川崎重工・中国出向エンジニア過労死事件
遺族の方が損害賠償提訴へ
4月28日の神戸新聞朝刊に『川重社員自殺 賠償提訴へ』の記事が掲載されました。
記事では、2013年4月に、中国の現地企業との合弁会社に出向し、現地に単身赴任した男性社員(当時35歳)が、7月に赴任先で「自殺したのは、川重側が海外でのストレスや過重な業務を放置して安全配慮義務を怠ったためとして、神戸市内に住む男性の妻と2人の娘が、同社に約1億円の損害賠償を求める訴訟を近く神戸地裁に起こすことが分かった」(神戸新聞からの引用)としています。
遺族(妻)の方は、「夫は海外で一人『ほったらかし』にされて、会社の犠牲になった。二度と起きないように会社は非を認めて欲しい」(同引用)と訴えています。
日本共産党川崎重工委員会は、この事件について、職場新聞「はぐるま」2016年秋季号で取り上げ、「会社には赴任者の命・健康を守る義務があり、国内以上に、メンタル面も含めた万全の対策を講じるべき」であり、会社は「『安全配慮義務に違背』していないと遺族に通知し、謝罪もしていません。これでは、とても尊い命をあずかる会社の態度とは言えません」と批判しました。
川重は、グローバル企業として海外に多くの関連企業を擁しています。そこでは、単身赴任した社員の方が、厳しい労働環境のもとで働いています。同じような痛ましい事件を起こさないためにも、本件に対して安全配慮義務を怠ったことを認め、すべての海外赴任者の実情とメンタル面などをよく把握し、万全の再発防止策を講じるべきです。
(22.04.28)