「はぐるま」 2023年 春季号
NO.255



わたらせ渓谷鉄道
Contents
 AP23春季妥結は「生計費原則」に沿った賃上げ額か
 過労死等とメンタル疾患の根絶を
 川重過労死裁判 問われる人権
 大河
 岸田政権の二つの大うそ!
 市民の力が社会を動かす
 読者の広場 
 PDF表示
こちら
クリックして
ください。


AP23春季妥結は「生計費原則」に沿った賃上げ額か

今年の賃上げは、要求額14,000円に対し、49年ぶりの満額回答で、会社はその理由を「物価上昇分への対応」「人への投資」と説明しました。満額回答を素直に喜んでよいのでしょうか、この賃上げは「生計費原則」に基づいた額となっているのか考えてみました。

職場からは様々な声が

職場からは今回の賃上げに対して、次のような声が上がっています。

「周りの企業が満額だから、仕方なく満額にしたのでは?」「満額はうれしい。少しは生活も楽になる」「もう少し要求額を上げれた?」「要求額以上の金額にはならないんですね」
「会社がよく満額出したな」「49年間も満額でなかったのか」「これでも物価に追いついていない」「非正規の人間には全く関係のない事です」

賃上げ額は「生計費原則」に基づいて決定を

日本の賃金はこの30年間、横ばいで、川重の平均賃金は2004年の約33万円をピークに2022年は約32万円に下がっています。賃上げは0円から1500円と低額で推移し、40年ぶりの物価高騰も重なり大幅な賃上げが必要でした。

要求額14、000円(5%賃上げ)は連合・基幹労連の方針に沿ったものですが、昨年の物価上昇分であり今年の物価上昇分を見込んでいません。
今回の川重の最低賃金18万円は、とても生活出来る額ではありません。全労連は、若者の単身世帯の「最低生計賃金」は25万円以上が必要と言っており、
全ての労働者に10%以上(3万円以上)の賃上げを要求しました。賃上げは、「生計費原則」に基づいた額にすべきです。

労働者の4割を占める非正規社員の賃上げは、蚊帳の外におかれています。正規労働者のさらなる賃上げとともに、非正規労働者の賃上げも同時にすべきです。
働く人の生活が豊かになってこそ、経済が強くなり、企業も社会も発展するのではないでしょうか。




 
過労死等とメンタル疾患の根絶を


そのための具体的提案をしたいと思います。

労働環境の悪化

昨年12月、西神戸工場で過労死の疑いがある自殺が1名、今年に入って明石工場で2名の方が職場で亡くなり、発見が早ければ助かっていたかもしれません。2013年以降少なくても16名の方が自殺されています。なぜこのようなことが繰り返されるのでしょうか。

サービス残業、長時間労働はもちろん、時間外労働が過労死水準80時間を超えた36協定、孤立作業などが放置され、メンタル疾患による休職者の増加にも歯止めがかかっていません。
会社は「4つのケア」に取り組んでいますが、いまだ改善されていません。

根絶のための提案
職場における過労死やメンタル疾患は根絶されなければなりません。
・慢性的な人手不足をなくし、「余裕時間」を組み込んだ工程にする。
・個人に過重な負荷をかける働かせ方をさせない。
・第三者が視認できない、または管理されていない一人作業をさせない。
・厚労省が指摘している健康障害防止の観点から実際の時間外労働は月45時間以下にする。

過労死は会社の責任です。会社は、安全配慮義務を徹底強化し、過労死等とメンタル疾患を決して起こさないことを宣言する。そして労働組合は、その履行を監視する役割をはたすべきです。


 
川重過労死裁判 問われる人権

当社、プラント設計技術社員(以下:Aさん)が、中国赴任中に自死された川重中国出向エンジニア過労死裁判にについて、裁判に至った経緯と争点についてまとめてみました。

裁判に至った経緯と争点

Aさんは、2013年4月に妻と2人の幼い娘さんを日本に残し単身で中国へ赴任しました。赴任後は担当業務に加え、経験のない機械トラブルへの対処(合弁企業と川重との調整)に忙殺されました。本来業務が滞留するようになり一部業務の引き取りを願い出ましたが、川重はこれを放置し、赴任3か月後の7月に自死されました。

2016年に「業務による心理的負担があった」として労災認定されたにもかかわらず、川重は責任を一切認めず、謝罪もしない態度に終始しました。ご遺族は、やむなく昨年5月神戸地方裁判所に、安全配慮義務違反を認め謝罪と再発防止を求めて提訴されました。

