「はぐるま」の「大河」 特集
 

2019年 秋季号 NO.241

台風19号は、死者・不明者96人(10月26日時点)、床上・床下浸水6.9万棟の甚大な被害をもたらしました。被害を受けたすべての方々に、心からお見舞いを申し上げます。

今回、7県で70を超える河川が決壊しました。亡くなった方の多くは、堤防決壊による浸水で逃げ遅れたことによると言われています。「想定外の雨」だったでは済まされません。

堤防決壊のほとんどは、水が堤防を乗り越えて堤防を壊すもので、2000年以前には、すでに耐越水堤防工法(堤防を遮水シートで覆う)が開発されていました。国土交通省は、それを河川対策の基本方針としましたが、河川改修でダム事業推進の妨げになることを恐れ、02年にこの方針を撤回。さらに、安倍政権下での5年間でダム事業予算が442億円増に対し、河川事業は292億円も減額。堤防氾濫による災害の多くは、ゼネコン・大企業の利益を優先した人災であり、その責任は極めて重大です。

安倍首相は、台風15号による停電・断水の復旧が最優先されるときに、災害対策本部も設置せずに内閣改造を優先させました。台風19号のときは、すでに70人近くが亡くなっているのに、自民党の二階幹事長は被害が「まずまずに収まった」と発言。国民の生命と財産に対する認識がよく表れています。

一方、被災地には高校生や遠方からもボランティアが続々と参加し、元気と希望を与えています。
 

2019年 夏季号 NO.240

ピンまで6m弱。下りのスライスライン。沈めれば優勝、外せばプレーオフ。パットが強い…ドン! 割れんばかりの歓声と同時にパターを持った左手を高々挙げて満面のシブ子スマイル。渋野選手が全英女子オープンを制し、樋口氏以来42年ぶりのメジャー制覇。テレビの前でどれだけの人が歓喜し、叫んだことか。

大観衆を味方に引き込む笑顔とプレーの速さ・勝負強さはこれまで見たことがない。最終日3番で痛恨の4パット。落ち込むどころか「攻めた結果」だといつもの笑顔を取り戻し、12番で勝負のワンオン狙い、最後は「プレイオフしたくない」と強気のウイニングパット。「今年最も愛される物語」と英紙が称賛しました。

大偉業を可能としたものは、アスリートの両親から譲り受けた強靭な身体能力と「いつも笑顔でいなさい」という教えとともに、ソフトボールなどから「力を合わせてやる団体競技は好き」というようにチームプレイで鍛えられた気持ちの強さ・切り替え、周囲への思いやりと感謝の気持ちではなかったか。

笑顔は、自律神経のバランス調整や脳の活性化でパフォーマンスを向上させ、さらに、免疫力もアップさせると科学が証明しています。さあ、みんなでパワハラなど吹き飛ばす笑顔はじける職場にしましょう。
 

2019年 春季号 NO.239

今回の天皇の「代替わり」について、安倍政権は、国会での議論で決めるべきという当然の世論を無視して、閣議決定や式典委員会(委員長・安倍首相)の議論だけで、天皇の祖先は神話の神だとした明治憲法下での皇位継承に基づき、きわめて宗教色の強い儀式を公費支出の国事行為として強行した。さらに、「新時代」到来のブームをあおり、窮地に陥っている改憲を“令和改憲”で巻き返しを強めている。

これらは、明らかに憲法の国民主権と政教分離の原則を著しく踏みにじるものであり、天皇制度の最悪の政治的利用であり、一政権による私物化である。

新聞やテレビの多くは、「代替わり」関連の儀式等を無批判に競って祝賀一色で報道した。中でも読売新聞は、「時代の幕開けを共に祝いたい」(社説)とし、何もかも「列島祝福」と書きまくる一方、5月1日に労働者・国民が切実な要求で結集した2万8千人の中央メーデーは一切報道しなかった。これは、新聞倫理綱領でいう「新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排する」の根本が厳しく問われるものである。

安倍政権や一部メディアらは、戦後、日本が神権的天皇像を否定し、国民主権へ大転換した事実をことさらあいまいにし、主権者国民をどこへ導こうというのだろうか。

憲法9条遵守を共通して嫌う彼らが、歴史の発展にどう抗ってみても、主権者は、本当の新しい時代や政治を自ら切り開くために、一人ひとりが声を上げ立ち上がっていくだろう。


2019年 新年号 NO.238

昨年11月、巨額の報酬を受け取りながら有価証券報告書で虚偽の報告をした疑いでゴーン日産会長(当時)が逮捕。

ゴーン氏は、日本企業で過去最大規模の約4万人にのぼる人員削減と工場閉鎖を強行し、格差と貧困を拡大した一人です。こうした経営で製造現場を蝕み、リコール急増、検査データ改ざんなど、ものづくり基盤を掘り崩す一方で、年10〜20億円もの法外な報酬を手に。「株主利益の極大化」を主張する今日の資本主義のあり方が根本から問われています。

安倍首相は、以前から「ゴーンさんが果たされた役割は大きい」と持ち上げ、大企業優遇税制などで後押ししてきました。

ゴーンさん・安倍さんへ、朝ドラ「まんぷく」の一場面です。

「萬平さんは、お金持ちになりたいと思うて会社を作ったわけやありません。世の中の役に立ちたい、世の中の人を喜ばせたいと、もうそれだけ思うて仕事してるんです。」


2018年 秋季号 NO.237

沖縄知事選挙は、安倍政権が官邸主導で、権力を総動員して「辺野古ノー」の声を押しつぶそうとしましたが、逆に県民の強い批判と怒りを呼び起こし、玉城デニー氏が知事選で過去最多となる得票で圧勝しました。

