精神障害から職場復帰へ!
川崎重工や関連会社では、利益優先のために生産現場で重大事故が多発していたり、事務・技術現場においては精神障害の労働者が急増しています。
精神障害の場合、職場復帰しても休職前と異なる仕事への戸惑いや、簡単な仕事でさえ十分にできない焦りから、再び病状を悪化させて休職しています。
そこで、「かわさき けんぽニュースNo.556号」と、「しんぶん赤旗日曜版、2007/6/24号」から、精神障害からの職場復帰について、皆さんと考えてみたいと思います。
(傷病手当金の病類別支給日数状況)
(かわさき けんぽニュースNo.556号より)
「傷病手当金の病類別日数の比率」の表から見えてくることは、「精神障害」と「神経系」が毎年増え続けていることと、「精神障害」と「神経系」の全体比率が、2004年度の45%から2006年度では60%へと急上昇していることです。
これは、ここ数年、各事業所とも人手不足という実態の中で、高操業度が続いている川崎重工や関連会社の状態からして、当然の結果だと言えます。
(うつ病からの職場復帰)
しんぶん赤旗日曜版2007/6/24号で、日本関東病院精神神経科の秋山剛部長は、骨折などのリハビリテーションなどを例にして「うつ病も同じです。問題はこれまで職場復帰を援助する有効なリハビリテーション(職場復帰援助プログラム)がなかったことです」と語られています。
結論としては、"職場復帰の成功には段階的な体慣らし"が有効だった!「こうした職場復帰援助プログラムは世界的にもほとんどありません。なかでも予想以上の効果があったのは参加者同士の支え合いでした」と語られています。
そこで、秋山先生が考えられた、どんな状態にまで回復したら失敗することなく職場復帰できるかの目安を、以下に記します。
新職場復帰準備性評価シート 最近半月(15日間)の状態について 1. 通常出勤する場合の起床時刻より、2時間以上遅く起きることは *新職場復帰準備性評価シートをもとに作成。それぞれの項目を4段階にわけて評価し、一定基準に達していたら職場復帰が可能と判断する目安とする。 *4段階の事例として1項の場合、(1)頻繁 (2)ときどき (3)たまに (4)ほとんどない、から評価します。 |
(精神障害は本人・家族・職場の仲間・会社の制度が力を合わせれば、治る病)
まず、本人の心構えも必要ですが、何よりも家族や職場の仲間の支えが大切ですし、先に示したような、「職場復帰援助プログラム」のような制度策定や「職場復帰者同士の支え合い懇談会」の実施などを、会社や組合が主体的となって行うことも必要です。
秋山先生は、先のコラムの中で、こんなことも語られています。
「なかでも重要なのが基本的な生活リズムの改善です」
「まずは本人の早寝早起きを家族が助けてほしい。昼間は起きて、少なくとも午前中は外に出かけて、体のかくせい度を上げることです。欲をいえば3〜4キロのジョギングができるといい」
「職場復帰が可能になったら、その前に何回か職場に顔を出して、同僚たちに元気な様子を見せておくとよいでしょう。自然に職場復帰することができます」
精神障害は、異常な状態から異常になったのではなく、正常な状態から何らかの状況があって異常になったことからして、適切な治療・リハビリテーション・家族や職場の仲間の支援・会社の支援制度化によって、治る病です。
(07.09.23)