マルクスさん |
あんたも、この3年間、ご苦労さんじゃったな。 年頭記者会見では、「挑戦」という言葉を20数回言ったそうじゃが、この3年間「挑戦」し続けてきたのに、これからも「挑戦」していくとなると心身ともに大丈夫かな。 まあ、心配はそこまでにして、まず聴きたいのは、旧三本の矢は結局日本の経済をどのように変化させたのかな? |
アベちゃん |
いろいろご心配をお掛けしておりますが、休暇にゴルフを行い心身ともに英気を養ってまいりましたので大丈夫でございます。 それではまず、旧三本の矢の総括をさせて戴きます。 第一の矢は、大規模な金融緩和を行うことによりまして、1ドル80円台から100円台へと円安に導くことが出来ました。円安にすることが出来ましたので、輸出が主流の大企業からは絶賛されております。 第二の矢は、積極的な大型公共事業予算計上や企業減税を実行することによって、日本企業の利益拡大や株価を上げることが出来まして、これまた大企業から絶賛せれております。 最後に第三の矢でございますが、第一の・第二の矢の勢いにより、第三の矢である成長戦略はグングン加速して、今では日本経済をデフレから脱却さつつあると確信しているしだいであります。そして、大企業からも絶賛されておりますが、日本の大企業は、グローバル競争に勝てる体質へ変革するのも、もう間近かだと確信しております。
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マルクスさん |
どうも話を聴いていると、国民不在の大企業からの絶賛オンパレードというのが、旧三本の矢の総括じゃな。 そこでじゃ、大企業からの評価は理解したのだが、国民からの評価はどうなのか教えてくれんかな? |
アベちゃん |
承知しました。 第一の矢による異次元の金融緩和で、物価上昇率を2年間で2%にするという目標でございますが、国民の皆様におかれましては日々のスーパーでの買い物で実感されておられますように、2%には届いていりませんが物価上昇感は、日々お持ちだと思います。 雇用におきましても正社員労働者の増加は若干ですが、非正規労働者は飛躍的に増えておりましてね・・・!?(あれ・・・何か変なこと言ったかな?) ・・・話題を変えまして、賃上げにおきましても大企業では、若干は伸びておりますが、中小企業では横ばいでしてね・・・!?(あれ・・・何かまた変なこと言ったかな?) ・・・しかし、大企業の役員賞与は飛躍的に伸びると共に、株主配当も飛躍的に伸び、内部留保も300兆円を超えておりましてね・・・大企業から絶賛されておりましてね・・・アレッ。 エ〜ッと・・・そうそう、国民の評価でしたよね。 賃上げにつきましては、空前の利益を上げているあのトヨタでさえ、1500円/月ということで・・・。(少な!!) あれだけ経団連にプッシュしておりましたので、もっと伸びると考えておりましたが。組合からの要求が控えめでございますので、先のような結果となりました。 もっと組合が頑張って、と言いたい所です。(俺っていったい何を言ってんだろ・・・。) と言うことで、来年度は企業の利益や内部留保を加味して尚且つ、物価上昇も踏まえて、まずは要求しないと・・・!?(あれ・・・まずい!怒られそう!) 大企業の利益を従業員へトリクルダウン(したたり落ちる)させるように、要求しているのですが、わたくしどもへの献金に回って従業員の方へは回らないようで・・・。(話を切らないと・・・!)
お時間がありませんので、第二の矢の国民からの評価に移りたいと思います。(冷静に、冷静に!) 大型公共事業予算計上や企業減税を実行することによって、国民の皆様におかれましては、消費税のアップや社会保障のダウンなどのご協力を戴きながら、生活レベルがダウンするだけでなく、将来の借金負担拡大をお願いしながら・・・!?(国民にとってのメリットが出てこない。どうしよう!) お国のために頑張って下さい!(これって、俺の願望を語っちゃった!)
