「はぐるま」 2019年 秋季号
NO.241



白山白川郷ホワイトロードで撮影
(M.F)
Contents
 パートナー社員制度 発足5年
グローバル企業として「企業価値向上」にふさわしい制度か?
 厚労省『労働時間等見直しガイドライン』
時間外・休日労働の削減 年休の連続取得促進を!
 大河
 経営計画から忘れ去られた賃上げ
 働く場での「ハラスメント禁止条約」
ILOで初の“国際基準”採択される
 読者の広場
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パートナー社員制度 発足5年
グローバル企業として「企業価値向上」にふさわしい制度か?


パートナー社員制度が導入されて5年になり、各工場で社員が増えてきています。「持続的な企業価値向上」を目標とする「中計2019」を発表したこの機会に、会社は、パートナー社員制度が「中計」目標にふさわしい制度なのか検証してみてはどうでしょうか。

制度発足にあたり私たちが危惧したこと

私たちは、2014年の本制度の発足にあたり、次のことを危惧しました。

●「正社員の中に賃金や業務内容を低く限定した社員をつくることになり、職場に一層差別と分断を持ち込むことになり兼ねません。」(「はぐるま」220号

●「本賃金制度は、本給の昇給を年齢別定額と基準変更係数の二つで抑えています。…これでは、無期雇用を代償に、働き甲斐や人間として尊厳をもって働きたいという人格・人権を否定するものではないでしょうか。」(「はぐるま」221号

パートナー社員の声

「派遣からパートナーになって3年目(派遣含め20年以上勤務)ですが、あまりに給料が減り、生活ができなくったので退職します。本当に人のことを何だと思っているのでしょうか」
「社員と言ってもパートナーやから、よかったかどうか」
「年収が上がらないのに仕事の量と責任が重くなった」等々

以上のように、私たちが危惧したことが現実となっています。

当然ながら、雇用の保障やカフェテリア等の福利厚生の利用、ローンが借りやすくなったなどの喜びの声は上がっています。

「中計」は、それを実現すべき従業員や派遣社員に希望を示しているのか

「中計」では、2021年度目標として税前ROIC10%以上、営業利益率6%以上等を高らかに掲げています。しかし、それを実現すべき従業員や派遣社員の賃金や待遇については、どう向上させていくかの希望ある展望が示されていません。

働く人たちは希望があってこそ頑張れるわけで、それを示すのが経営者の役割だと思います。

グローバル企業の事務職をめざして入社する青年たちに応えた制度か


2020年度の川重の新卒採用情報には、「一般事務職(パートナー社員)(短大・専門卒以上)月給16万700円以上」と掲載。高専卒より約3万円低くなっています。

入社後に賃上げがあったとしても、本給が上がれば基準変更係数でブレーキがかかりそれほどアップしません。また、一時金については、支給月数が3カ月程度で、一般従業員とは約2カ月前後の差がついています。賃金も一時金も年々、一般従業員との格差が拡大することになります。

これでは、夢と希望を持って事務職をめざして入社した青年たちを失望させることになるでしょう。

世界のジェンダー平等の流れに取り残されないか

パートナー社員は、女性のみとは明示されていませんが、ほとんどが女性だけで、明らかに女性を対象とした制度と言わざるを得ません。

個人の尊厳とジェンダー平等を求める世界の運動が、日本でも広がってきています。また、働く場でのジェンダー平等は、誰もが働きやすく、生きやすい社会にしていく大きな力になります。

パートナー社員の業務とされる「庶務その他補助的業務」は、かつて正社員が行っていましたし、大切な仕事だと思います。私たちは、このような制度は必要なく、現在のパートナー社員を直ちに一般従業員にすべきと考えています。



厚労省『労働時間等見直しガイドライン』
時間外・休日労働の削減 年休の連続取得促進を!


