パワハラを許さない、明るく元気な職場を!
1.パワハラとは
パワーハラスメント(Power
Harassment)の略称で、職制や雇用関係などの優位的な立場を利用して、立場の弱い人に対して威圧的な言動や嫌がらせなどを繰り返しおこない相手を傷つけることを言います。パワハラを受けた人が自尊心を傷つけられたとか、人格を否定されたとかの心の痛みを感じた場合、パワハラの条件を満たしています。しかし自己責任論、成果主義などが大手を振っている偏った風土の職場ではパワハラが当たり前のように見過ごされることもあります。その結果、心に深い傷を負い、回復するまでに長期の治療を要する場合があります。
2.パワハラのパターン
優位的な立場を利用したこんな光景を見たり、聞いたりしたことはありませんか。
【威嚇】大声で怒鳴りつける。机を叩きつけるなど威嚇的な言動。
【無視】無視する。冷たい態度をとる。意図的に仲間はずれにする。
【強要】過度の仕事を押し付ける。残業や休日出勤などを強要する。
【執拗】ミスを執拗に追及する。プライバシーについて執拗に追求してくる。
【侵害】業務的な指導にかこつけて人格や自尊心を侵害するような言動。
このような当人にとっては嫌な思いをする行為が繰り返し行われる場合、パワハラの疑いありと思われます。
3.パワハラによる影響
パワハラを長期間放置すると次のような影響が出てくる場合があります。
【不信】職場に行くのが嫌になる。会社に行く気力も出なくなる。人間不信に陥る。
【不安】不安な気持ちになる。気持ちが落ち着かなくなる。不安定な状態になる。
【不調】食欲が落ちる。夜眠れない。夜中に目が覚める。
【混乱】仕事が手につかない。仕事のやり方がわからなくなる。以前のように仕事が出来ない。
このような状態が続くと会社の中だけの問題ではすまなくなり地域や家庭内も含めた生活全般において辛い生活を強いられることになります。パワハラで受けたストレスは本人が望まない様々な問題を引き起こす場合があります。
近年、企業がセクハラと同様にパワハラが起きない健全な職場への取り組みを強めているのは企業の社会的責任が重視されているからです。川重においてもハラスメントの問題を重視し社内セミナーを開催するなどの取り組みを行っているようです。
4.パワハラが起こる背景
新自由主義(自己責任、成果主義、弱肉強食などの言葉に象徴される)がもてはやされ能力主義に偏った人事制度、処遇などから管理者やリーダーなどが過大な目標を背負わされ極端なストレスを受けるケースが増えています。一方、労働者派遣法の改悪により雇用関係においても単価の切り下げ、雇用期間の細切れ化など人間性を否定しないと成り立たない事態が進行しています。こうした労働環境の変化のなかでお互いが望んではいない人間関係のこじれに発展してしまうこともあります。川重の中でも一方的な納期の短縮、いやおう無しの小集団活動への強制参加、能力をはるかに超えた仕事の押し付けなど労働者を逃げ場の無いところに追い込んで有無を言わせず、とことん働かせようとするケースが見受けられます。こうした職場環境の中でノルマ達成の焦りなどから上下関係が殺伐としたものになりやすく職場全体の雰囲気も暗く陰湿なものになりパワハラが起きやすい状態が作り出されるのです。
5.パワハラは許さない
パワハラは見逃さない、放置しないことが大切です。パワハラが当たり前の職場になると異常さが見えなくなり職場の多くの仲間が苦しむことになります。早めにパワハラを止めて正常な職場に戻すことが大切です。パワハラをしている優位的立場のひとも、さらに優位的な立場の人から受ける高いノルマや様々なストレスから麻痺し、本人が気づかないでパワハラを撒き散らしているケースもあります。いやな思いを受けていることを伝え、改善を申し入れることで相手が気づき改善されることも有るのです。
傷ついたと感じた人は友達に相談しましょう。辛いことは遠慮していては駄目です。
職場でパワハラを見かけたら、相談にのってあげてください。見て見ぬ振りをしないで勇気を持って声を掛けてあげてください。パワハラを許さない取り組みに一歩踏み出し健康で明るく元気な職場を守って行きましょう。対応に困ったら会社が準備してくれているコンプライアンス相談窓口や労働組合、信頼できる上司や仲間に相談しましょう。もちろん日本共産党にも遠慮なく相談してください。
(09.12.26)