映画「野火」を観て

 読者の方から「映画「野火」を観て」という投稿がありましたので紹介します。


 神戸映画サークル8月例会 大岡昇平原作塚本晋也監督・主演「野火」を観ました。
 原作者大岡昇平は、昭和14年に神戸で結婚し、昭和18年にはそれまで勤めていた帝国酸素を退社し、川崎重工業に入社しています。その後召集され南方に送られ、捕虜となり収容所生活を経験、帰還後本題の「野火」、「レイテ戦記」等を執筆しています。

 映画は第二次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島で島を彷徨う兵士の目を通じて、いかに悲惨か、いかに愚かなものであるかをレイテ島のジャングルの豊かな大自然の美しさと対比して飢えに苦しむ兵士の壮絶さが描かれており、考えさせられました。
 レイテ島の海、ジャングルの映像は素晴らしく、又美しかったです。
 一方、彷徨う兵士達が米軍の機関掃射で撃たれるシーンは、ちぎれた手足が飛び交い、引き裂かれた肉体が飛び交うシーンは大変怖く、凄惨でした。
 (塚本監督が映画を撮り終えた後に、この壮絶なシーンを改めて取り直したそうです。)

 この猛暑の8月に、改めて平和の有り難さを感じました。

(神戸映画人)


(16.08.28)