マルちゃんの"異議あり"トーク

−第8話:アベノミクス農協「改革」の巻−

 安倍内閣は今国会で、農協「改革」の「改革断行」を目玉として、TPP(環太平洋連携協定)締結、残業ゼロ法画策、原発再開、辺野古新基地工事強行、福祉切り捨て、大企業・金持ち優遇、消費税10%増税強行への布石、憲法九条改悪への布石などなど、ありとあらゆる悪法を通過させようとしています。

2014年1月の世界経済フォーラムのダボス会議で安倍首相は、「いろんな規制や既得権という『岩盤』も私の『ドリル』から、無傷ではいられない」と国際公約をしていました。

昨年の衆議院後、安倍首相は「アベノミクスは信任を得ました。国民から背中を押していただきました。」と語り、今国会での大暴走宣言を予告していました。

安倍首相は、2015年2月12日の衆参両院で施政方針演説を行い「戦後以来の大改革」の掛け声のもとに、大暴走宣言をしました。

そんな時、またまた登場。マルちゃんの"異議あり"。
安倍内閣が進めようとしている農協「改革」の狙いを、マルちゃんとアベちゃんのトークから見てみましょう!

マルちゃん

施政方針演説をテレビで見とったんじゃが、気持ち良さそうじゃったな。
あんたら自民党票を支えてくれた岩盤、いや、基盤とされていた農協を、「戦後以来の大改革」の掛け声で手始めの「改革」をやろうとしておる。チョコット、その辺りを教えてくれんかな。

アベちゃん

その問い掛け、待ってました。
わたくしども自公政権は、昨年の衆議院選挙で国民の皆様から背中を押され、アベノミクスをより発展させるべく、いろんな改革を突き進むようにご信任を得ました。
そのご期待に沿うべく、今国会で「戦後以来の大改革」の開始を宣言させていただいた所でございます。
その手始めに、農協改革について議論を始めさせていただいている所であります。

マルちゃん

あんたの意気込みは、よーくわかったんじゃが・・・。チョット待った!
国民は、白紙委任をしておらんぞ
その証拠に、あんたんとこの自民党は議席数を減らしとる。
公明党が維新の党との「大阪都構想住民投票実施」を裏取引として、大阪で何とか自民党議席減の補填をしたんじゃなかったのかな。
それで、何とか自公政権の面目を保ったというのが実態じゃないのかな。

アベちゃん

シーッ・・・。誰かに聴かれたらまずいですよ!?
もう、そんな古い話は忘れて、前向きの農協「改革」に話を戻しましょう。

マルちゃん

相変わらず、自分勝手なお方じゃな。
それじゃ、具体的な農協「改革」とやらを聴かせてもうらおうかな。

アベちゃん

かしこまりました。
わたくしは、以前から「全国農業協同組合中央会は、単位農協の自由な活動を阻んでいる」・「脇役に徹すべき」と述べてまいりました。
そのことを勘案致しますと、単位農協に対する全国農業協同組合中央会の監査権限を取り上げ、公認会計士に委ねることが大切だと考えております。
当然、公認会計士には、業務が協同組合として適切かどうかの権限はございませんので、農協法上のいろんな問題点も出てまいります。そこで、手始めに農協法の改革法案の改正案を今国会に提出させていただこうと考えております。
ついでに、その改正案に、農協の権限から信用・共済事業を分離し、農林中央金庫に移管したいと考えております。
またまた、ついでに、全国農業協同組合連合会の、株式会社化を促進して自由な農産物販売・資材購入・流通が可能なようにしたいと考えております。

マルちゃん

よくもまあ、こんな悪巧みを考えたもんじゃ。
あんたが今言ったことは、全て以前から大企業や、TPPを推進するアメリカが言ってきたことじゃないのかな。
そもそも、95%の農協組合長は、「全国農業協同組合中央会が単協の自由を奪っている」とは「思わない」と農業新聞アンケート(2015年1月29日付)で答えておる。
「監査権限を取り上げて、公認会計士に委ねる」ということは、全国農業協同組合中央会の弱体化は避けられん。それによって、農協の事業・運動の全国的な連携が困難になることを意味しておる。
「農協の権限から信用・共済事業を分離し、農林中央金庫に移管」することは、農村の金融市場を狙う銀行・保険業界や、TPP交渉でアメリカが執拗に要求していることじゃ。
あんたらは、自民党票を支えてくれた農民の人たちの生活を支えている岩盤を破壊して、大企業やアメリカへ売り渡すつもりか!
つまり、この農協「改革」の狙いは、日本国民の食生活の岩盤を破壊して、大企業やアメリカへ売り渡すことじゃ。

アベちゃん

ばれたらしょうがねえ・・・。(冷静に、冷静にと自分に言い聞かせた後)
企業のビジネスチャンスを拡大すれば企業は潤い、その潤いが農民の方や安い農産物という姿で国民の方々にも、豊かさをもたらすものと確信しております。
そのためにも、マルちゃんの言葉に惑わされることなく、国民の皆様方は、わたくしを信じて、まずは、農協「改革」を勇気を持って進めましょう!!

マルちゃん

何というまとめかたじゃ。
大企業が儲かればそのおこぼれが頂戴できるというトリクルダウン経済は、サッチャー・レーガンなどから始まった新自由主義経済で、この30年の経済史が証明した破綻経済理論じゃ。そんな経済理論に固執しているのは、あんたやあんたを取り巻いている御用経済学者だけじゃ。
世界の資本主義経済は、破綻したトリクルダウン経済から抜け出すために、次なる経済理論を求めて右往左往しておるのじゃ。

アベちゃん

わたくしの座右の銘は、「温故知新」でございます。
30年前どころか、70年前に戻ってやり直す覚悟でございます。
「戦後以来の大改革」は、戦前に戻すということで・・・。
オット、危ない!もう少しで本音を喋っちゃう所でしたよ。
まあ!どちらにしても、今年のいっせい地方選挙を無難に乗り越えて、来年の参議院選挙で自公政権が国会で2/3以上の議席を獲得すれば、あとは思い通りですからね。

マルちゃん

どこまでも素直な性格じゃ。
靖国派で固めた自民党執行部に対しては、自民党国会議員内部や重鎮と言われる人、そして地方議員からも批判続出じゃ。
戦前回帰の思いを、「戦後以来の大改革」という掛け声で見えなくしようとしても、日本国民や世界の皆が見とる。
あんたの言うとおり、今年のいっせい地方選挙と来年の参議院選挙の動向が、日本の未来を決めることは確かじゃ!!

マルちゃんへの、共感・異論・反論・逆異議ありetc.待ってまーす!?

(15.02.25)