働く人々の尊厳と能力が輝く職場に

  Contents 
こんな働き方でいいのでしょうか
働くってどういうこと
大企業のコンプライアンスの状況は
企業ってどういうもの
企業の社会的責任とは 世界の大きな流れに
労働組合の社会的責任とは
いまの働き方・企業のあり方では未来が危ういそこから抜け出すためには 
働く人々の尊厳が大切にされ、能力が十分に発揮できる職場をめざして

日本共産党川崎重工委員会

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こんな働き方でいいのでしょうか


私たちは、生活の元手を得るために、そして、今日より明日を豊かにするために働いています。
しかし、現実の職場は、劣悪な労働環境になっています。

          
          

川崎重工の『Kawasaki Report2017』には、。。。
「『人間尊重』ならびに『健康第一』を旨とし、人財が誇りを持って安全に安心して活き活きと働き続けられる環境を整備し、事業戦略の実現と地球環境の未来に貢献できる人財の育成に注力していきます。」



働くってどういうこと


人間生活全体の第1の基本条件であり、もっとも人間らしく社会的な行為です。

 労働の役割
人間がより豊かに生きるための生活の元手や有用な財などをつくる
人間を互いに結びつけ、社会をつくり、社会に参加する 
主体的で計画的で創造的な自己表現であり、人間の能力を発達させる 


誰もが
人間として尊厳を持って働く権利が保障されています。

憲法13条
すべて国民は、個人として尊重される。
憲法27条
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ 。 
  労働基準法 第1条
労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない 。
 



大企業のコンプライアンスの状況は



企業は、日々、市場から資金や労働力、原材料などを調達し、市場のニーズに応えた製品・サービスを供給しています。

“企業の目的は利潤の追求だ! ” とも言われますが、コンプライアンス(法令遵守)は守るべきです。
しかし、大企業の現状は、コンプライアンス経営のあり方が大きく問われています。



川崎重工の『ミッションステートメント』には、。。。
「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する」(グループミッション)
「社会的責任を認識し、地球・社会・地域・人々と共生する」(グループ経営原則)
「社会と人々から信頼される企業人となる」(グループ行動指針)



企業ってどういうもの


労働の役割を組織的・社会的に実現し、良い製品・サービスを 供給する経済活動を通じて社会進歩に貢献するものです。

 労働の役割
個々の労働と生産手段を集約し、人間社会が維持・発展するのに必要な生産の一翼を継続的に担う
労働者・株主だけでなく、取引先や消費者、地域や行政など多くの人たちと支え合う社会的・公共的な存在 
多くの人たちとの協働と培われた技術・設備によって人間の能力を最大限発揮できる場 

広大な裾野産業と地域が
長年かけてつくりだした
「ものづくりの生態系」



企業は、社会的・公共的な存在ですから、得た利益も公正な分配が求められます。

★企業が生産活動によって得られた適正な利益は、株主への配当だけでなく、従業員・非正規社員や協力会社、銀行への利子、国・地方公共団体への税金なども含め、すべての利害関係者に公正に分配することが求められます。

★この分配が偏ったり出し惜しみになると、雇用者報酬や税収などを減少させ、地域や日本経済を衰退させる深刻な問題に陥ります。



企業の社会的責任とは
世界の大きな流れに 

「企業は社会の一員」であり、良い製品・サービスを供給するだけでなく、社会の持続的発展のために法令 遵守はもとより、とくに大企業は、以下のことに対する責任が求められます。
人権の尊重と生命・安全の確保
人間の尊厳を保てる雇用と労働条件の確保
労働組合結成の自由と団体交渉の権利の承認 
中小企業の経営安定、地域経済と消費者の保護
環境に優しい技術の開発と普及
海外で良き協力者となる 

ILO(国際労働機関)1919年設立、国連の専門機関 
経済発展は、人間生活と尊厳を改善することを主眼とすべきであり、労働条件を国際競争力の手段としないという考えのもとに、条約や勧告などで国際的な最低の労働基準を定めています。批准国は条約を国内法に活かすという国際的義務を負う。

ILOは、
ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を活動の主目標に位置づけています。

日本の批准条約数は49(189条約の内約4分の1。2014年現在)。18本の労働時間・休暇関係の条約を1本も批准していないのは先進国の中で、アメリカと日本だけ。その中には、第1号:労働時間を1日8時間かつ1週48時間に制限、第14号:7日ごとに少なくとも連続24時間の休息時間とする、などがあります。 

