「はぐるま」 2019年 夏年号
NO.240



美保関灯台(島根県)(M.F)
Contents
 第4弾 すべての人を技術・技能と共に人間的にも「育てる」企業に!
 参議院選挙結果が示した明るい展望
 大河
 労働者の命と健康は大丈夫か?
 女性の活躍は労働条件の向上でこそ
 「快適職場づくり」2019年計画について
 読者の広場
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第4弾 すべての人を技術・技能と共に人間的にも「育てる」企業に!


(前号まで)
人財を「育てる」には、人間として大切にすることが大前提

これまで3回にわたって、
●企業にとって大切なことは、社会貢献しながら持続的に成長していくこと、すなわち、そこで働く人たちが世代を重ねながら成長していくということであり、技術・技能と協働の能力を持つ自立した人財を絶えず育てていかなければならないこと(NO.237)

●技術・技能の集大成である重工業産業の場合は、前述のことがとくに大事になること(NO.238)

●売上や利益を最優先しては人財が育たないこと、育てるためには正規・非正規、協力会社の社員も含め、働く人たちをいちばんに大切にする経営が必要なこと(NO.239)

などを述べてきました。

とくに若手社員の場合、技術・技能より「人間性」を育てることを重点に

会社は、人財育成にたいへんな労力・資金を注いでいます。若手社員のカリキュラムを見ると、スキル・知識・語学・技能等の能力アップが主になっているように思います。

たしかに、基礎的な技術・技能を学ぶことはとても大事なことだと思いますが、それ以上に「人間性」ー 他人への思いやりや多様性の受け入れ、適切な批判ができて最後まであきらめない強い心など ー を育てることがたいへん重要ではないかと考えます。

それは、一つに労働のそもそもですが、労働を通じて多くの人たちが密接に結びつき生産力と人間そのものを発達させてきたわけですから、自社や他社等の多くの人たちと結びつき協働できる素養が必要になるからです。

二つは、働くことの意味を理解し「できた人間」となれば、技術・技能は自ら学ぼうとし、互いに高め合っていけるからです。

三つは、彼らの前途に、日本の少子高齢化問題だけでなく、科学技術・AI等の劇的発展とともに地球温暖化や格差・貧困などの極めて深刻な国際的問題が待ち受けており、個別企業の利益にとらわれず人間にとって何が大事かという判断が求められ、まさに「人間性」が試されるからです。

最後に、夢と希望を持って入社したはずの青年の中で、離職や精神疾患が増えており、2018年には自殺によって7人もの尊い命が失われているという問題です。要因が仕事以外の問題であれ、共に働く仲間と悩みを分かち合い、生きる力がわいてくるような人間関係が必要だからです。

「人間性」を育てるための重視すべきテーマと具体的内容

私たちは、大株主のもうけ優先ではなく、世の中への貢献という本来の生産活動を合理的に行えば人は育つし、労働はそのような力を持っていると考えています。いまの経営施策はそれを邪魔しているのだと思います。

次は「人間性」を育てるための提案です。

まず、テーマについては次の4点を重視すべきと思います。
一人ひとりを人間として大切に
自由に意見を言える職場環境
リスペクトを持って助け合い学び合う風土
チャレンジ精神を大切に

次が具体的内容です。
ⓐ正規・非正規、協力会社の社員も含め、8時間労働で普通に暮らせる賃金。時間外労働の限度は月45時間
ⓑ雇用は正社員に。パートナー社員制度の廃止
ⓒ適正な要員の確保
ⓓ思想・信条の自由の厳格な遵守。女性・年齢・障がい者・雇用形態での差別の一掃
ⓔ労働組合の会社・政党からの独立
ⓕサービス残業、パワハラ等のコンプライアンス違反の一掃
ⓖ成果主義(とくに個人の生産性評価)の廃止。人事評価の公明性の確保
ⓗ製品の製造全過程(社内外)と利用実態の把握。社内外との交流。グループで自由に課題に挑戦できる仕組み

これらは経営者の英断が必要であり、それを後押しする労働者・労働組合の一丸となった運動が必要となるでしょう。

「あの会社に入るとみんな立派な人間になる」と世間から言われるようなワクワクする会社をつくりましょう。


(完)



参議院選挙結果が示した明るい展望


選挙は何が争点だったのか。

国民の多くの声は、“減らない年金を”、“こんな時に増税してよいのか”、“原発ゼロの日本を”でした。また、辺野古新基地反対は沖縄県民の意思でした。

民意尊重が民主主義の根幹ですが、安倍首相はこれに背を向け、2020年の施行に向けた憲法9条改定を最も熱心に語りました。

参議院選挙は、国民が望まない憲法改正か、それとも憲法を暮らしと政治に生かすのか、憲法をめぐるたたかいであったと言えるでしょう。

選挙結果は何を示したか。

市民と野党の共闘が、全国32の1人区すべてに統一候補を実現し、6年前の野党2議席から10議席へと躍進しました。これにより、自民・公明・維新などの改憲勢力が、改憲発議に必要な議席の3分の2を割り、自民党は単独過半数を大きく割り込みました。

