映画と講演会・「明りを灯す人」
読者の方から「映画と講演会」という投稿がありましたので紹介します。
5月19日に神戸映画サークル「明りを灯す人」を観て、神戸映画サークル40周年記念「伊藤千尋さん講演会」に参加しました。
いつにも増して、たくさんの方がこられて熱気がありました。
・映画「明りを灯す人」
キルギスの片田舎、天山山脈の麓、聖なるイシク・クル湖のほとりの小さな村。
アンテナの調節や電気の修理から、時には貧しい家が無料で電気を使えるような細工まで行い、誰からも愛される“明り屋さんとよばれる男の日常を自然の雄大さをバックに描き、抒情的な映画でした。
明り屋さんには、風車を設置して村の電気を賄うという夢があります。
そんな小さな村にも都会での政治的混乱の影響が降りかかって来ます。
最終盤に女性蔑視の封建的な国からいきなり男女平等の社会主義へ移行してきた国での主人公の心の動きがとらえられており深く考えさせられました。
そして明り屋さんの作った風車が力強く回り出し、電灯に明りが灯り、力強く自転車を漕ぐ人影で終わるラストシーンは印象的でした。
・伊藤千尋さん講演「あなたも明りを灯せる」
原発から自然エネルギーへ舵をきったヨーロッパの国々を紹介。
原発を1基作ったのに1度も稼働させずに憲法に原発を作らないという条文をいれたオーストリア。
米軍基地を追い出した「カリブの沖縄」エクアドル。
完成して一度も使われなかったフィリピン・パターン原発。
そしてピナトゥボ火山噴火の時、住民が逃げる際に基地の門を開けてくれなかった米軍に対し、「国民を守るために基地がある」が偽りであると見抜き基地を返還させたフィリピン。
世界中で原発が消えている、基地も消えている。
日本だって出来ないことはない。
「一人で世界を変えることはできないが、一人からしか世界は変わらない!」
力強い言葉と抑揚のある喋り方で70分息つく暇もなく語られて時には感動し、時には涙し、時には励まされ素晴らしい時間を共有できました。
*伊藤千尋さんの略歴:
1949年山口県生まれ、東大法学部卒。74年朝日新聞に 入社し長崎支局、東京本社外報部など経てサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセ ロナ支局長(欧州特派員)、ロサンゼルス支局長(米州特派員)を歴任。現在は「be」編集部員。
著書に『活憲の時代』、『一人の声が世界を変えた』他Y.H
(12.05.27)