安倍首相は、選挙後、沖縄の民意にまったく耳を傾けることなく、普天間基地の辺野古への移設で、「基地負担の軽減に努めていく」と述べました。

そもそも普天間基地は、米軍による民有地の強制接収でつくられ、「世界一危険」な基地と呼ばれています。その基地を無条件で撤去・返還せよという当然の民意に対し、政府は、アメリカに何ら要求もせず、代わりとして大幅に機能強化する耐用年数200年の新基地を提供しようというもので、それは県民に新たな負担を強いるものです。なのに、安倍首相は平気で「軽減」と呼んでいます。

全国の米軍専用施設の約7割が沖縄に集中し、沖縄本島では約15%の面積が占められ、それが経済発展の障害にもなっています。朝鮮半島での平和の激動の中で、基地強化が進められています。

いま問われているものは、新基地の是非だけでなく、日本という国の民主主義であり、地方自治であり、そして、人間らしく生きるという個人の尊厳を謳う日本国憲法そのものでしょう。この問題の解決への大きな希望は、知事選での「オール沖縄」の勝利であり、リスペクト精神で大義の旗を掲げた市民と野党の共闘ではないでしょうか。


2018年 夏季号 NO.236

7月の西日本豪雨は、死者・不明者231人、住宅被害約4万8千棟、1982年の長崎大水害以降、最悪の被害をもたらしました。今回、犠牲者の多くは、高齢者や障がい者などいわゆる弱者でした。

「災害列島」と言われる日本で、国民の命と財産を守るのは政治の責任です。しかし、全世帯の半数以上が浸水した岡山・真備町では、何年も前から河川の整備工事を国に働きかけていましたが認められませんでした。南海トラフも想定されているのに、国の防災関係費は、防衛関係費の5兆円に比べればあまりにもお粗末で、昨年は3兆円弱でした。

また、被災した住宅・商店等への復旧支援は全壊で300万円と貧弱です。「個人財産の形成になる」というのが理由です。被災者の生活と生業の再建より、大企業・アメリカ応援という国の姿勢がよく表れています。

その象徴的なのは、大雨特別警報が出た7月5日夜、安倍首相と閣僚らが開いた「赤坂自民亭」なる飲み会です。オウム元幹部7人の死刑執行を命じた上川法務大臣にあっては、執行前夜にもかまわず「いいね」ポーズをしたという。さらに、豪雨災害を所管する石井大臣は、災害対応よりカジノ法案の採決を優先しました。

一方で、豪雨で冠水した街をゴムボートで、倒れるまで救助活動した青年。猛暑のなか駆け付けた多くのボランティア。彼らに明るい未来を見ることができます。


2018年 春季号 NO.235

「じゃあ、いま越えてみましょうか」と南北両首脳が手をつないで、板門店の軍事境界線を越えた映像が大型スクリーンに映し出されました。4月27日の南北首脳会談は、核のない朝鮮半島の実現や朝鮮戦争の年内終戦などを合意し、文字通りの歴史的会談となりました。

いま、唯一の戦争被爆国であり、憲法9条を持つ日本こそが、平和を求める世界とアジアの諸国民と連帯し、朝鮮半島での平和の激動を促進する先頭に立つべきです。

在日米軍基地や憲法9条を踏みにじる日本の再軍備は、朝鮮戦争と深く関わりをもってつくられました。朝鮮戦争が終結すれば、今日でも維持されている在日米軍基地からの朝鮮半島への出撃態勢は不要となり、北朝鮮の脅威を想定した軍事戦略は大転換を迫られることになります。

しかし、安倍政権は、対話による平和的解決への激動のもとでも、まだ「最大限の圧力をかける」と主張し、すっかり「蚊帳の外」に置かれてしまいました。これまで、北朝鮮脅威論を最大限利用して、政権の浮揚や大軍拡、9条改憲を推し進め、「対話否定、圧力一辺倒」の路線をひた走ってきました。このような安倍政権の立場は、せっかくの平和の激動に水を差すことになるので一刻も早く退場してもらいましょう。

さあ、軍事的抑止力に依存した安全保障から脱却し、軍拡から軍縮への転換などをめざし、北東アジアの平和を築きましょう。


2018年 新年号 NO.234

昨年テレビ放送されたドラマ『陸王』は、『下町ロケット』に引き続き高視聴率でした。

「金儲けだけじゃなくてさ、その人が気に入ったら、その人のために何かをしてやる。喜んでもらうために、何かをする」(足袋屋社長)、「あなたが失敗したって、迷惑だとは思わない。失敗しない人間なんかいないよ」(足袋屋縫製課リーダー)、「いいチャンスじゃないか。疑ってばっかじゃなく、たまには自分を信じてみたらどうだ」(シューズ調整プロ)

様々な登場人物の温かく信念に満ちた言葉に、そうだそうだ∞あんなふうに言ってみたい∞あの人にぜひ聞かせてあげたい≠ネどと、心の中で呟きながら涙を流した人も多かったのではないでしょうか。

自己責任論や利潤第一主義が吹き荒れ、あまりにも腹に据えかねることの多い世の中で、ドラマは、生きていること自体を肯定し、地道に働いていることを賛美し、誰かの役に立とうという行為が、人間を成長させ、人の輪を広げていくすばらしさを、様々な登場人物の葛藤を通じて語りかけ、「あきらめるな」と背中を優しく後押ししてくれます。

「人だよ。絶対にかわりがないのは、モノじゃない。人なんだ」(飯山元社長)


