木津川 計の一人語り劇場 "語る落語"

読者の方から「木津川 計の一人語り劇場 "語る落語"」という投稿がありましたので紹介します。


 10月15日神戸新聞松方ホール・ホワイエでひらかれた木津川 計さんの"語る落語"を観ました。
 演劇、映画を題材にした「一人語り劇場」は、6年目を迎えるそうです。
 そして今回は、庶民の生活や願いや発想、人間の心理を描く落語の面白さを語ってくれました。
 桂米朝さんの許しを得て、米朝さん十八番の「質屋蔵」「鹿政談」「千両みかん」「天狗裁き」の各々のさびの場面を軽妙な語りを交えて語り継いでいく木津川ワールドで2時間弱を息つく間もなく楽しませてくれました。
 落語の前段の少々長い前ふりで、女性にまつわる漢字の意味を考えさせられました。
 男の子の名前には**男、雄、勇と生まれながらに自立した存在の名前がつけられます。
 反対に女の子には、**子という親に従属された名前がつけられました。
 さらに女の子が成長すれば「娘」になります、漢字をばらせば男目線で良い女です。
 そして結婚すれば「嫁」、家の女となります。そして子供が生まれ、その子が結婚すれば、嫁は女に古いで「姑」となります。そして最後は、女が波打って「婆」になります。
 このように漢字の世界では差別されていた女性が、落語の世界では、ばかな亭主に対する賢い女房として語られています。
 ここに落語の奥深さを改めて感じました。
 木津川 計さんは、来年2月に"マルセ太郎追悼公演"を神戸アートビレッジで、永六輔さんと共に出演されますので、是非観て頂きたいです。

木津川計さん プロフィール:
1935年生まれ、1968年に創刊された雑誌「上方芸能」発行人。関西の芸能文化を論じ続け、立命館大学教授を定年退職、現在は川西市生涯学習短期大学学長。

Y.H記


(12.10.28)