「川崎重工・中国出向エンジニア過労死事件」
10月12日 神戸地裁・第1回口頭弁論および報告集会に参加して


読者の方から投稿がありましたので紹介します。

あまりにも異常な川重の対応

第1回口頭弁論の傍聴席を埋め尽くそうと、100名以上の参加を目指して呼びかけていましたが、平日でもあり不安の中、108名の方が駆けつけて下さいました。傍聴席は報道陣の席を除くと91席しかなく、17名の方が抽選漏れとなりました。

口頭弁論終了後の報告集会には、傍聴できなかった方を含めて100名近い方が参加され、弁護団報告、原告の訴えなどを真剣に聞かれていました。

口頭弁論には、会社側からは代理人弁護士1名、会社関係者2名(若い30代で主事?)のみ出席だったと弁護団から報告があり、この裁判を川重は重視していない、過労死にたいする重大さをまったく認識していない、と川重の対応の非常識さについて憤りを隠せないと報告されました。この報告を聞いていて元従業員として川重の異常な対応に情けなくなりました。

日本を代表する大企業の川重に、裁判を通して人権尊重をしっかりと認識させるためにも多くの支援の輪で裁判を勝利することが大事だと痛感するとともに、ご遺族を支え、支える会の皆さんと最後までたたかう覚悟を決めた報告集会になりました。

(M.I 記)


口頭弁論を傍聴して


他人事ではない過労死への関心の高さ、ご遺族に寄り添い支えていこうと100人ほどの傍聴人が集まっていました。私の隣には息子さんを同じように過労死で亡くし裁判を闘っていると言う高齢のお父様が座っていました。

会社が利益を優先させ人の命を奪った。こんなことが許されてはいけないという思いを強くしました。

(秋子 記)


裁判の勝利まで頑張りましょう


12日11時からの第1回口頭弁論が開かれました。大法廷の傍聴席は満席で、傍聴できない人も出ました。「カロウシ」が世界共通語になっている労働者の現実に対して「本当に許せない」という思いが、傍聴席を埋め尽くしたと思います。

原告のご遺族は、夫との出会い、かわいい子供の誕生、将来の家庭生活などの幸せな思い、そして突然の中国への出向の話しや、出向してからの、子煩悩のやさしい夫が、子供の話にもこたえなくなった夫の異変などの寂しさ不安な思い。亡くなったと聞いた時はショックで受入れらなかったと、夫との出会いから振り返って陳述されました。

そして会社に対しては、中国語も話せない夫をひとりで中国に行かせ、夫のSOSを無視しサポートもせず、夫を自死に追いやたこと、国が労災と認定したのに、川重は認めず、謝罪もせず、家族の幸せな生活を奪ったことへの川重への憤りを訴えられました。

突然の夫の死という受け入れがたい思いをのりこえて、夫の尊厳を守りたい「泣き寝入りはしたくありません」との訴えにこたえ、ご遺族をしっかり支え日本の労働者の人権を認めさせるたたかいでもある、この裁判の勝利まで頑張りたいと思っています。

(N.H 記)


従業員の命より会社のメンツが大事なのか!


第1回口頭弁論が行われた夜のニュースの中で、川重が「男性が転落したのは直前に酒や薬を大量に飲んでいたことなどが原因として争う姿勢示す」と報道された。川重ファンとして何ともやり切れない気持ちだ。

会社として、海外赴任をさせる上で、家族の状況や本人の意向、健康状態をどれだけ考慮したというのだろうか。また、赴任させた後、赴任先の労働環境・生活環境の実情把握やメンタル面の相談・フォローアップ等を一度足りとも実施したというのだろうか。

企業としての安全配慮義務や市民道徳として当然なことを怠って、「酒や薬を大量に飲んでいた」などと、亡くなった大事な従業員に投げつける言葉ではないと思う。仮にそうだったとしても、そういう状況に追い込んだのは誰かと言いたい。

尊い従業員の命より、“川重は過労死など起こしてない”という会社のメンツの方を大事にしているのではないだろうか。

(K.T 記)


(22.10.13)