2017年 秋季号 NO.233

神鋼の検査データ改ざん、日産・スバルの無資格者の完成検査。製造業大手のルール無視の不正行為が相次いで発覚しています。少し前にも、三菱自動車の燃費偽装や東芝の粉飾決算。「日本のものづくりはどうなっているのか」と国内外で不信を広げています。自社の利益を第一にデータ改ざんするなど、製造業として許されるはずがありません。

いったいなぜ?″ その背景にある問題として、第一に、もののつくり方自体が、社会的責任を果たさずに利潤第一主義に走っていることです。低賃金の非正規雇用の拡大や長時間過密労働の放置、下請け単価の引き下げや海外への生産シフト等々。そして、大きな機関投資家集団をバックに主要株主の上位を占めている資産管理信託会社が、この経営姿勢に拍車をかけています。

第二に、本来、大企業の社会的責任を厳しくチェックすべき公的機関と労働組合が、その役割をきちんと発揮していないことです。その要因には、政権党への多額の企業献金や、労資一体路線の問題があると言えます。

第三に、成果主義や労資一体などで、自由に意見を言える職場風土になっていないことです。

これらの三つの問題が重なり、ものづくりの力も低下させているのではないでしょうか。ものをつくる人たちを大切にしてこそ、良いものがつくれるのです。真の信頼回復には、少なくとも、それらの問題の是正が必要でしょう。


2017年 夏季号 NO.232

「ついに歴史が動いた」7月7日、ニューヨークで行われていた国連会議は、人類史上初の核兵器禁止条約を、国連加盟国の約3分2にあたる122ヶ国の賛成で採択しました。これは歴史的壮挙です。今回、初めて市民社会の代表が参加し、被爆者の参加が会議の成功の推進力となりました。戦争被爆国である日本政府はこの歴史的会議をボイコットし、日本の政界からは唯一、日本共産党が参加しました。

条約は、前文で、核兵器の非人間性を厳しく告発し、国連憲章、国際法、国際人道法に照らして、その違法性を明確にし、条約第一条では、核兵器の「開発、実験、生産、保有、使用」、そして「使用の威嚇」も含め、全面的に禁止しています。核兵器は、人類史上初めて「違法化」され「悪の烙印」を押されたのです。これによって、条約に参加していない核保有国、同盟国も、政治的・道義的に拘束されることになります。

日本政府は、条約採択後、ただちに「日本が署名することはない」と言い放ちました。参加した被爆者からは、「心が裂ける思い」「母国に裏切られた」と厳しい批判があがりました。

みなさん、歴史的な核兵器禁止条約を力に、野党と市民の共闘を発展させ、核兵器禁止から廃絶を求める世界の本流の先頭に立つ政府をつくりましょう。


2017年 新年号 NO.230

昨年末の国連総会で、核兵器禁止条約の締結交渉を今年に開始する決議を、米国など核保有国が反対するなか、圧倒的多数で採決しました。

これにより、米国などが交渉を拒否しても、禁止条約がつくられ核兵器が「違法化」となれば、核兵器の維持や近代化は史上初めて違法となり、核兵器を使うことを前提にした政策は大きな制約が課され、核兵器廃絶にむけて世界が大きく動くことになります。

米ソ両国を中心とした「核抑止力」論を乗り越え、ここまで核兵器固執勢力を追い込んできたのは、世界と市民の世論と運動、とりわけ核兵器の非人道性、残虐性を告発してきた広島・長崎の被爆者を先頭にした日本の反核平和運動です。

しかるに安倍政権は、今回の国連決議に「反対」の態度をとりました。唯一の戦争被爆国の政府にあるまじき、日本国民の意思を無残に踏みにじる態度です。

核兵器廃絶を求める世論と運動は、恥ずべき政権を踏み越えて必ずや前進するでしょう。


2016年 秋季号 NO.229

「強行採決するかどうかは佐藤さんが決める。そのためにはせ参じた」…山本農水相が与党にTPPの強行採決をけしかけた発言です。そして、自公維で強行採決しました。

これは、自民党の「TPP断固反対 ウソつかない」というかつての主張と、米・麦等の重要5項目は関税撤廃の対象外とする国会決議への重大な違反です。国民の7割が「慎重審議」というのに、安倍政権の暴走が極まっています。

TPPは、すべての関税を撤廃し貿易を自由化するもので、日本の食料自給率を27%まで低下させ、食の安全や保険制度等の社会を守る制度も緩和撤廃します。さらに、多国籍企業が損害を受けたとして相手国に巨額の賠償を訴えることのできるISDS条項の仕組みまであります。まさにTPPは国民の暮らしや安全、国家主権さえも多国籍企業に売り渡す協定です。

国民のためにならないTPPは廃案し、世界各国と食料主権を尊重した経済関係を発展させるべきです。


2016年 夏季号 NO.228

世界各地で紛争が激化し、テロの脅威やロシアの国ぐるみのドーピング問題等に揺れる中、南米で初めて開催されたリオ五輪が閉幕しました。

初めて結成された難民選手団、「平和と地球再生」「民族や宗教、政治などの多様性の尊重」を訴えた開会式、国境を超えた選手たちが最後まであきらめずに技と力を尽くし、競技後に健闘をたたえ合った姿、女子陸上5千で転倒した選手の助け合いゴール、等々。

スポーツを人権の一つとして位置づけ、「人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進する」を目的とする五輪にふさわしい大会となりました。そして、史上初めてのメダルを連発した日本選手団の活躍も大会を盛り上げました。

