マルちゃん	まず、「成長戦略」という言葉に騙されちゃいかん。 庶民の「成長」のために、「戦略」を持って取り組んでくれていると思わされてはおらんかな？ 「成長戦略」の中身をアベちゃんに聞いてみるとするか。
	アベちゃん	第１の矢と第２の矢は、第３の矢の環境整備に過ぎません。 アベノミクスの本丸は、第３の矢です。 日本経済をデフレから脱却させて、日本企業を国際競争に勝てる体質に変革する。そのために、「成長戦略」が必要なのです。 昨年、臨時国会で「産業競争力強化法」と「国家戦略特区法」を成立させて頂きました。
	マルちゃん	何か、ＮＨＫニュースを聞いているようじゃな。 その、「産業競争力強化法」と「国家戦略特区法」とやらを、もう少し詳しく聞かせてもらえんかな。
	アベちゃん	承知しました。 「産業競争力強化法」は、日本経済の過少投資・過剰規制・過当競争という３つのゆがみを是正し、企業の体質をグローバル競争に勝ち抜く筋肉質へ変える新陳代謝促進法でございます。 「国家戦略特区法」は、指定する特定の地域内で規制緩和と企業優遇税制を行い、企業にとって成長の起爆剤となる世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出するのが目的でございます。
	マルちゃん	今度は、国会答弁を聞いているみたいじゃな。 つまり、こういうことじゃな。 「産業競争力強化法」は、企業でも中小企業ではなく、大企業が新規事業に参入しやすいように規制を緩和させるだけではなく、リストラ支援を強化すると共に、税制まで優遇してやろうというものじゃ。 「国家戦略特区法」は、規制を所管する役人を排除して国のトップの人間の恣意的な判断で、何でも規制緩和や税制優遇ができるようにすることじゃ。それだけじゃなく、あたかも特定の地域に限定させているように見せかけて、実は全国どこにでも「特区」を指定することができるというからくりも備えているのじゃ。 気が付いたら、全国に治外法権の「特区」だらけじゃ。
	アベちゃん	ばれたらしょうがねえ！？ 庶民にこのからくりは、わかりゃしねえよ。この「成長戦略」は、長い年月をかけて経済同友会や経団連と練りに練った秘策だ。 この秘策は、これからが始まりさ。やり残したことがあるからな。それは・・・？ 解雇の自由！！
	マルちゃん	異議あり！！ 問わず語らずで、とうとう本音を自ら暴露したな。よーく考えることじゃな。 資本主義は、資本家と労働者が共存して成り立っている生産様式じゃ。資本家は、資本を使って労働者を雇い、原材料・生産設備を調達し、その労働者を使って価値を生み出すのじゃ。その価値は、商品やサービスという形に変えて売られ、最終的に利益として資本家に戻ってくるのじゃ。 お金は、人間に例えれば血液じゃ。血液がどこで停滞しても、その箇所では必ず障害を起こすし、増してや、血液が届かないとその箇所の細胞は壊死していくのじゃ。人間の身体のどの箇所が壊死しても人間の命は維持できなくなるのじゃ。 こともあろうに、価値を生み出す労働者の解雇を自由にやらせろとは、何たる能天気なのじゃ。 商品やサービスを買うのは、大多数が労働者だということを忘れんことじゃ。今までもあんたの先輩たちが、大多数の労働者の消費制限に遭って首相の座を追われている姿を、まさか忘れてはいまい。
	アベちゃん	僕は大丈夫！ ＮＨＫを筆頭に、大マスコミ連中は懐柔しているもんね！
	マルちゃん	心あるマスコミの人たちは、すでに気づいて反対の声をあげているのじゃ。それと庶民は、昨年１年間に「たたかってこそ明日がある」ことを学んだのじゃ。 原発再稼働反対！消費税増税反対！TPP反対！秘密保護法反対！靖国神社参拝反対！米軍基地辺野古移転反対！という声が官邸に届いているじゃろ。 あんたの頼りにしている内閣支持率も急落しているようだし、アメリカからも靖国参拝問題では批判されているじゃろ。
	アベちゃん	だ、だ、大丈夫さ。靖国神社参拝以外は、アメリカや財界の言いなりにしているもーん・・・。

マルちゃんへの、共感・異論・反論・逆異議ありｅｔｃ．待ってまーす！？

(14.01.25)