赴任前の健康診断で異常が見つかり、産業医から改善してから赴任させるように所見が出ていたことも判明しています。川重が健康状態また業務遂行に伴う疲労や心理的負荷にたいして、安全配慮義務に違反していたことは明らかです。

裁判に至った経緯と争点

国連人権委員会は企業活動が人権に与える影響に係る「国家の義務」及び「企業の責任」を明確にし、改善を求めており、これが国際人権基準となっています。ILO宣言は、中核的労働基準の中に「安全で健康的な労働環境」をあげています。
グローバル企業を目指しながら、労働における基本的原則及び権利を求める国際基準を守らないのでは、世界の市場から締め出されことになり事業の持続も困難となります。

安全配慮義務違反を認めご遺族に謝罪し早期の和解に応じることこそ、川重がとるべき理性ある態度ではないでしょうか。

【大河】

今年の第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で栗山英樹監督率いる日本チームは14年ぶり3度目の世界一に輝いた。国の代表としてチームが一丸となって真剣にプレーする姿は試合を観戦する人たちの感動を呼び、大会期間中は各国の視聴率・観客数・グッズ販売も過去最高を記録するなど大きく盛り上がりました。

14年前、日本を優勝に導いたイチロー選手でさえ平常心でプレーすることが難しかったという大舞台。苦しみながらも3大会ぶりに栄冠をつかんだ日本代表の活躍は、職場でも大きな話題になり、今まで野球に興味が無かった人も含めてたくさんの人びとや子どもたちに感動や夢をもたらしました。

栗山監督は、優勝の記者会見で子供たちにカッコいい選手を見てもらったことが一番の喜びだと感想を述べました。また大会公式のMVPに選出された大谷翔平選手(MLBエンジェルス所属)は、インタビューで子供たちのためにも野球へのあこがれを持たせたいと述べました。

日本選手が感動を呼ぶ活躍をする一方、日本の国会では、「丁寧に」「何度も」意味不明な答弁を繰り返し、挙句の果てには国会を無視して、密室での制度や法律の閣議決定を強行するありさま。

野球選手がチームのために力を出し切るように、政治家は国民のための政策の実現に向けて国会で真剣な議論を交わし全力で取り組んで欲しい。そうすればWBC選手に負けないくらい国民から信頼される政治家になれるだろう。 




 
岸田政権の二つの大ウソ!

裁判に至った経緯と争点

岸田政権がかかげる「GDP(国内総生産)比2%以上」5年間で43兆円もの軍事費は、米国、中国に次ぐ世界第3位になります。相手国の領土深くまで攻め込む長射程ミサイルを配備(敵基地攻撃能力の保有)します。先制攻撃の方針をもつ「米統合防空ミサイル防衛」(IAMD)を共同で推進し、「他国に脅威を与える軍事大国」になろうとしています。「専守防衛に徹する」と言うのは国民をだます「大ウソ」です。

「自分の国は自分で守る」というウソ

日本の大軍拡により周辺国も対抗して軍拡を加速させ、軍事的緊張を激化させます。戦争へのリスクが拡大し、集団的自衛権の行使により、アメリカの戦争に日本が巻き込まれ、日本を守るどころか、相手国の報復攻撃をまねき、国土が焦土と化す危険性があります。自分の国は自分で守るというのは「大ウソ」です。
                                                                                          




 
市民の力が社会を動かす

アメリカの最低賃金闘争

1月、アメリカでは多くの州や郡・市などで、最低賃金が15ドル(約2,000円)に引上げられました。10年来全米規模で住民投票やストライキでたたかいとった成果です。ハワイ州では28年までに段階的に18ドルへ引き上げる法律も成立しました。またニューヨーク市の二つの病院で働く看護師7000人以上がストライキを決行、19.1%の賃上げと170人余りの看護師増員で病院と合意しました。

フランス全土で年金改悪反対のたたかい

1月、定年退職年齢の引き上げに合わせ、年金受給開始年齢62歳を64歳へ引き上げる年金改革に反対し、全土で抗議が広がりました。2月3回目の抗議行動に200万人、3月7日には今世紀最大規模の350万人が参加。16日には政府の改革法案強行に抗議して、大学・高校の青年学生50万人もデモに合流、パリで80万人、全土で350万人が怒りの声を上げました。