「私は、すべての難民を代表したい。どんな困難も、嵐のように辛い日々も、いつかは落ち着くと伝えたい」(シリア脱出の女性選手) 誰もがスポーツを楽しみ、人間的に高め合える平和な世界をめざして、東京五輪につなぎましょう。


2016年 春季号 NO.227

先日、サッカー史上最大の番狂わせ≠フ報道が世界を駆け巡りました。最高峰のプレミアリーグで、資金力もスター選手も持たない人口30万の小さな町のチーム―岡崎慎司が所属するレスターが、宇宙人を見つける≠謔閧烽ヘるかに難しいといわれた奇跡の初優勝を達成しました。

「私は有名選手を求めてはいない。選手たちと共に成長したい」。これは、今季からレスターに就任したラニエリ監督の言葉です。彼は、戦い方もコーチ陣も「変えないこと」を決め、選手の自主性を尊重し、経験の少ない選手の長所を伸ばす一方、「走り切ること」を強く求め続け、その分、週休2日を貫き体力維持に成功させたと言われています。ピッチでは、「自分のプレーを楽しんでくれ、そしてできればチームを勝たせてくれ」と勇気づけた。

不正や不祥事が続く大企業の経営陣は、目先の利益や株主だけを見るのではなく、ラニエリサッカーから学びとるのもよいのでは。


2016年 新年号 NO.226

昨年放送された『下町ロケット』は、たいへんな高視聴率でした。心でうなずきながら涙を流した人も多かったのではないでしょうか。現在放送されている朝ドラ『あさが来た』もびっくりぽん≠フ視聴率を記録しています。その背景には?

働きたいけど仕事がない、ようやく見つかった会社でボロボロになるまでこき使われ「はい、さよなら」。働いても働いても食えないような収入で苦悩する零細企業。そんな一方で、黙っていても年間数億円の株配当。大企業の儲けや金持ち大優先。米軍には我々の血税20兆円。アホな≠ニ叫びたくなる毎日です。

ドラマは、正直者やコツコツ働く社会的弱者を励まし、命の尊さや個人の尊厳の大切さを、濃い人間関係を通して熱く語りかけ、自分にも何かできるのでは≠ニ背中を優しく後押ししてくれます。

「どこに行っても、苦しい時が必ずある。そんな時は、逃げるな。人のせいにするな」(佃)、「なんで勇気出して今を変えようとしはらへんのです」(あさ)。みんなで、生きててよかったという社会に。


2015年 秋季号 NO.225

2日連続のノーベル賞受賞で日本中が沸きかえりました。医学生理学賞の大村智氏は、感染すると失明の恐れもある熱帯病などの治療薬を開発しました。毎年2億人以上が救われています。物理学賞の梶田隆章氏は、素粒子の中でも、多くの謎が残るニュートリノに質量があることを発見しました。宇宙の根本的な成り立ちを解く鍵となっています。

「科学者は人のためにやることが大事だ」(大村氏)、「この研究は何かすぐ役に立つものではないが、人類の知の地平線を拡大するようなもの」(梶田氏)…地道な研究を積み重ね、人類への計り知れない貢献をもたらした両氏の言葉です。

近年、研究開発資金が削られるなかで、研究現場での雇用不安や基礎研究力の低迷など、深刻な事態が指摘されています。個人の尊厳を大切にして夢やロマンを育むとともに、若手研究者が長期にわたり、根気強い探求と独創性のある基礎研究をできるよう支援の抜本的強化が望まれます。


2015年 夏季号 NO.224

「国民の過半数が反対している中で、これを無理やり通したという事実は、紛れもなく独裁です。だけど、わたし、今この景色に本当に希望を感じてます。大阪駅がこんなに人で埋め尽くされているのを見るのは、わたし、初めてです。この国が独裁を許すのか、民主主義を守りぬくのかは、今わたしたちの声にかかっています。・・・安倍首相、二度と戦争をしないと誓ったこの国の憲法は、あなたの独裁を認めはしない。国民主権も、基本的人権の尊重も、平和主義も守れないようであれば、あなたはもはやこの国の総理大臣ではありません」

これは、7月15日梅田の青年街宣での21才女性のスピーチの一部です。

いま全国各地で青年学生が、就職活動での不利益や周囲の偏見などを恐れることなく、自発性・創意性を持って戦争法案への抗議行動に立ち上がっています。「未来は若者のもの」「若者が動くとき、すでに勝利の光あり」。力を合わせ安倍政権を打倒しましょう!


2015年 春季号 NO.223

「世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たす。そのために必要な法案の成立を、この夏までに必ず実現します」。これは、4月29日、安倍首相が米議会演説で、国民多数が反対している「海外で戦争する国」への大転換となる「戦争立法」を、国会での議論もないままに、米大統領の副官気取りで誓約したものです。

28日の日米首脳会談では、「辺野古移設を唯一の解決策とする立場は揺るぎない」などと、沖縄県知事と県民の意思を無視して、あくまで強行することを強調しました。 米の歓心を買うために、これほどまで日本の独立と主権をないがしろにし、対米従属の姿勢を示した首相はいません。同演説の締めくくりで、首相は「希望の同盟」と舞い上がりましたが、世界を見れば、軍事同盟に頼らず、国連憲章の諸原則に基づく平和の地域共同体が広がっています。

安倍政権の憲法破壊のたくらみを、空前の国民的大闘争で打ち砕きましょう。


2015年 新年号 NO.222

すさまじい轟音と激震が襲い死者6434人、全半壊(焼)約47万世帯の被害を出した阪神・淡路大震災から20年。まだ多くの被災者が住宅や生業再建の借金返済に追われています。神戸市と西宮市は、「入居期限は20年」だと借り上げ災害復興住宅から被災者の追い出しを迫っており、被災者は不安を募らせています。