厚労省は、年次有給休暇取得と時間外・休日労働の削減で、労働時間短縮を推進するために、『労働時間等見直しガイドライン(2018.10.30告示)』を定めました。以下は主な内容です。

<年次有給休暇について>「労働者が心身の疲労を回復させ、健康で充実した生活を送るためには、…労働者がその取得時季を自由に設定できる年次有給休暇の取得が必要不可欠」とし、事業主に対し「年次有給休暇の完全取得を目指して、…取得しやすい雰囲気づくりや、労使による年次有給休暇に対する意識改革を図る」こと。また年休の連続取得については、「週休日と年次有給休暇とを組み合わせた、2週間程度の連続した長期休暇の取得促進を図ること」としています。

<時間外・休日労働の削減について>「時間外・休日労働は、通常予見することのできない、業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に行うもの…事業主は…労働者の健康で充実した生活のため、…時間外・休日労働の削減を図る」「労働者が私生活を重視した生活設計をし、時間外・休日労働を望まない場合は、時間外・休日労働の削減について一層の配慮をする」としています。
川重においても本ガイドラインを全面的に実施しましょう。

【大河】
台風19号は、死者・不明者96人(10月26日時点)、床上・床下浸水6.9万棟の甚大な被害をもたらしました。被害を受けたすべての方々に、心からお見舞いを申し上げます。

今回、7県で70を超える河川が決壊しました。亡くなった方の多くは、堤防決壊による浸水で逃げ遅れたことによると言われています。「想定外の雨」だったでは済まされません。

堤防決壊のほとんどは、水が堤防を乗り越えて堤防を壊すもので、2000年以前には、すでに耐越水堤防工法(堤防を遮水シートで覆う)が開発されていました。国土交通省は、それを河川対策の基本方針としましたが、河川改修でダム事業推進の妨げになることを恐れ、02年にこの方針を撤回。さらに、安倍政権下での5年間でダム事業予算が442億円増に対し、河川事業は292億円も減額。堤防氾濫による災害の多くは、ゼネコン・大企業の利益を優先した人災であり、その責任は極めて重大です。

安倍首相は、台風15号による停電・断水の復旧が最優先されるときに、災害対策本部も設置せずに内閣改造を優先させました。台風19号のときは、すでに70人近くが亡くなっているのに、自民党の二階幹事長は被害が「まずまずに収まった」と発言。国民の生命と財産に対する認識がよく表れています。

一方、被災地には高校生や遠方からもボランティアが続々と参加し、元気と希望を与えています。


 経営計画から忘れ去られた賃上げ

「中計2019」では、21年度営業利益が18年度の倍の1,280億円という経営目標を掲げ、会社は利益増大に突き進んでいます。肝心のその目標を実現する従業員の賃金向上については、完全に忘れ去っているのではないでしょうか。

03年からの15年間で、営業利益は2.9倍、配当金は4.1倍、内部留保は2.8倍といずれも大幅に増えています。一方、平均基準賃金は、03年329,753円から18年309,336円と2万円も下がっており、この間の消費者物価4.1%上昇で、実質賃金はさらに下がっています。

平均基準賃金が上がらない原因として、04年度から導入された人事処遇制度構造改革(本給・本給昇給・家族手当の廃止、高齢者の賃金カット等)、さらに賃上げがこの15年間でわずか6回(合計8、200円)であったことが考えられます。

経営者が変わるたびに「固定費の削減」が至上命題となっており、AP19では、3.500円の要求に対し、会社は「恒久的な固定費の増加」を理由に賃上げを渋り、労組は「1、500円を確保できたことは大きな成果」と低額回答を評価しています。この額は、「人への投資」として満足する回答でしょうか。

「人財」を大切にする会社であるならば、低額な賃金水準を放置するのではなく、せめて15年前の賃金に戻すことが求められます。


働く場での「ハラスメント禁止条約」
ILOで初の“国際基準”採択される

「暴力とハラスメントのない労働の世界へ権利の尊重、促進、実現」をうたった画期的な基準が拍手と歓声の中で採択されました。

①「暴力とハラスメントを法的に禁止」し、加害者への刑事罰など (仏ではセクハラ罪、拘禁刑、罰金)制裁を設ける。②防止根絶への法的仕組みや被害者救済・支援などを法的に義務づける。③対象は労働者をはじめ、実習生、求職者、フリーランスなどすべての就労者です。

川重の「ハラスメント防止に関する規定」

「禁止行為が…認められた場合は…就業規則に基づき、譴責、減給・出勤停止、または懲戒解雇の処分を科する」とし、「相談専用メール及び各勤労担当部門」など、相談・苦情処理の窓口が設置されています。また「適切な再発防止策を講じる」としており、ハラスメント被害の抑止や救済が期待されます。

日本政府は条約の早期批准を

ハラスメントは人権侵害であるだけでなく、就業環境の悪化、人材の流出、生産性の低下による多大な経済損失を招き、企業の持続可能性すら危うくします。ハラスメントの温床である長時間労働・成果主義・雇用形態による差別待遇などの改革が必要です。
日本政府は条約に賛成しています (使用者代表は棄権) 。今年5月に成立した「ハラスメント規制法」には、法的な禁止規定がありません。国際基準に沿った国内法の整備を進め、速やかに条約の批准を行うべきです。

読者の広場 
いつできるの新しいビルは?
他の工場で次々と新しい事務所が出来ていく中、西神戸は未だに昭和の時代の建物…

昨年は工場50周年を迎えたものの、建物までその歴史を残さなくてもいいのでは?