選挙結果は、安倍9条改憲の暴走に明確な審判を下したものであり、主権者の民意は「期限ありきの性急な改憲の動きには賛成できない」ということを示しました。また、投票率が過去2番目の低さであったことは、日本の民主主義にとってきわめて憂慮すべき事態です。

今後の展望は。

安倍首相は、選挙後も総裁任期中に改憲を実現するとしています。激しさを増す憲法をめぐるたたかいに決着をつけるのは、この3年間で成長した市民と野党の共闘であり、その一層の発展です。

今回、棄権した多くの人たちも、“これなら暮らしや政治を変えられる”と希望の持てる野党の政権構想をつくることができれば、選挙結果に激変を起こすことができます。

安倍政権に代わる野党連合政権に向けた合意づくりに、みんなで参加しましょう。

【大河】
ピンまで6m弱。下りのスライスライン。沈めれば優勝、外せばプレーオフ。パットが強い…ドン! 割れんばかりの歓声と同時にパターを持った左手を高々挙げて満面のシブ子スマイル。渋野選手が全英女子オープンを制し、樋口氏以来42年ぶりのメジャー制覇。テレビの前でどれだけの人が歓喜し、叫んだことか。

大観衆を味方に引き込む笑顔とプレーの速さ・勝負強さはこれまで見たことがない。最終日3番で痛恨の4パット。落ち込むどころか「攻めた結果」だといつもの笑顔を取り戻し、12番で勝負のワンオン狙い、最後は「プレイオフしたくない」と強気のウイニングパット。「今年最も愛される物語」と英紙が称賛しました。

大偉業を可能としたものは、アスリートの両親から譲り受けた強靭な身体能力と「いつも笑顔でいなさい」という教えとともに、ソフトボールなどから「力を合わせてやる団体競技は好き」というようにチームプレイで鍛えられた気持ちの強さ・切り替え、周囲への思いやりと感謝の気持ちではなかったか。

笑顔は、自律神経のバランス調整や脳の活性化でパフォーマンスを向上させ、さらに、免疫力もアップさせると科学が証明しています。さあ、みんなでパワハラなど吹き飛ばす笑顔はじける職場にしましょう。


 労働者の命と健康は大丈夫か?

先日行われた川重株主総会にて、2018年の私傷病の退職者は20名で、そのうち自殺者が7名だったとたいへんショッキングな説明がありました。

日本財団の調査によると、自殺未遂者は自殺者の20倍近いこと、20代、30代が最も多いということです。自殺者の背後には、幸いにも死に至らなかった多数の人が存在するという深刻な問題があります。

会社は、「労災認定とは全く関係のない事由」だと説明しています。はたして、このような姿勢で良いのでしょうか。

厚労省の自殺総合対策には、勤務問題による自殺対策に、長時間労働の是正、職場におけるメンタルヘルス対策の推進、ハラスメント防止対策等が入っています。

川重でもそれらが問題になっており、会社は職場の声を真摯に聞き、命と健康を守る実効性のある施策を打つべきです。

さあ、みんなで『笑顔で出勤、元気に退社』できる明るい職場をつくりましょう。


女性の活躍は労働条件の向上でこそ

川重は、女性の活躍推進に取り組んでおり、採用、継続就業、労働時間等の働き方、多様なキャリアコースが評価され「えるぼし」認定を取得しています。

しかし、女性の実情(2018年3月末時点)を見ると、従業員は男性比で7%、幹部職員は同0.8%、年間給与は同72%(勤続年数は男女共同じ)、20代の離職率は逆に同3倍、と残念な結果になっています。また、一般事務職の採用は、パートナー社員(準社員)がほとんどとなっています。

女性からは、●男性に比べ女性の昇級が遅い、●保育所の数をもっと増やして、●パートナー社員になって給料が減ったのに仕事が増えた、●派遣でも介護休暇を取得させて欲しい等々の声があがっています。

女性が活躍するには、すべての労働者が人間として大切にされ、「8時間働けば普通に暮らせる」労働条件への向上が必要ではないでしょうか。


「快適職場づくり」2019年計画について


今年4月に、安全衛生専門委員会の「快適職場づくり」2019年度計画が発表されました。主な改善項目は、老朽化した建屋の修理、空調工事、屋根補修などとなっています。

厚労省は、「快適職場指針」を公表しており、そのめざすものは、「仕事による疲労やストレスを感じることの少ない、働きやすい職場づくり」だと説明し、ポイントとして、①作業環境の管理、②作業方法の改善、③労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備、④その他の施設・設備の維持管理、をあげています。