なぜいまなお被災者が苦しむのか。その根底には、現金給付など「個人財産の形成になる支援は行わない」、国民生活より大企業応援という国の姿勢があります。これが大災害からの復興を妨げてきました。

これに屈せず、阪神・淡路の被災住民が中心となり98年に「被災者生活再建支援法」の成立を成し遂げたことは、歴史に残る偉業でした。被災者の生活再建は、人間として生きるための「基本的人権の基礎」であり、地域社会の迅速な再建に不可欠です。災害が多発する今日、阪神・淡路大震災の生活再建運動を継承発展させましょう。


2014年 秋季号 NO.221

「肌の色や話す言語、信仰する宗教が問題なのではありません。お互いを人間として扱い、尊敬し合うべきなのです。そして、私たちは、子どもの権利、女性の権利、すべての人々の権利のためにたたかうべきです。」これは、今年のノーベル平和賞を受賞したパキスタンのマララさん(17)のスピーチです。

日本で権利を主張して殺されることはないかも知れません。しかし、憲法で謳われた国民の権利が、集団的自衛権行使や秘密保護法などで、傷つけられ殺されようとしています。

国民の権利は、先人たちの長いたたかいの歴史によって獲得されたもので、人間が人間として生きていくための根本的条件と言えます。それを本当に生きた権利にするには、権利の現状を点検し、侵害に対してはたたかい、実際に権利を行使することが必要です。

今回、憲法9条が平和賞の候補にあがりました。将来の受賞に向け、9条を守り実践していきましょう。


2014年 夏季号 NO.220

7月末からの記録的な豪雨は、各地に大規模な被害をもたらし、特に広島の土砂災害では、死者49人不明者41人(8/24時点)の甚大な被害が出ました。被害を受けたすべての方々に、心からお見舞いを申し上げます。

日本はガケ崩れの危険個所が多く全国で約52万カ所、中でも広島県は3万2千カ所と全国一です。自治体は危険個所を調査し、土砂災害警戒区域等を指定し住民に周知することになっていますが、人手不足等で進んでいません。広島の被害地域で指定されていたのは一カ所のみと悔やまれます。豪雨のたびに多くの死者を出し、日本は災害に弱い国になっています。

安倍首相は、すでに行方不明が報じられていた20日に、国民の命よりゴルフを優先するというゆるみきった姿勢です。一方、被災地に「手伝えることはないか」とボランティアの申し出が殺到しており、希望が膨らみます。一日も早く国民の命と安全を第一にする政治が望まれます。


2014年 春季号 NO.219

いま安倍政権は、教育委員会の制度を大きく変えようとしています。もともと教育委員会は、戦前の「お国のために血を流せ」という中央集権型の軍国主義教育を改め、教育の自主性を守る目的に発足しました。それを再び国と首長の支配下に置こうとしています。

これは、解釈改憲による集団的自衛権行使など、「海外で戦争する国」づくりと一体のもので、侵略戦争美化の「愛国心」教育と異常な競争主義を押し付けるきわめて危険な狙いと言えます。

国がやるべきことは、まず子どもを独立した人権として尊重し、少人数学級の実現や教育の無償化など教育条件を整備することです。「教育とは子どもたちをいつくしみ、希望をはぐくむ営み」(三上満)ではないでしょうか。

子どもを戦場へ送る教育にしようという安倍政権のたくらみを打ち砕き、教育と教育行政の自主性を守る共同を一緒に広げていきましょう。


2014年 新年号 NO.218

安倍首相は、内閣発足1年目の昨年末、靖国神社を参拝しました。靖国神社は、戦争中は、国民を戦場に動員する役割を担い、現在も、日本の侵略戦争を肯定・賛美し、A級戦犯が合祀されている施設です。首相は「不戦の誓い」をしたと弁明しましたが、それに最もふさわしくない場所が靖国神社です。

首相の行為は、日独伊の3国が行った侵略戦争は不正不義のものとする第2次世界大戦後の国際秩序に対する正面からの挑戦であり、「戦争する国」づくりへの新たな決意表明以外の何ものでもありません。中国・韓国政府からの厳しい批判はもとより、米政府からも「失望した」との異例の批判が出ました。歴史逆行の安倍政権では、日本は世界からまともに相手にされない国になりかねません。

世界は、東南アジアや中南米を中心に、対話と信頼醸成で「紛争を戦争にしない」平和の流れが大きく発展しています。日本の政治も、未来あるこの方向に前進させる年にしましょう。


2013年 秋季号 NO.217

軍備をもたず戦争をしないという憲法9条をもつ日本で、秘密裡にアメリカと一緒に海外で戦争する計画がすすめられたとしても、それを探知したら懲役10年の厳罰に処するという。安倍政権が今国会で強行しようとしている「秘密保護法案」です。

この法案は、何が秘密かも秘密で、原発の放射能漏れさえ隠される恐れがあり、その情報をつかんだら、突然容疑不明で逮捕、何で裁かれているかもわからずに重罪を下されることに。さらに、防衛省の仕事をする川重労働者などは身上調査の対象とされることも。憲法9条をないがしろにする恐るべき軍事立法です。

安倍政権は、先日、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案を強行採決しました。秘密保護法で国民の目と口をふさぎ、NSCを軍事司令塔に、アメリカと一緒に海外で「戦争する国」に変える体制づくりをしゃにむにすすめています。