最後に第三の矢の国民からの評価ですが。 成長戦略の要である労働基準法という岩盤を破壊することによって、非正規労働者の皆さんは生涯非正規状態から脱することが困難になると共に、正規労働者の皆さんは長時間労働から解放されなくなっている・・・! アレッ!!(やりやすくなってきているのは、結局、大企業が労働者を使い勝手しやすくしただけかな?) この点におきましては、まだまだ途上ということで、正規労働者に対する労働基準法改悪、いや改正までお待ち下さい。
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マルクスさん |
語るに落ちるとは、このことじゃ。 今、あんたが自ら語った言葉が、国民の実態であり国民が実感している評価じゃ。 旧三本の矢については、ここまでとして、昨年末から掲げた新三本の矢とやらについて教えてくれんかな? |
アベちゃん |
そうこなくっちゃ! 私は、挑戦に生きがいを感じておりますので、次なる新三本の矢を放ってアベノミクスの第2ステージへ、新たに挑戦していこうと考えているしだいであります。 そのキーワードとして掲げさせて戴いたのが、「1億総活躍社会」でございます。 まず新第一の矢「希望を生み出す強い経済」について説明させて戴きます。 目標としては、現在500兆円を切っているGDP(国内総生産)を、600兆円に押し上げてデフレ脱却を確実なものにしてまいります。(そのためにも、政府としては国債をどんどん発行して、日銀にもどんどんお金を発行してもらって、強制的にインフレにすれば、目標の数値など簡単サ!オット危ない、誰かに聴かれていなかったかな・・・。) 次に新第二の矢「夢をつむぐ子育て支援」の説明に移ります。 目標としては、希望出生率(出産を望む女性のみ対象)を1.8まで引き上げてまいります。(産めよ増やせよと、岸信介おじいさんたちが戦前に言っていたな・・・。) 最後に新第三の矢「安心につながる社会保障」について説明させて戴きます。 目標としては、働いておられる国民の皆様がご家族の介護のために離職されるということが無いように、介護離職者がゼロになるようにしてまいります。(国民の皆には、生涯現役で働き続けてもらうだけさ。年金を払わなくてすむしね。我ながら一挙両得の妙案だな!オット危ない、壁に耳あり、障子に目ありだな・・・。) |
マルクスさん |
異議あり!! アベちゃんの魂胆は、すでに国民は見抜いておるぞ! 大企業は空前の利益をあげ、国民の実質所得はどんどん目減りしておる。 GDP600兆円という目くらましを国民に投げつけて、バラ色の未来が国民の前に開けているように見せかけても、やろうとしていることは超インフレを誘導して無理やりGDPを600兆円にしようとしているだけじゃ。こんなことをしたら賃金の上がらない苦しい国民の現状に、超物価高という苦難を更に押し付けることになって、国民の生活が成り立たなくなって日本経済の底が抜けてしまう。 デフレ脱却と声高に叫んでも、消費税を5→8%にアップしただけで国民が買い控えをしているのに、超物価高を誘導したら今以上に国民は財布の紐を締めるだけじゃ。 ここへきて日銀の黒田総裁が、発狂したと言われても不思議ではない「マイナス金利政策(預金を預け入れするとお金を取られる)」という前代未聞の政策をぶち上げたが、すでに旧三本の矢は、折れて使い物にならないから、「1億総活躍社会」という新三本の矢を用意しも、デフレ脱却という的に向かって放つ矢に成り得えたかと言えば、予算の裏付けも何もなしに、ひたすら国民を犠牲にするばかりじゃ。こういうのを「的外れ」と言うんじゃ。 結局旧三本の矢と同じで、新三本の矢の的も、やはり国民ということじゃ。 どうなんじゃ! |
アベちゃん |
マルクスさん、まあまあ、落ち着いて下さいよね。 「マイナス金利政策」というのは、秘策中の秘策ですので、自信をもって絶対にデフレ脱却は出来ますと言い切れます。 この秘策によって大企業は潤い、そのおこぼれ・・・いや、利益の分配が国民の皆様に必ずや還元されると確信しております。 |
マルクスさん |
トリクルダウン(したたり落ちる)に期待するという、旧態依然とした考え方から脱却できないということじゃ。 ただ、ここで絶対に見過ごすことが出来ないのは、「マイナス金利政策」というのは資本主義経済を破壊するということじゃ。 |
アベちゃん |
エ〜ッ!何で! 黒田くんから聴いてないよ。 |
マルクスさん |
岸信介おじいさんから聴いておらんかな。 戦前、戦時国債を政府がどんどん発行し、日銀がどんどんお金を刷って市場にばらまいたため、戦後、国民は大量に抱えたお金を紙くずにしてしまうと共に、超インフレに悩まされたという苦い経験をしたのじゃ。 おじいさんから聴いておらんのか。 |
アベちゃん |
記憶にございません。 ということはですよ。 戦前と現在の経済状況が、似ているということですよね。 ・・・国債発行→お金のばらまき→インフレ!つまりデフレからの脱却ですよね。 |
マルクスさん |
結局は、何にも歴史から学んでおらん。 資本主義経済は、等価交換(同じ価値の商品どうしを交換する)のなかから拡大再生産されてきて、ここまで巨大な世界市場経済を創ってきた。 しかし、アベちゃんのみならず、現在の世界の政治家や資本家に資本主義経済の舵取りをさせたら、資本主義経済が崩壊してしまうぞ。 資本主義経済が崩壊すると、力対力という昔の封建時代の経済に逆戻りじゃ。 ワシが生涯をかけて研究した結論は、正常な資本主義経済の発展した先に、未来ある新しい経済システムが創られる。
このことを、国民と共に考える時代が来たように実感しておる。 そのことに気付かせてくれて、アベちゃん、ありがとう! |
アベちゃん |
どういたしまして! |