その点から見ると、③の疲労回復支援施設(疲労やストレスを癒す休憩室、洗身施設、疲労やストレスについての相談室等)と④の職場生活支援施設(洗面所・更衣室等)が不十分で計画も一部に留まっています。

職場からは、「身体を横にできる休憩室や汗が流せるシャワールーム、独立したリフレッシュコーナーがほしい」「女子ロッカー室が狭く着替えは時差利用しないと入れない」「昼食は消灯され暗がりでの食事だ」「休憩は昼休みの(商談・折衝)コーナーを代用しているため、プライバシーが守られてない」「トイレにシートクリーナーがない」等々の声があがっています。
これらの要求への早急な改善が必要ではないでしょうか。

読者の広場 
先人に学びましょう
何十年も前、事務職の女性の仕事内容はお茶くみ、お弁当の準備、掃除、そして男性担当者の補助でした。女性には研修もなく、先輩からの口頭教育でした。学校では男女平等といわれ、やっと自分の働きで給料を貰える時になると、男女間で随分と差があり納得できないまま年月が経ちました。

今では、あの頃とは違って、社会的に「女性活躍社会」「働く女性を応援」といっていますが、貴女は体力的にも働きやすいですか。風当たりはきつくありませんか?先人達が築いてくれた女性の立場を守り発展させたいですね。
(神戸・A子)
女性の仕事は大変です
コアパーツ工場は、本館から離れており、社内メールを持っていくのも、持って帰るのもすごい重量で、多いときは10㎏近くなります。この仕事を女性だけで当番で交代して、雨の日も風の日も本館まで往復していました。そして、ハートフルの方々にお願いして、本館からコアパーツまで、社内メールの運搬をして頂く事となり、とても助かっています。女性がするのが当然のようになっている仕事、実はとても重労働で大変なんですよ!
(名ばかり女性活躍社会)
もっと中期的視点で「働き方改革」を!
ここ最近K-WinやTQMとか会社を良くしようという活動が続けられていますが、上層部の顔色を見るばかりの活動に思えて仕方ありません。

確かにひとつひとつを取ってみれば非常に良い改善に繋がるのかもしれませんが、やみくもに活動を始めている感もあり、結果的に業務が重複してやっつけ仕事ばっかりになって疲弊感を生むばかりな気がします。もっとそれぞれの活動を横串に捉えて中長期的視点で活動を計画してください。チャレンジ目標なんて、T社で世間を騒がしたものしか想像できません。
(西神戸の星)
兵庫のファミリー行事復活
新幹線台車問題以降、中止となっていたファミリー行事が秋に復活するそうです。工場に光がさした感じで少し楽しみで元気が出ます。夏季連休前に工場内で開催していた納涼祭は中止のままです。
(兵庫・鉄ちゃん)
狭いながらも楽しい? わが社
西神戸工場のG部は本当に狭い事務所で働いています。どんどん人は増えたものの建物は数十年前のままなので、机を配置するのも一苦労。椅子を後ろに引けば、隣の島の人とぶつかるくらいの狭さだし。それはそれでコミュニケーションが良くなるっていう面もあるかもしれませんが、あくまで周りとある程度良好な関係があってこそ。どう見ても圧迫感しかありません。

この前の引っ越しでは、また無理やり詰め込んだレイアウトになり息苦しさ満載です。来てほしくない方も同じ建屋に。。。

新事務所ができると解消できるといわれ続けて早何年?いつまで続くのこの環境。
(byがんばれ西神戸)
今、使い捨てられています        
会社を辞める人がまた2人出ました。どちらもまだ若いです。ある部署の設計だけで、去年から8人目です。その中には新卒、中途採用、派遣、あらゆる人がいました。係長も2人いました。これは異常事態です。魅力的な雇用条件にして優秀な人材を獲得していくと謳っている大企業の実態がこれです。災害も増加しています。

要するに、この会社は人を大事にせず、使い捨ての駒として扱っているということです。会社は社員に対して危機感を持て、という前に自身に対して最大の危機感を持つべきです。
(機械くん)
会費集めのつぶやき
今どき会費集めを人がやっているのはここくらい。それも会社の組織なんだから天引きにして欲しいものだ。同窓会なんかも天引きなのに。本人が不在の時は立て替えているんですよ。何とかして。
(明石はひふへほ)
夏のつどい
技開本・テクノ・ベニック合同の夏のつどいが西食堂で定時後に開催されました。

千人収容の食堂が7割以上埋まっていたと思います。百円メニューも豊富で、今回は新入社員によるパフォーマンスはくじ引き大会に替わり皆さん大いに盛り上がっていました。
(明石・夏男)
テツ&トモが来た納涼祭
西神戸工場の納涼祭にテツ&トモが来ました。とても盛況で参加人数が過去最多の1050人位とのことでした。カンパニー長は挨拶で、ROICを唯一達成しているカンパニーであることを強調していました。
(西神戸・タカ&トシ)


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