みなさん、民主主義の破壊に反対する一点で力をあわせ、必ず阻止しましょう。


2013年 夏季号 NO.216

68年目の終戦記念日に、安倍首相は、過去の侵略戦争を「正義の戦争」と宣伝する靖国神社への代理参拝を強行し、玉串料を納めました。

安倍首相は、以前から日本の侵略戦争を正当化する発言をくり返し、麻生副総理にいたっては、憲法改定に関連して“ナチスの手口に学べ”とナチズム肯定・民主主義否定の暴論です。これらと一体に、米国とともに海外で戦争できる国にするために「集団的自衛権」の憲法解釈の見直しを、選挙後急浮上させています。

戦後日本は、侵略戦争の根本的反省を原点として、平和憲法を“誓い”に国際社会に復帰しました。侵略戦争を肯定するものに、国際政治にも国政にも参加する資格はありません。それは世界から孤立の道を突き進むことになるでしょう。

「米国に染まらず、米国との軍事同盟から脱退し、世界に対する道義的な権威となり、東アジアに平和をもたらしてほしい」(米映画監督オリバー氏)。この道こそ未来があるでしょう。


2013年 春季号 NO.215

憲法問題が参院選の一大争点に浮上してきました。

安倍首相らは、96条を改定して、改憲の発議要件を各議院の過半数に引き下げ、法律並みにハードルを下げようとしています。それは、時の政権の都合だけで憲法を変えようとする言語道断の暴挙です。

日本国憲法は、侵略戦争の反省を原点に、戦争放棄とともに戦力の不保持・交戦権の否認まで定めた9条をはじめ、基本的人権でも世界に誇れる先駆的な内容をもっています。

改憲派の最大の狙いは、96条の改定を手始めに、憲法9条を変え、国防軍の創設など、日本を戦争する国につくりかえることです。

さらに、基本的人権は永久の権利と定めた97条の全面削除によって、憲法を、権力を縛るものから、国民を縛るものへと根本的に変質させようとしています。

いま必要なことは、憲法を守り、憲法を日本の政治と社会に生かし、世界の平和に貢献する日本をつくることではないでしょうか。


2013年 新年号 NO.214

2006年12月。「大規模地震で…内部電源も動かなくなったときに、原子炉はどうなっていくか」(共産党吉井議員質問)、「ご指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しております」(当時の安倍首相答弁)。そして2011年、福島原発事故発生。

原発は、事故が一度起きたら被害を食い止める手段も、増え続ける「核のゴミ」の処理方法もありません。そもそも原発は、事故が起きなくても、その日常的な保守作業や核燃料の製造過程で被爆は避けられず、人間社会とは決して両立できません。

いまなお福島の避難者は16万人です。2度目の安倍政権は、何よりも大事故を引き起こしたことへの深刻な反省と謝罪をすべきです。しかし、発足早々、原発の再稼働のみならず、新増設凍結の見直しを公言するなど、絶対に許されるものではありません。

あの3・11を二度とくり返さないために、原発推進勢力を退場させ、「原発ゼロの日本」を実現しましょう。


2012年 秋季号 NO.213

11月16日に衆議院が解散され、日本の命運をわける歴史的選挙がはじまりました。

日本の政治は、60年に渡り「アメリカいいなり」「財界中心」の自民党型政治が続いてきました。民主党政権もそこから抜け出せずに無残な失敗をとげました。

この政治は、日本国民の根本的利益とは相反するために、その結果として、デフレ不況やTPP、原発・エネルギー、米軍基地など、あらゆる分野で矛盾を広げ深めてきました。

その責任から逃れるために新党乱造・離合集散という現象も生まれています。また、改憲や核武装の準備などを公言し、自民党型政治をさらに反動化して古い政治の行き詰まりを打開しようとする危険な流れも生まれています。しかし、彼らのめざす方向には決して未来はありません。

直面する根本問題の解決のためには、自民党型政治を断ち切る以外にありません。さあ、「人民の人民による人民のための政治」に立ちあがりましょう。


2012年 夏季号 NO.212

連日熱闘のロンドン五輪が閉幕しました。

選手たちがフェアプレーで技と力の限りを尽くし、競技後に健闘をたたえ合う姿は、世界の多くの人たちに感動と勇気をもたらしました。204の参加国・地域のすべてで、女性が参加を果たしたことは、女性のスポーツ参加と男女平等の進展という点でも画期的なものとなりました。

「この銀メダルによって、子どもたちが銃やナイフを置き、その代わりに運動靴を手に取ってくれればいい。」(政情不安な中米グアテマラの初の五輪メダリスト)、「国民が再び一体となるような試合をして、暴力を終わらせたい」(内戦シリアの女子選手)

もともと五輪は、「人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進する」ことを大きな目標とし、前提ともしています。「ひとつの世界に向けて」をテーマに掲げられた今大会は、世界を友情と平和でつなぐ力となり、次の新たな世代への希望のメッセージとなったのではないでしょうか。


2012年 春季号 NO.211

「子どもへのプレゼントをすることができます。止まったのではない、止めたのだということを確認しましょう」(さよなら原発5・5集会)

こどもの日、全原発50基が停止する歴史的な日となりました。これは、国民のたたかいが、大飯原発などの再稼働をねらってきた野田政権や電力業界など原発に固執する勢力を追い詰めた重要な成果です。

事故が起これば取り返しがつかない大きな被害をもたらす原発事故の危険が浮き彫りになり、世界でも日本でも、原発からの撤退を求める声は急速に広がっています。ドイツでは、2022年までに原発からの撤退を決めました。重視されたのは、エネルギーや経済ではなく、人間とその生命の尊厳という見地でした。