国連グローバル・コンパクト
持続可能な成長の実現をめざし、各企業に、人権、労働基準、環境、腐敗防止に関して、国際的に認められた規範(10原則)を支持し、実践するよう要請しています。加入企業は、約160ヵ国の約8,300社(2015年7月時点)へと広がっています。
(日本は257企業・団体が加入、2017年11月時点)

川崎重工の『コンプライアンスガイドブック』にも
「企業も人も、社会の一員として存在していくため、最低限のルールを守らなければならないのは言うまでもありません・・・法令遵守はもちろんのこと、常日頃から、その一歩先である『私達は社会から何を期待されているのか』を考えて行動し、日々それに応えていく・・・」



労働組合の社会的責任とは


労働組合は労働者の自主的組織
労働者が主体となって、政党の支持や思想・信条の違いを超えて、賃金や労働時間等の労働条件を向上させることを目的とした自主的な組織です。
上の基本性格を守り
抜くために大切なこと


  @要求での団結
A資本からの独立
B政党からの独立 

憲法28条
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
  労働基準法 第1条2項
この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。 
「労働関係の当事者」には、
労働組合も入ります


労働組合も社会的責任を持っています。それは、 
労働組合は労働者全体のために活動する
憲法や労働基準法は、労働組合に対して、自社で働く労働者の生活と権利を守るだけでなく、未組織労働者を含む労働者全体を代表して、労働者全体の向上も目指すことを期待しています。

したがって、労働組合には、 企業の社会的責任を追及することはもちろん、平和や民主主義を守ることも含め、労働者全体のために活動するという社会的責任があります。 



いまの働き方・企業のあり方では未来が危うい
そこから抜け出すためには
 

格差と貧困の拡大、中間層の疲弊が日本の経済と社会の大問題に
・超富裕層の保有金融資産(1人当) 6.3億円(1997年) →  13.5億円(2013年) 2倍 <注1>
・労働者の平均年収(役員含む) 467.3万円(1997年) → 420.4万円(2015年) 
-46.9万円 <注2>
・貧困率 14.6% (1997年) →  16.1%(2012年) OECD34ヵ国の中でワースト6位 <注3>
・貯蓄ゼロ世帯 10.2% (1997年) →  31.0%(2015年) 3倍 <注4>

労働条件全体が悪化
異常な長時間・過密労働で過労死・過労自殺が増加。
<年間平均労働時間(2014年)>
日本 2006 H ドイツ 1302 H
フランス 1387 H <注5>
パート除いたら世界一長い

  根底に、非正規雇用
の急激な増大
 
  少子化・出生数減が深刻に
出生率1.44
(2016年) <注8>
 
 大企業の利潤第一主義による「使い捨て」労働が放置され、非正規社員は役員を除く雇用者の約4割(女性は約6割)、その多くが年収200万円以下。

 先進国で唯一
「成長の止まった国」
「国民が貧しくなった国」
<注6> 
労働者全体の賃金を下げた
非正規雇用率と賃金(月平均)の推移 <注7>
 
   

労働者派遣法の改悪  
1995年:財界が正社員を非正規社員に置き換え宣言。
1996年:対象業務を26業務に拡大。
1999年:製造業等一部を除き、派遣業種を原則自由化。
2004年:対象業務を製造業に拡大。 派遣期間の上限を3年に延長。
2015年:「臨時的・一時的業務に限る」の大原則を放棄。「生涯ハケン」「正社員ゼロ」につながる大改悪。
 
大企業(資本金10億円以上)の内部留保は、2016年度403兆円の史上最高額(12年度から69.9兆円増)。 








 
政府と機関投資家の号令のもとに「ROIC経営」を推進
国内でのものづくりの衰退と軍需産業への傾斜が心配
 
●短期間にROIC値を向上しようとすれば
 ⇒ 分母の投下資本の縮小か分子の利益の増大が必要、そのために
 ⇒ ★人件費・設備・技術開発費等の削減、★人件費等の安い海外への生産拠点の移転、★労働密度の強化、★民需に比べ利益が保証されている軍需産業への傾斜などに向かわざるを得ません。

●実際、商船建造の中国へのシフトや政府の「戦争する国づくり」にしたがった軍需産業の拡大が進められています。


税引前ROIC(投下資本利益率)=
(税引前利益+支払利息)/投下資本(借入金+株主資本)
 
  <注9>

ひとにぎりの機関投資家の利益を大優先する株主資本主義[注]・利潤第一主義では、「ものづくりの生態系」を壊し、企業および日本の経済・社会の持続性さえも危うい!   
[注]:「企業経営者の使命は株主利益の極大化」と主張しています。   
なによりも大多数の働く人々と地域を大切にする
方向に大転換を!
 

