戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)

 読者の方から「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」という投稿がありましたので紹介します。


 12月11日(日)神戸市役所センター合唱団主催の映画「戦場ぬ止め(いくさばぬとぅどぅみ)」&監督三上智恵さん講演会に参加しました。
 映画は、沖縄辺野古基地移設反対運動に関わる85才のおばあを中心とした多くの現地の人達の心の葛藤に迫るドキュメンタリー映画です。
 今、辺野古の海を埋め立てて最新のアメリカ軍基地が作られようとしています。巨大な軍港を備え、オスプレイ100機が配備されるそれは、もはや普天間基地の代替え施設ではありません。
 基地を作る工事業者の前に立ちはだかるのは、沖縄戦を生き延びた85才のおばあ彼女にとって沖縄はずっといくさの島、それを過去の映像とおばあが沖縄戦でにげまどった地の現在をたどる映像で歴史の根が深いことを訴えています。
 そのおばあが憲法9条の不戦の誓いを込めて平和の思いを語る場面に感動しました。
 辺野古に生きる人々海人が既設の基地とのはざまで生きていくためにやむなく体制側について、泣いてカメラを回さないでくれという姿をみせられ、反対運動の難しさを改めて感じさせられました。
 そんな複雑な中でも祭りでのエイサーの踊りではみんなで楽しむ風景があり、文化の大事さを痛感しました。

 三上智恵さんの講演も気持ちがこもっていて大変良かったです。
 20年を超えた沖縄の基地反対運動について身近で取材している立場として、基地容認派も決して好き好んで容認しているのではない、やむなくそういう立場に立たざるを得ない状況に追い詰められている。
 表面上の立場は違うけれど気持ちは決してかけ離れていないことを強調していました。
 今年に起きた元海兵隊による女性暴行・殺人・遺棄事件の県民集会は経験したことのない悲しい集会だったと涙ながらに語られた三上さんの思いにこちらも目頭が熱くなりました。
 次回作は、「標的の島」東村高江・辺野古に加え、既に自衛隊駐留が決定した与那国島、今後予定されている宮古島・石垣島を取材した作品で来年3月に公開予定です。

(Y.H記)


(16.12.11)