原発を再稼働しなければ電力不足が起き「集団自殺」になるなどという悪質な脅しをはねのけ、一日も早く原発からの撤退を実現しましょう。それは人間そのものを大切にするたたかいでもあります。


2012年 新年号 NO.210

「・・生かされた者として、顔を上げ、常に思いやりの心を持ち、強く、正しく、たくましく生きていかなければなりません。・・苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていく事が、これからの、わたくしたちの使命です。・・」昨年、気仙沼市立階上中学校の卒業式での答辞です。

この言葉に、被災者だけでなく、全国の無数の人たちが、感動と強く生きる勇気をもらったことでしょう。現在も様々な人たちを励まし続けています。

それにしても、中学生が、あの残酷な境遇に投げ出されながらも、なぜこうまで強くなれたのでしょう。

それは、現実をまず受け止めることから始め、これまで多くの人たちに支えられて現在の地点に立っていることに気づき、困難をともに乗り越えていく仲間を見つけ、そして、社会に自分が役立てる方向を見出したことによるものだと思います。

「歴史的岐路」に立つ2012年の年頭にあたって、あらためてこの答辞が想起されました。


2011年 秋季号 NO.209

野田内閣の「国の形を変えてしまう」大暴走が止まりません。

政府は、11月中旬のAPECで、TPP(環太平洋連携協定)交渉への参加を表明しようとしています。TPPは、農業と食料だけでなく、暮らしと経済のあらゆる分野をアメリカに売り渡すものです。

さらに、年金支給開始年齢の先延ばしとG20での消費税10%表明、普天間基地の辺野古移設の推進・・・

日本は、戦後一貫したアメリカ・財界中心の政治が続けられてきたため、国内需要は減少し、貧困と格差が拡大し深刻なゆきづまり状況にあります。いまその根本的打開をめぐり、歴史的決着のたたかいに直面しているのです。

野田内閣は、アメリカ・財界の「使い走り」という本性をあらわにしたと言えるでしょう。

「国民こそ主人公」、歴史をつくるのは私たちです。さあ〈1%の大金持ちが支配し、99%が犠牲となる社会でいいのか〉〈We Are The 99%〉の声で列島騒然を。


2011年 夏季号 NO.208

劣勢をはねかえし最後はPK戦を制した「なでしこジャパン」。念願のW杯初優勝を飾り、久しぶりの明るい話題で日本中がわきたちました。

体力やパワーで劣る日本が、頂点をつかみとった強さは何だったのでしょう。

沢選手が帰国後に、「たくさんの方にサポートしていただいたおかげ。夢をあきらめずに頑張ってきてよかった」「大会を通じて全員があきらめず団結力を発揮した」と語っています。

自分たちを支えてくれた人たちへの「感謝の気持ち」、「仲間への信頼と団結力」、「あきらめない力」が、夢の世界一を勝ち取った強さであり、そして、多くの人たちを感動させ、勇気づけたものではなかったでしょうか。

一人ひとりの人間が、生きる夢や目標をもつことができて、「あきらめない力」を育んでいけるような社会的連帯と社会的環境を、みんなでつくっていきましょう。そうすれば、社会が感動のドラマで満ちあふれることでしょう。


2011年 春季号 NO.207

地震や台風などの天災は避けられませんが、日本はそのたびに多くの人たちが亡くなっています。

一方、自殺者が13年間連続で3万人を超えており、企業では、毎年労働災害による死傷者が10万人を超えています。

そこには、大企業の利潤追及が最優先され、「個人責任」の名で社会的弱者が切り捨てられているという共通の問題があるのではないでしょうか。

いま大震災の復興をめぐって、新たな利潤追及と復興を名目にした消費税増税の動きがでています。

それらに反対し、一人ひとりの命と暮らしを大切にする真の復興をめざす国民的運動が求められています。それは、利潤第一主義を克服し、真の「人間復興」の新しい社会をめざす運動へと発展するでしょう。


2011年 新年号 NO.206

100年以上の歴史をもつ三菱重工の神戸造船所が、来年6月末をめどに商船建造から撤退すると表明しました。

神戸造船所と取引のある13%の下請業者が「経営が維持できない」、28%が「規模の縮小が必要」と答えています。すそ野の広い地域産業だけに、その影響は甚大です。

撤退の理由は、「確実な利益を上げていく体質を作り上げる」ためとしていますが、より儲けの大きい原子力と潜水艦へのシフトが狙いでしょう。兵庫県内では、アサヒビールや森永製菓、雪印も次々と閉鎖を表明しています。

いま、大企業の社会的責任とは何かが、厳しく問われています。いまこそ、大企業の身勝手な行動を許さないたたかいに立ちあがるときではないでしょうか。

雇用と暮らしを守るたたかいは、「人間らしい労働」を回復させるとともに、人々の結びつきを深め、町も活性化させるでしょう。そして、子供たちに夢と希望を与えるでしょう。


2010年 秋季号 NO.205

「日本は今、いまだ誰っちゃあ経験したことのない時代を迎えゆうがじゃ」「これから日本は大きゅう変わるがじゃ」…NHKの大河ドラマ『龍馬伝』は、いよいよ大詰めを迎えています。

