「老乱」を読んで
読者の方から「老乱」を読んでという投稿がありましたので紹介します。
久坂部羊著「老乱」(朝日新聞出版)を読みました。
認知症患者の心の内側をのぞくフィクションです。
著者が医師でもあることから、介護に立つ側、介護される側の両面から描かれてリアル感満喫の展開と次の展開に引き込まれる筆致に思わずのめりこみ、一気に完読してしまいました。
義父を介護する嫁と介護される義父の心情が交互に描かれ、お互いの思いが上下に揺れ動く様が精緻に描写されて最後は、安らかに看取られていくところで、それまでのお互いの葛藤が癒されて思わず涙するエンディングでした。
現実はもっと大変だと思いますが、介護に直面している世代にとっては考えさせられる作品ですので是非読んで頂きたいと思います。
(Y.H記)
(18.03.19)