イギリスで相次ぐ賃上げ要求

1月、鉄道労働者は急激なインフレに見合う賃上げを求め、1週間のストを決行、3月には大幅賃上げで妥結。2月に教職員や公務員など約50万人が過去10年で最大規模のストライキを実施、3月には教職員40万人が再びストを決行。昨年から断続的にストを実施してきた国民保険サービス(NHS)の100万人以上の医療従事者も、NHSの歴史上最大規模のストで大幅賃上げを勝ち取っています。

ドイツ全土で労組合同による大規模スト

3月、鉄道・バス会社や空港、港湾で働く労働者らが大幅賃上げを目指し、1992年以来最大規模という24時間の一斉ストライキを決行。全国250万人の公務員の多数を組織する労組(ベルディ)は、郵便大手ドイツポストが「ストの圧力」により16%の賃上げを承認したとあきらかにしました。




読者の広場 
もう限界ナンとかして
「聞いてください、忙しいにも関わらず、人を入れてくれません。利益が出ないような職場には、増員してもらえない状況は、オカシイと言いたい。ナンとかして欲しい!」 (
(西神戸・予備群)
4月になりました
春になり新人さんも入ってきて新しい年度が始まりましたが、会社のシステムもどんどんと変わっていき、変化に着いていくのも大変です。ここ最近は西神戸も景気の悪い話ばかり聞こえてきて嫌になります。

新しい建屋を作ると調子が悪くなるというジンクスは今回も当たってしまうのか心配になります。

しかし組織変更や人事異動もあり、気分新たに頑張っていきたいと思います。何年も掛かってやっと嫌な上司から離れらたという声も聞こえてきて、悪い事だけではない始まりになると期待してます。
(西神戸の星)
時短させてほしい
4月に入って一番気が重いのはC&Cの作成です。
会社は力を入れているが、A系列の事務員たちに何を求めているのかわかりません。
この作成のために時間がかかる。結果、残業することも。
子育て真っ盛りの事務員たちへ時短ができるよう力を入れてほしい。
(明石のママ友)
身も心もボロボロ!
コンプライアンス・ファーストであるならば、人を減らして残業規制をすることはやめて欲しい。

納期が厳しく、仕事に追われる中での残業規制はサービス残業前提にならざるを得ません。「サービス」なので会社の弁護士の方にも言えません…」 
(ナヤンデルタール5才) 
「給料に還元して」
社内の配布物に無駄が多いと思う。給料の明細は紙が削減され、会社のパソコンで見れる。パソコンで見れる配布物は削減してもいいと思う。
その削減した分を給料に還元してください。
(すずめの涙社員)
いつも有難う
西神戸工場の新ビルの骨組みが出来上がっています。遠くからでも、良く見える高さです。工事関係の皆さん高い所も平気で歩いて、ビックリします。
本当にお疲れ様です。
(高所恐怖症)
昇進させない制度なの!
昇進させない制度がついに発動されました。会社に都合の良い(徒順な)社員のみ昇準させ、都合の悪い(長時間残業・体日出動しない、会社に意見する)社員はあえて忙しい業務を与えて昇進条件を満たなくさせる制度です。

安い賃金で手間な業務を押し付けられるため会社としては一石二鳥です。こんなことを続ける企業がどうなっていくかは火を見るよりも明らかではないでしようか!
(機械くん)
ピッカピカの新入社員!
新入社員が配属されました。皆さん、若々しくて、希望にあふれています。
すれ違っただけでも、ちゃんと皆さん挨拶され、真新しい制服が、光っています。

皆さん、頑張って下さい!   
(元新入社員)
「天手古舞」
この時期は、それでなくても業績評価と目標設定関係で、時間を取られる。最近、様々なこと(TQMや、労働時間管理、コンプライアンス、ハラスメント、情報セキュリティ・・)のEラーニングでの受講要請メールが多く、業務で多忙な中、期限を切られての受講要請は暴力的だ!
(幹部職員の呟き)
アフターコロナ
このところ、街中に活気が戻ってきた。私を含め、マスクをしている人が大多数であるが、三ノ宮の街中を散歩すると大勢の人が買い物に出かけ、海外の人の姿も見かける。

コロナ禍の3年間の“普通の幸せ”は実は普通ではなかったと感じる。今感じられる、何よりも贅沢な“普通の幸せ”をしっかりと噛みしめて過ごしていきたいと思う。
(神戸・韋駄天 )
新入社員の皆さんへ
入社おめでとうございます。自分らしさを大切にして、希望に満ちた新しい人生の一歩となることを願っています。


ページトップに戻る ^