龍馬が活躍した幕末は、ペリー艦隊の来航を機に、日本が世界市場に組み込まれ、身分制度にもとづく民衆支配の幕藩体制が急速に解体してゆく時代でした。

時が流れて今日、一向に改善しない経済危機と、普天間問題に加えて尖閣諸島や日ロ領土問題と、なにやら内憂外患に揺れる幕末の様相です。政権が自公から民主に交代しても、アメリカと財界にモノ言えない政治では、内外の閉塞状況を打ち破れません。暮らし最優先の政治への根本的転換こそ、「国民が主人公」の新しい日本への道です。

龍馬は言う。「わしらあはの、日本人みんなあが笑うて暮らせる国をつくりたいじゃき」「日本は、今のわしらあには考えも及ばんような夢と希みが満ちあふれちゅう国になるぜよ!」


2010年 夏季号 NO.204

アフリカ大陸で初のワールドカップは、観客数が300万人(3番目の記録)を超え、たいへん盛り上がりました。

初優勝したスペインは、見事な総合力でした。失点が1次リーグの2失点のみという強固な守備力と、それを土台にした攻撃的なパスサッカーは、今後の世界の主流となると言われています。

控え目で温厚で知られるデルボスケ・スペイン監督は、選手とよく会話して気分よくプレーできる環境をつくり、一人ひとりのモチベーションを高め、個性豊かな集団をつくりあげたと評されています。

攻撃的なパスサッカーを支えたのは、個々の高い技術は言うまでもありませんが、パスを出す相手への信頼と配慮を備えたチームワークではなかったでしょうか。

「高度な総合技術力」をめざす川重としては、スペインサッカーから学びとるべきことが多いのではなかろうか。


2010年 春季号 NO.203

鳩山政権は、「核密約」問題でも米国にモノ言えぬ政権であることが露呈してます。

「核密約」は、核兵器を搭載した艦船の寄港や航空機の飛来の方式で、日本への核兵器持ち込みを、条約上の権利として米国に認めたもので、「非核三原則」とは相容れません。

日本共産党は、2000年の国会で、日米両国政府で調印された「討論記録」を突きつけ、「密約」の存在を決定的にしました。

それなのに、「密約」問題の解明にあたった鳩山政権は、密約文書の存在を認めながら、密約でないとねじ曲げました。これでは、密約と認めていないので廃棄することもできません。彼らの根底には、「核抑止力」論―核使用が前提となって初めて成り立つ論理―の立場があります。これは、「核兵器のない世界」への最大の障害です。

しかし、核兵器廃絶の世論と運動は、必ずや「密約」の事実と「核抑止力」論者たちをあぶりだすでしょう。


2010年 新年号 NO.202

沖縄の米軍普天間基地移転問題は、鳩山政権を大きく揺るがしています。アメリカに恫喝されてから、民意から後退ばかり目立ちます。それは、「日米安保がある」「海兵隊は抑止力として必要」という“二つの呪縛”に縛られているからです。

世界を見れば、東南アジアや南米のように軍事同盟に頼らず、紛争の平和解決、領土保全の尊重など、国連憲章の諸原則に基づく平和共同体が世界各地に広がっています。軍事同盟で残っているのは、米軍を中心としたNATO、日米、米韓、米豪だけで、いまや「20世紀の遺物」ともいうべき時代錯誤の存在です。

また、沖縄の海兵隊を平和のための「抑止力」という議論も、イラク戦争などを見れば戦争のための「侵略力」です。基地の移転先は、アメリカに考えてもらったらよいことです。

“二つの呪縛”から抜け出し、世界の動きに沿ってこそ、真の解決の道が開けるのではないでしょうか。


2009年 秋季号 NO.201

鳩山首相は、国連気候変動サミットで、日本の温室ガス削減について「20年までに1990年比で25%削減する」と表明しました。日本共産党や環境NGOが求める30%には及ばないものの、これまでの自公政権からの大きな転換なので、私たちも歓迎するものです。

一方、日本の財界は、「企業経営に大きな影響をもたらす」「大きな国民負担になる」などと国民に脅しをかけています。

平均気温が産業革命前と比べて2度以上上昇すると、急激な温度上昇が起き二度と元に戻れなくなると言われています(現時点で0.76度上昇)。地球温暖化抑止は一刻の猶予も許されない人類的課題なのです。

日本の財界は、人類の滅亡より企業経営の方が大事だと言うのでしょうか。利潤第一に人間を使い捨てにする彼らには、温暖化は止められません。「人にやさしく環境を大事にする社会」をつくる視点で経済と社会を見直すことが大切なのではないでしょうか。


2009年 夏季号 NO.200

国連「グローバル・コンパクト」(GC)が国連本部に発足して9年になります。

GCは、持続可能なグローバル経済をめざし、各企業に対して、人権、労働基準、環境、腐敗防止に関して、国際的に認められた規範(10原則)を支持し、実践するよう要請しています。いまや参加企業は130カ国以上で6000社を超え、世界の大きな流れとなりつつあります。

株主だけに目を向け、利潤追求のためなら「派遣切り」などなんでもありでは、世界の中で孤立の道をすすむことになるでしょう。

私たちは、10原則を立派に遵守した企業風土を確立し世界に誇れる企業になってほしいと考えています。

日本共産党の志位委員長は、「財界・大企業に対する私たちの立場は、『大企業打倒』でも『大企業敵視』でもありません。大企業の不当な横暴をただし、その経済力に応じた社会的責任を求めることが、党綱領がいま求めている立場であります。それは日本経済の健全な発展を促すとともに、企業の発展にもつながる道であります。」と語っています。

GC「10原則」の一部紹介
人権 企業は、
原則1:国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重し、
原則2:自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである。
労働基準 企業は、
原則3:組合結成の自由と団体交渉の権利の実効的な承認を支持し、
原則4:あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、・・・