軍需産業に対する考え:
戦後日本は、軍事産業の禁止等を内容とするポツダム宣言を受諾して、戦力の不保持等の平和憲法を“誓い”に国際社会に復帰しました。また、軍需産業は、国民の血税によって成り立っており、再生産に結びつきにくく、その拡大は国民生活と経済を疲弊させます。

これらの理由により、当面、軍需産業のこれ以上の拡大をやめ、漸次、平和産業に転換すべきと考えています。
 



働く人々の尊厳が大切にされ、能力が十分に発揮できる職場をめざして 

本来の労働の役割と企業の役割を発揮させ、
働くすべての人の「働きがいのある人間らしい働き方」を実現する。
 

実現の道すじ(考え方)
●日本国憲法や労働法制、ILO条約などに謳われた人権・労働・安全衛生や企業に関わる積極的な内容を全面的に実施する
●働くすべての人の生命・安全を守ることを第一に、個人の尊厳を尊重し、自由に意見が言えて能力が十分に発揮できる職場をつくる
●労働組合のチェック機能を高め、賃金・雇用や地域経済で、また環境や海外でも社会的責任を果たし、社会進歩に貢献する企業をつくる
 

私たちは、働くすべての人と地域経済を大切にしてこそ、良い製品・サービスが供給できるし、中長期的には企業も社会も持続的に発展できると確信しています。
そして、歴史ある会社が、いつまでも地域や社会から信頼され、誇りに思える会社であってほしいと願っています。
 

このような会社が日本にもあります。
「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 
日本の経済に、日本のすべての働く人に、本当の活力を生み出すために。
「正しいことを、正しく行っている企業」を表彰します。

すでに多くの企業が受賞しています。当ホームページを参照下さい。
 

具体的内容 
 ●賃金
★正規・非正規、関連企業の労働者も含め、8時間労働で普通に暮らせる賃金にする。
★年齢・性別や雇用形態に関係なく、「同一価値労働同一賃金」の均等待遇にする。
●雇用
★派遣雇用は臨時的、一時的業務に限定する。
★非正規社員に正社員への道を積極的に開き、「雇用は正社員が当たり前」にする。
 
●労働時間 
★時間外労働の限度を、特別条項付き36協定をやめて労働大臣告示の月45時間にする。 ★勤務間の休息時間をILO提唱の連続11時間以上を確保する。
★サービス残業はただちに根絶する。
 
●安全衛生 
★十分な「休暇使用率」と「余裕時間」をくみこんだ要員で無理のない工程にする。
★事業所で働くすべての労働者に会社の責任で安全衛生教育を強化する。
 
●男女平等 
★非正規の女性も含め、産休や育児休暇の拡充、勤務時間の短縮などで、安心して仕事も子育てもできる労働条件に改善する。
★女性の「昇進・昇格の差別」を一掃する。
 
●労働組合 
★「要求での団結」「資本からの独立」「政党からの独立」の三つの原則を守る。
★組織の運営は、「組合員が主人公」の組合民主主義を貫き、役員選挙は「一人一票」にする。
 

私たちは、これらの具体的内容は資本主義の枠内で実現できると考えています。

すべて一企業の枠内で実現できるとは考えていませんが、職場と政治の両面からの相乗作用を持った改革と、その実現をめざす職場の労働者・労働組合・地域の人々などの広範な連帯によって、一歩一歩実現していけると展望しています。

【未来社会の問題】
資本主義のもとでは格差と貧困、地球温暖化などは決して解決できませんが、人類の歴史は資本主義でおしまいではありません

「生産手段の社会化」によって、生産の目的が「利潤第一主義」から「社会と人間の発展」に変わり、労働時間が抜本的に短縮され、「人間の自由で全面的な発展」を一番の特質とする社会へと発展すると考えています。
 



<出所>
注1 : 野村総研の「純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移」より作成
注2 : 国税庁の「民間給与実態統計調査」より作成
注3 : 厚生労働省データより作成
注4 : 日本銀行・金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」より作成
注5 : データブック国際労働比較より作成
注6 : 「独立行政法人 労働政策研究・研修機構 2016データブック国際労働比較」より作成
注7 : 非正規雇用率は総務省の「労働力特別調査」「労働力調査」より作成、賃金は厚労省の「毎月勤労統計調査」より作成
注8 : 厚生労働省データより作成
注9 : 配当金・経常利益・内部留保は川崎重工のIR資料より作成、基準賃金は川崎重工の「労働情報」より作成 


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