーにまかされ、多少のちがいはありますが、基本的には、毎月所属長と部下が前月の就業結果と今月の予定につき話し、話し合いの結果確認された前月の実績と当月の予定を記入、双方が捺印することになっています。「雇用者の責任で管理すること」を「従業員の申請と上司の確認」という方法になりましたが、これまでサービス残業発生の要因となってきた「自主申告」のしくみは、のこされています。
私たちは、フレックスタイムや変則勤務など勤務体制が複雑になっている時だからこそ、シンプルで合理的なタイムカードや磁気カードなどを活用することによって雇用管理者の責任での明確な出退時間の把握と時間管理ができると考えます。こうすれば、サービス残業を根絶することが可能となります。
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(川崎三菱大争議50周年記念実行委員会(71年12月資料より) |
川重の労働者は、日本で初めて8時間労働制をかちとりました。
今日的にふり返ってみても、このたたかいは時代と社会に巨大なインパクトを与え労働環境の前進に大きな貢献をしました。
私たちは、先輩たちが挑戦した熱い思いを絶やさず、引き継いでいきたいと思っています。
(05.04.03)