1)今年の春闘の結果

 中小組合の賃上げ交渉はまだすべて終わったわけではありませんが、4月18日に全労連が調査した資料(2008国民春闘共闘情報 第26号)によれば、賃上げの妥結状況は下表のようになっています。

 
  加重平均 単純平均
集計団体 金額(円) 率(%) 昨年(円) 率(%) 金額(円) 率(%) 昨年(円) 率(%)
全労連 6,861 2.07 6,781 2.04 5,949 1.96 5,867 1.98
連合 5,872 1.96 5,713 1.93 4,967 1.91 4,875 1.90
日本経団連 6,322 1.91 6,208 1.85 5,538 1.79 5,222 1.70
注)加重平均=一組合員当りの平均 単純平均=一組合当りの平均

 今年は企業のもうけ過ぎに対する国民的批判が強かったにもかかわらず、賃金の上昇率はわずかなものにとどまりました。これは労働者の大幅アップの要求に対して、企業側がサブプライムローン問題や突然の円高を持ち出してきたことで、昨年並みの上昇に押さえ込まれた結果と言えるでしょう。
 では実際の企業のもうけの実態はどうなのでしょうか。
 全労連と労働総研がとりまとめた「2006年国民春闘白書」によれば、トヨタ自動車など主要大企業143社(銀行、証券除く)の連結内部留保は2005.3月期決算で、一年間で21兆円を積み増し、204兆円に達したといいます。
 ちなみに、川重の内部留保のうち、利益剰余金だけでも2007.9月連結決算で半年前より約117億円増の約1,375億円あります。
 このように、企業には大幅賃上げをしてもなおあり余るほどの蓄積されたもうけがあるのです。