台風の度に雨漏りが心配でPPCにビニール袋を被せるとか信じられません。人はどんどん増えていくのに場所が広くなるわけでは無いのでどんどん作業スペース無くなっていくし、無理やり詰め込みの席替えも年に何度も。

でも7月の引っ越しではそのお陰でうるさいあの人も隣に移って、少しは環境も良くなりました。時代は変わっても人の心は変わらない、いいことも悪いことも、でも早く建ててほしいですね。
(西神戸の星)
同一労働同一賃金?
われわれの仕事は様々な人の支えで成り立ってますが、ケイキャリアの方の仕事も無くてはなりません。

でもどんなにいい働きをしてもらっていても、待遇は余り変わりません。それなら真面目な人ほど報われないですよね。

今の時代、働き手を集めるのは大変なので、いい人を大切にする、そういった企業姿勢を盛り立てて欲しいです。中には事技職以上の働きをしてくれる人もいるのにその処遇はパートと変わらず…
(処遇改善マン)
職場安全の今
ここ2~3年全国の労働災害における死傷者数(死亡・休業4日以上)は約1000人で横ばい状態です。内容は、若年層の災害、経験年数が浅い方の災害、また不慣れな作業による災害です。

これは安全面での技能継承とコミュニケーション不足からきているのではと考えます。休憩中もスマートフォン・携帯電話などを覗く。人と人との会話が皮肉にも減っています。

昔は先輩が、休憩時間や昼食、休憩のときに注意点やお叱りなどよくされていました。今はそういった光景が見受けられません。

「隣は何する人ぞ」状態が安全を脅かしています。この点についての警鐘が必要です。
(安全チェックマン)
会社の未来を見えすえて
現状の会社の人員構成と採用では、2030年にはバブル採用中心の50歳以上が半数に増え、若手比率が減ると考えています。いづれ中核を担う若手の維持と育成が会社の発展と変革のためには必要で、若手離職者をつくらない活動を増やさないといけないと思います。

まずは休暇の確実な取得、次に部活動(ツーリング、山登り、ゴルフ など)や社内SNSや定時後社員交流などのコミュニティ活動、皆さんもしませんか?
(真の愛社人間)
せめて椅子だけでも…
西神戸工場は、川重で唯一ROIC8%を達成していると言われる割に、未だ一部の事務所では、スチール机、スチール椅子のままです。

他の工場は、新ビルが建ち リフレッシュルームも有るとか… この差って何なのでしょうか?
(西神戸・腰痛持ち)
特別食はトンカツ
10月15日、明石工場の食堂は赤飯とトンカツとデザート付きの特別食でした。いつもとは違うとても美味しいトンカツでした。後で知ったのですが、川重創立記念日の特別食だったようです。食堂を利用しない人にとっては何も気付かないまま創立記念日が通り過ぎました。
(明石・カツ好)
感動をありがとう
ラグビーW杯が日本で開催され、試合をじっくりと観る機会が増えました。ルールもろくに知らない素人の私でさえ、試合を観るとものすごく感動するし、特に日本戦では涙も出てきます。これは野球やサッカーの代表戦では生まれない感情です。

ここまで人を感動させる要素は様々あるとは思いますが、国籍に関係なくチームが1つになり目標達成すべく一心不乱に邁進する姿を見て、心を揺さぶられるからでしょう。

日本代表チームの挑戦に、これからの組織の在り方を示すヒントがあるように思います。
(にわかファン)
16歳グレタさん 怒りと涙の訴え
昨年8月スウェーデンの国会議事堂前で一人座り込みを始めた高校生グレタさん。今年9月国連本部「気候行動サミット」で、各国の首脳らに彼女は訴えました。「お金のことや永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり…私達を裏切ることを選ぶなら…絶対に許さない」と。

今この世界で共に生きている、彼等の未来・夢を奪ってはいけない。それは私達大人の最低の責任だと思いました。
(温暖化NOボランティア)


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