賃金体系に不満が60%以上
TAR-GET(定昇廃止、成果主義強化等の賃金制度改定)に関するアンケート結果について
川重労組は2007年2月から3月にかけてTAR-GETに関するアンケート調査(回答率72%、約6500名)を実施し、その結果を労組ニュース第1557号に掲載しました。
以下にアンケート結果の内の一部を紹介します。
アンケートは五つの項目に対象者を分類して実施されました。(カッコ内は筆者注)
I .基礎データ編
(全員に対する質問)
II .60歳未満のG・S系列の方への質問編
(現場の労働者・女性の労働者のほとんどが対象)
III.60歳以降(エルダー階層)のG・S系列の方への質問編
(定年延長により60歳以降に賃金が約60%に減額された現場の労働者・女性の労働者のほとんどが対象)
IV.60歳未満のR系列の方への質問編
(事務・技術職の労働者が対象)
V
.60歳以降(エルダー階層)のR系列の方への質問編
(定年延長により60歳以降に賃金が約60%に減額された事務・技術職の労働者が対象)
最初に、I.II.及びIV.項の下記の5個の質問についての回答であるグラフ1を見てみます。
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賃金に不満71%! 賃金体系に不満60%以上!
Q12の1月給与における「支給総額」つまり現在の賃金に不満(おおいに不満、やや不満の合計)を持つ人は71%もいます。
Q18、38の現在の賃金体系についても、不満とする人は60%以上となっています。
Q27、44の成果主義の賃金体系として重視される、習熟加算・昇進結果についても、不満とする人は50%以上となっています。
次に、TAR-GET実施後の感想について下記の2個の質問についての回答であるグラフ2を見てみます。
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TAR-GETが良かったは20%以下、約40%が良くない!
TAR-GETは良くなかった(実施すべきでなかった、あまり評価できないの合計)が約40%、良かった(まあまあ良かった、良かったの合計)はG・S系列では14%、R系列では20%との少数です。
次に、エルダー階層の労働者に対する下記の4個の質問についての回答であるグラフ3を見てみます。
川重では定年が63歳まで延長されましたが、60歳以降はエルダー階層の労働者として、賃金が約60%に減額されます。
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エルダーの賃金水準に何と92%(R系列)が不満
Q55のR系列でエルダー階層の賃金水準に不満を持つ人は、92%にも達しています。Q32のG・S系列でも77%とほとんどの労働者が不満を持っています。
Q36、59の定年延長制度を不満とする人は約40%です。その不満内容についての回答では、「賃金、退職金について改善」が、R系列では79%、G・S系列でも68%と非常に大きな要求となっています。これは仕事の内容も変わらないのに、60歳を過ぎたら、賃金だけ約60%に引き下げることに対する労働者の怒りが現れていると言えます。
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以上、アンケート結果から、TAR-GETによる賃金体系の変更は、非常に多くの労働者に不満を持たれているということが明らかになりました。
特に、エルダー階層の賃金水準については、不満という表現より、「怒り」と表現すべき回答結果です。
川重労組はこのアンケート結果を生かし、労働者の要求に従って、賃金体系の見直しを会社に要求すべきです。
先に会社が発表したミッションステートメントでは「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する」とありましたが、「世界の人々の豊かな生活に貢献する」前に私達カワサキの労働者の豊かな生活を求めます。
(07.08.25)